建築家になりたいのか?デザイナーになりたいのか?その時工務店はどうする?

「僕は建築家になりたいんです。」「いや、私は建築家にはなりたくない。」など、住宅の意匠系設計事務所の設計士が目指す先には、

  • 建築家になりたいのか?
  • 住宅デザイナーになりたいのか?

に分かれてきます。あなたはどちらになりたいでしょうか?

建築家になりたいのか?デザイナーになりたいのか?その時工務店はどうする?
目次

建築家と住宅デザイナーの違い

この2つ、似ているようでいて違います。この違いはまさに、クリエイターとデザイナーの違いと同じです。その違いを説明されているブログがありましたので引用させていただきました。

デザインの対象はいつも社会なわけです。

ということは、
デザインをする事は社会を理解していないと出来ません。社会を知らないと、どこかに「違和感」が生じてしまいます。どんなに綺麗なデザインでも、表現出来ていなければデザインとは呼べないじゃないですか。それはある程度クライアントの仕事、と切り捨ててしまえば終わりなんですが、それって良いデザイナーなんでしょうか?

よくデザイナーとかって「医者」と例えられる事が多いですが、クライアントが相談しにくる時、悩みは本当ざっくりしてるはずです。どんな事を表現したいか、どういう方法で表現する事が効果的か、わからない人は、わかる人に相談する。だからこそ商売になるんじゃないですかね。

社会を知らない事はデザイナーにとって致命的かもしれないがクリエイターにとっては好都合なことも。

デザインの対象は社会であり、医者の例にもあるように、デザイナーの役割は、クライアントの悩みや問題を解決することが商売へとつながってくるのです。さらには、クリエイターについても述べられています。

クリエイターって、社会に対してインパクトを与える必要があると思います。
今までに無い凄いモノを作りたい。そんな純粋な動機がパワーだと思うんです。

社会を知っていれば、当然、誰も思いつかない事が考えられるかもしれません。いわゆる市場調査ですね。
ただ、反面、変なバイアスがかかる事があります。
他社ではこのようなサービスがある、だから少し違う事を狙わないといけない。
そんな事ばかりにとらわれてしまうと、非常に狭い部分で考えてしまう事になるかもしれません。
「世の中に無い新しいモノ」
これって、よく言うケミストリーみたいなモノが大きいと思うんです。

社会を知らない事はデザイナーにとって致命的かもしれないがクリエイターにとっては好都合なことも。

つまりは、今までにないものを作るクリエイター(建築家)にとって、社会とのつながりは時に邪魔になってしまうとのこと。確かに、突発的なアイデアを出す建築家の方には、社会性が乏しいといいますか、結構な確率で人に嫌なヤツだと思われがちな方が多いですね(笑)

デザイナーは、市場が何を求めているかを考え、建築家は自分が何を作りたいかを考える。

上記のことから結論付けるなら、

  • 住宅デザイナー = 市場が何を求めているかを考え、進めていく。
  • 建築家 = 自分が何を作りたいかを考え、進めていく。

ということになります。

建築家を否定しているわけではありませんが、どちらが世の中に求められる人材なのかを考えたら、私自身は、設計というスキルを用いて、クライアントの問題を解決するデザイナーが増えてほしいと願っています。

その時工務店はどうする?

前述では、建築家と住宅デザイナーの違いについて考えてみました。では、その違いが工務店経営にどのように影響するのか考えてみましょう。

まず、建築家と住宅デザイナーの違いを簡単におさらいします。建築家は自分が何を作りたいかを考え、進めていきます。一方、住宅デザイナーは市場が何を求めているかを考え、それに応じて進めていきます。

では、工務店経営者として、どちらのスキルが必要なのでしょうか?

私の考えは、両方が必要だということです。なぜなら、工務店経営者は、クライアントのニーズを理解し、それに応じた住宅を提供するデザイナーの役割を果たす一方で、自分自身のビジョンを持ち、それを形にする建築家の役割も果たす必要があるからです。

しかし、これらの役割はバランスが重要です。市場のニーズだけに迎合してしまうと、自分たちのスタイルやビジョンが失われてしまいます。逆に、自分たちのビジョンだけを追求してしまうと、市場のニーズから乖離してしまい、結果的にはビジネスとして成り立たなくなる可能性があります。

工務店経営者としては、どのようにバランスを取るべきなのでしょうか?

まず、市場のニーズを理解するためには、常に市場調査を行い、クライアントの声を聞くことが重要です。それにより、市場が何を求めているのか、どのような住宅が求められているのかを把握することができます。

次に、自分たちのビジョンを形にするためには、自分たちが何を大切にしているのか、どのような住宅を提供したいのかを明確にすることが重要です。それにより、自分たちのスタイルやビジョンを守りつつ、市場のニーズに応えることができます。

結論として、工務店経営者は、市場のニーズを理解し、それに応じた住宅を提供するデザイナーの役割と、自分自身のビジョンを持ち、それを形にする建築家の役割をバランス良く果たすことが求められます。

これからも、市場のニーズと自分たちのビジョンをバランス良く組み合わせ、クライアントに満足いただける住宅を提供していきましょう。

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