工務店は35坪の広さが必要だと思い込んでいる人に30坪でも暮らせる提案をできた方が良い理由

時代は「小さく暮らす」方向へ向かっていますね。以前もアメリカでの小さく暮らす話を取り上げましたが、

アメリカでは住宅不足からマイクロユニット住宅の動きが生まれているようです。

目次

このマイクロユニット住宅でニューヨークの住宅難は解決するかも…?

時代はミニマムな暮らしへ。

住宅不足を解消すべく、全米各地で400平方フィート(37.2平米)以下のアパート、いわゆるマイクロユニット住宅が開発されつつあります。昨年末には、ニューヨークに初のマイクロユニット住宅がオープンしました。

このマイクロユニット住宅でニューヨークの住宅難は解決するかも…?
Can These Micro-Units Fix New York City’s Housing Problems?

日本の場合は、所得の問題とコストの高騰化

日本の場合は所得の問題で、家が欲しくても、そこまでお金を掛けられない方が多くなってきています。その選択肢として、小さな家はあると思うんですよね。

また、性能の向上による高コスト化、建築資材価格や建設業界の人手不足による人件費の上昇、国際情勢の影響などの理由で住宅価格は高騰しているので、小さくせざるをえなかったりもします。

最近は、デザインのレベルが上がってきているので、小さな家に少しづつ魅力を感じ始めている方も増えていると思いますが、まだまだ足りないのが、

  • 機能性
  • 大きい小さいの感覚
  • 住まい手の住むチカラ

というところかなと感じています。

日本の注文住宅の場合、小さな家で暮らすための、機能性を高めるための施策をしないことの方が多いんですよ。機能性の高いインテリアとかあまり目にしないですよね。提案する側にその知識がない&面倒くさいというのも影響しているかもしれません。

また一般的には、大きれば良いという感覚があります。だから、提案する側も、土地に対して、目一杯の大きさを建てる方が圧倒的に多いわけです。楽ですしね。さらには、借入額に対して予算目一杯に建てた方が、利益増えますから(笑)

そして、物が片付けられないことも影響して、大きな収納など、無駄なところに広さを求めるわけです。「物が多い」とか「物が片付けられない」って、損ですよ。住面積同じなのに、収納が大きいため、無駄にコストアップしている家とか、たくさんありますから。

本当に必要な広さなんて、誰もわかっていない。

お金に余裕があれば、どんな広さでも構いませんが、コストダウンの方法としては、個人的には、広さを優先して仕様を落とすコストダウンより、広さを小さくしてコストダウンを好んでいます。

4人家族に必要な広さってどのくらい必要かなんて、その家族のライフスタイルもあるでしょうが、誰も答えなんてわからないわけです。30坪で暮らせるかもしれませんし、27坪でも暮らせるかもしれません。

「35坪の広さが必要だと思い込んでいる人に、30坪でも暮らせる提案をできるかどうか?」

この感覚は十分な差別化になりますよ。

工務店が35坪の広さが必要だと思い込んでいる人に30坪でも暮らせる提案をするためには何が必要か?

広さの誤解と現代の住宅観を知る

工務店経営者はまず、広い家が良い家という一般的な誤解を深く理解する必要があります。この誤解は、長年にわたる社会的・文化的な背景から生まれたものです。しかし、現代社会では、家族構成の多様化、個々人のライフスタイルの変化、環境意識の高まりなどにより、住宅に対するニーズは大きく変化しています。大きな家が必ずしも全ての人にとって最適な選択ではなくなっているのです。

ライフスタイルの変化と環境意識の高まりを知る

次に、工務店経営者は、現代のライフスタイルの変化と環境意識の高まりが、住宅に対するニーズをどのように変えているかを理解する必要があります。現代の家族は、以前に比べて小規模化しており、また、個々人の活動範囲や趣味、仕事のスタイルも多様化しています。これらの変化は、住宅の機能性やサイズに直接影響を及ぼしています。さらに、環境への影響を最小限に抑えるためのエコフレンドリーな住宅選びが重視されるようになっており、これもまた小さな家への関心を高めています。

機能性とデザイン性を意識する

30坪でも快適に暮らせる提案をするためには、機能性とデザインの重視が鍵となります。限られた空間を最大限に活用するための工夫、例えば多機能家具の使用や収納スペースの効率的な配置、開放感を生む間取りの工夫などが必要です。また、デザインにおいても、小さな空間でも豊かさを感じられるような工夫が求められます。これには、色使い、照明、素材選びなど、細部にわたる配慮が不可欠です。工務店経営者は、これらの要素を熟知し、顧客に対して具体的な提案を行うことが重要です。もちろん、一定の性能が担保された上での話です。

顧客のニーズを理解し、認識を変える

工務店経営者は、顧客とのコミュニケーションを重視し、顧客の本当のニーズを理解することが重要です。顧客が本当に必要としているのは広さではなく、機能性や快適性かもしれません。また、小さな家でも豊かに暮らせることを示すことで、顧客の認識を変える教育的な役割も担うことができます。これには、実際の事例の紹介や、小さな家での暮らし方に関するワークショップの開催など、積極的な情報提供が効果的です。

経済的な観点からも、小さな家の提案は有効です。建築コストの削減はもちろん、維持管理のコストも低く抑えることができます。これは、長期的に見て顧客にとっても、工務店にとってもメリットが大きいと言えるでしょう。小さな家は、資源の有効活用という点でも優れており、持続可能な社会への貢献という側面も持っています。

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