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工務店はひとつのことに固定されないライフスタイルを提案した方が良い理由
「住むならどこがいい?」と聞かれたら、なんと答えますか?
その答えの一つに、「田舎がいい。でも働くなら都会がいい。」があります。トカイナカ(都会+田舎)生活、ですね。これを、実践されている方は、まだまだ少ないですが、少しづつ増えている気もします。
昔、お付き合いのあった施主さんにも、実践されている方がいますし、トカイナカに加えて、海外もある方もいます。「都会+田舎+海外」・・・なんとも贅沢ですね。
ひとつのことに固定されないライフスタイルは、都会や田舎という、場所に限らず、家の中にも現れてきている気がします。
家の中にもある「ひとつのことに固定されないライフスタイル」
例えば、「家の中にいても外を感じたい」とか、「都会であっても自然を感じて暮らしたい」とか。
CASA BRUTUS(カーサブルータス)No.186の特集、”自然と暮らす”も、「田舎でも都会でも自然を感じるライフスタイル」というキャッチコピーですからね。
田舎でも都会でも、自然を感じながら過ごす心地よいライフスタイルを取材しました。海や山の近くに住まいを持つ。ウィークエンドハウスで自然と戯れる。ささやかの菜園で作物を育てて食べる。自然との暮らし方はさまざまですが、どれも個性的なセンスに溢れていました。
Casa BRUTUS No. 186
”自然と暮らす”というテーマは、昔からありましたが、ここ最近は、都会だろうが田舎だろうが場所に関係なく、自然を感じて暮らしたいという方は増えていますよね。暮らしの中に、都会と田舎の両方を取り込む贅沢さですね。
トカイナカ(都会+田舎)生活という、二地域居住
上記の”自然と暮らす”というテーマに関連して、SUUMOジャーナルで特集されている、馬場未織さんのエピソードが参考になります。
通勤電車に揺られ、時間に追われる毎日は、自分を見失いがち。子育て環境としても、都会ではいろんな制約ばかりで、子どもも窮屈そう。たまの休みに、田舎に行って、山や川の自然に触れてみると、忘れていたヒトとしての感覚が呼び覚まされる。暮らしのなかに、都会と田舎と両方を取り込むことができないだろうか。その答えは、都会と田舎の2カ所に家を持つことにあり。二地域居住を実践する馬場未織さんにお話しを聞いた。
週末は田舎暮らし。二地域居住で見つけた暮らし・地域との関わり|SUUMOジャーナル
東京ー千葉という二地域居住をされている馬場さんは、建築ライターであり、「NPO法人 南房総リパブリック」の代表理事を務められているので、やはり住に対する意識は高いですよ。
特集の中で、気になった部分を取り上げてみますね。
自由度が高くなると、夫婦間の価値観の違いが分かりやすくなる
「家族のなかでも、田舎暮らしについて認識やプライオリティが違うものです。私はちょっと畑がやれて、小屋程度の小さな家があればいいやと考えていたんですが、夫は広大な土地が理想で、もっと自然とガッツリと関わりたいと思っていたり。実際に、田舎の不動産を一緒に見ていくなかで、その価値観が違うことが分かりました」
”自然と暮らす”というテーマの中にも、やはりそれぞれの好みや価値観がありますね。制限が少なくなり、自由度が高くなると、価値観のズレってわかりやすくなりますね。
家は資産という親世代の理解を得られない
「田舎の不動産とはいえ、小さくない金額がかかるので、双方の両親を含めて親族の心配も大きかった。『後で売るにも売れない不動産を買ってどうするんだ?』という訳です」。少し上の世代では、こうした田舎暮らしの価値観自体が分からない・共感できないということも実際にはあるようだ。
カタチに残らないものを、価値と捉えられない方たちには、理解は難しいでしょうね。特に、物が不足していた時代の方たちならなおさらです。
でも今のモノ余りな世代だと、”体験”に価値をおいている方が増えてきている気がします。
何を”贅沢”と考えるかで、可能性は大きく異なる
「当然、二地域居住は、もう一つの住宅、往復の交通費や光熱費など追加の費用がかかります。これについては、私たち家族の『贅沢』だと考えています。東京に暮らす普通の家族は、たまにリゾートに旅行に行ったり、いい服を買ったり、子どもを合宿や塾に通わせたりします。私たち家族にとっては、その代わりがこの房総の家なのです」という割り切りがある。
田舎での住宅費用や光熱費などは、過ごしやすい場所であれば、少額に抑えやすそうですが、交通費は毎度のことなので、ルートによって大きく異なりますよね。なので、二地域を結ぶ交通ルートが整っている(安価)ことが、キーポイントになりそうです。
また、馬場さんのように、何を”贅沢”とおくかが、長く続けられる秘訣なのかもしれません。安易な憧れだったら、1日体験などの宿泊程度で十分な気がします。
暮らしの中に、都会(洗練さ)と田舎(自然さ)の両方を取り込むことって、すごい贅沢な気がしますね。”暮らしの中に都会と田舎の両方を取り込める贅沢さ”は、これからの家づくりのヒントになりそうです。
都会と田舎の魅力を併せ持つライフスタイル:暮らしの中の贅沢な組み合わせ
- 多様なアクセス性
都会の利便性と田舎の静けさを併せ持つことで、仕事や趣味、レジャーなど、さまざまな活動に柔軟に対応できる。 - 自然との接触
田舎の環境は、四季の移り変わりや自然の中での活動を日常的に楽しむことができる。これは、心身のリフレッシュや健康維持にも寄与します。 - 文化・エンターテインメント
都会には、劇場、美術館、レストランなど、多様な文化やエンターテインメントが集まっています。これらの施設を利用することで、豊かな文化的体験が得られます。 - コミュニティの多様性
都会と田舎、それぞれには異なるコミュニティが存在します。都会の国際性と田舎の地域性を併せ持つことで、多様な人々との交流が楽しめます。 - スペースとプライバシー
田舎の広々としたスペースは、ガーデニングやDIYなどの趣味を楽しむことができる。また、都会の喧騒から離れた場所でのプライバシーを保つことができます。
このように、「暮らしの中に都会と田舎の両方を取り込む」というライフスタイルは、物理的な利便性だけでなく、心の豊かさや生活の質を向上させる多くの要素を持っています。これは、現代の人々が求める理想的な暮らしの形と言えるでしょう。
工務店はひとつのことに固定されないライフスタイルを提案した方が良い理由
近年、消費者の価値観やライフスタイルの変化に伴い、住宅市場も大きな変動を迎えています。この変動の中で、工務店が一つのスタイルや価値観に固定されることは、ビジネスの持続性や成長性を損なうリスクが高まります。以下、その理由としての問題点、原因、そして必要性を詳しく解説します。
市場の多様性と工務店の取り組みのギャップ
現代の消費者は、多様な価値観やライフスタイルを持っています。一方で、多くの工務店は伝統的な家づくりのスタイルや価値観に固定されていることが多いです。このギャップが、消費者とのコミュニケーションの障壁となり、新しい顧客の獲得や既存顧客の満足度を低下させるリスクがあります。さらに、このギャップは、工務店が提供するサービスや商品の魅力を低下させ、市場での競争力を失う可能性が高まります。
変化への対応の遅れ
工務店が一つのスタイルや価値観に固定される原因として、変化への対応の遅れが挙げられます。特に、新しいライフスタイルや価値観のトレンドをキャッチアップするための情報収集や研究が不足している場合、市場のニーズとの乖離が生じやすくなります。また、伝統や過去の成功体験に固執することで、新しい市場の動向や消費者のニーズを見逃してしまうリスクも増加します。
多様なライフスタイルへの対応
工務店が今後の市場での競争力を維持・向上させるためには、多様なライフスタイルや価値観に対応した家づくりの提案が不可欠です。具体的には、エコハウスや都会の中心でも緑を取り入れた家づくりなど、新しいライフスタイルを実現する提案を行うことが求められます。さらに、顧客のライフスタイルや価値観を深く理解し、それに合わせたカスタマイズやアフターサービスの提供も重要となります。
時代の変化とともに進化することの重要性
時代の変化とともに進化することは、ビジネスの持続性や成長性を確保するための基本的な要素です。特に、住宅市場のように消費者の価値観やライフスタイルが大きく変動する分野では、変化に柔軟に対応することが経営のキーとなります。工務店として、時代の変化を先取りし、新しい価値を提供することで、多くの顧客から選ばれる存在となることが期待されます。これにより、持続的な成長と安定した経営基盤の構築が可能となります。
このように、工務店が一つのことに固定されないライフスタイルを提案することは、現代の市場環境下での競争力を維持・向上させるための重要な要素となっています。時代の変化に適応し、顧客のニーズに応えることで、工務店としての価値と魅力を高めることができるでしょう。