工務店は住宅だけでなく、施主の「暮らしの哲学」を理解し、その楽しみ方を提案した方が良い理由

2月に発売された、雑誌「FRaU」3月号の山口智子さんのインタビュー記事が話題になっています。

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山口智子スペシャルインタビュー「大人になってからが人生は楽しい」

工務店は住宅だけでなく、施主の「暮らしの哲学」を理解し、その楽しみ方を提案した方が良い理由

ネット記事は、ダイジェスト版みたいなものなので、全編出ていないのですが、雑誌では、自分自身の人生の大切さをお話しされています。

「私はずっと、『親』というものになりたくないと思って育ちました。私は、『子供のいる人生』とは違う人生を歩みたいなと。だからこそ、血の繋がりはなくとも、伴侶という人生のパートナーを強く求めていました」

「私はずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。今でも、一片の後悔もないです。人それぞれ、いろんな選択があっていいはず。もちろん、子供を持って初めてわかる感動もあると思います。実際に産んでみないとわからないことだと思うけれど。でも私は、自分の選択に微塵の後悔もないです。夫としっかり向き合って、二人の関係を築いていく人生は、本当に幸せです」

「子供を産んで育てる人生を望まない」と明言した山口智子の潔さが素晴らしい
「子を産む責任」という女への圧力。「産まない」選択した山口智子、そして小泉今日子の言葉から考える

「子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました」という意味は、決して「子供を産んで育てる人生」を否定するものではなくて、自分自身の人生について語っているんだと思います。

注文住宅を建てる側からすると、DINKSは家を建てない傾向が強いので、喜ばしいことではないのかもしれませんが・・・

DINKS(ディンクス)とは、共働きで子供を意識的に作らない、持たない夫婦、またその生活観のことを指す

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「自然体に暮らす」とは、暮らしの哲学がなければ実現できない領域

またもうひとかた、魅力的な生き方をしている人がいます。それが、女優・石田ゆり子さん。

先日、ちょっとした時間つぶしに本屋に寄ったところ、女優・石田ゆり子さんのエッセイ「Lily ――日々のカケラ――」の表紙の雰囲気に惹かれ、ふらっと立ち読みしてしまいました。

2018/1/30 石田ゆり子 (著)
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本を手にとって、ふと読みたくなったのは、本の帯に書かれている文中の引用文があって、それを読んだ瞬間、中身が気になったわけです。

楽で美しいものはないのだと思います。
子どもも、若者も、野生動物も、必死に生きているから美しい。
大人だって、美しいと言われるような存在は、ただ安穏と過ごしているわけじゃない。周囲に甘んじない生き方をしているから、美しいのだとわたしは思うのです。

「Lily ――日々のカケラ――」帯文より

女優・石田ゆり子が日々、大切にしているのは、とてもささやかなこと。
心地よい空間に身を置く。からだの声をきく。人と比べない。
変化を恐れず、切り口は新しく。ユーモアを忘れず、いまを楽しむ……。
あたりまえかもしれないけれど、そんなささやかなことの積み重ねが〈いまの石田ゆり子〉を作っています。
10代のころからとことん自分と向き合い、もがいたなかで得た、石田流哲学&美学。それは老若男女問わず、誰にとってもなにかしら支えとなる、心地よく生きる技が潜んでいます。
大好きなものなどについて綴った21編のエッセイ、正直に語ったロングインタビュー。美の秘訣やお気に入りレシピ、硬軟とりまぜた103のQ&Aほか、全編撮り下ろし、書き下ろし。同居人(猫)・ハニオとタビの成長日記のおまけつきの、石田ゆり子のカケラがたっぷり詰まった、やさしくて、とびきり楽しい1冊です。

ささっと読んだ程度ですが、内容はめちゃくちゃ良いです。

石田さんは、ドラマ「逃げ恥」の頃から改めて火がついたような気がしますが、最近では、アラフィフとは思えぬ美しさを保っていることでも話題になっていますよね。

ただ、個人的には、ドラマや映画にたくさん出演しているけど、コレという印象に残っていないんですよ(笑)元々、派手なタイプの女優でもないし演技派という印象もない。若い頃から活躍しているけど、若い頃は妹の石田ひかりさんの方が知名度があったし、そこまで注目されてなかった気もします。

一言で言うと、「美人だけど普通っぽさを感じる。」そんな印象でした。

だけど、この本を読むと、そう感じた理由がよくわかります。家では好きなものに囲まれていたいタイプで、インテリアもファッションも、流行モノを選ぶというより、本当に好きなものを選んでいる感じ。家で過ごす時間を大事にされているのが伝わってきます。

だから、CMで出演されているこの感じとはちょっと違う気がします。

こういうCMは演出が入るから、普通じゃないんですよね。嘘臭く感じてしまうというか(笑)実際、本人の自宅はパナっぽくないですから。

本から伝わってくる様子は、特別変わったことをしているわけでもなく、自然体です。でも、自然体で過ごすということは、ただ安穏と過ごして実現できるものでもなく、自分の中に暮らしの哲学がなければ、実現できない領域だったりします。

石田さんはその哲学があり、だから、「普通を画にできる魅力」を持ってるんだなと感じてしまいました。

「Ku:nel (クウネル) 2018年 3月号」に、石田ゆり子さんの特集が6ページ程度載っています。Kindle Unlimitedの対象になっているので、利用している方は読んでみてください。

いい暮らしを実現できる人は自分の人生を楽しんでいる

大事なのは、自分の人生を「どうしたい」のかですね。

誰かの期待や世間体を背負ったもので流されてしまうと、自分の人生を楽しむことは難しくなっていきますよ。それを、ただの「注文住宅」が解決してくれるのか?というと、やっぱり難しいわけです。ただの器ですから。

いい暮らしを実現できる人って、家族の形態がどんなであろうが、どんな家に住んでいようが、自分の人生を楽しんでいる方が多い気がしています。

家を売るなら、家を通じて、暮らす楽しみ方を提案できるか?気付かせてあげられるか?そんなところにヒントは眠っていますね。

工務店は施主に人生を楽しんでもらうために何をしたらいいのだろうか?

注文住宅はただの「器」ではない

工務店経営者として、多くの場合「良い家を提供する」ことが主な目的とされています。しかし、このアプローチだけでは不十分です。なぜなら、山口智子さんや石田ゆり子さんのように、人生を楽しむための「暮らし」に対する深い洞察がある人々にとって、家はただの「器」ではありません。家は、人生そのものを豊かにする場所、心の拠り所であり、その人自身の哲学や価値観が反映される場所です。このような視点から見れば、家をただの「器」として考えることは、施主の期待や願いを大きく見落とす可能性があります。

「暮らし」に対する深い理解が不足している

多くの工務店が陥る問題は、建築の専門性に偏りすぎて、「暮らし」そのものに対する理解が浅いことです。例えば、特定のライフスタイルに対して、そのニーズを深く理解せずに家を提案すると、施主が真に求めている「暮らし」は実現できません。このような状況は、工務店が施主のライフスタイルや価値観、さらにはその背後にある「暮らしの哲学」まで考慮していないからです。

施主の「暮らしの哲学」を理解し、提案に反映させる

成功するためには、工務店として施主一人ひとりの「暮らしの哲学」や価値観をしっかりと理解することが求められます。それができた上で、その哲学を具現化するような家づくりの提案ができれば、施主はその家で「人生を楽しむ」ことができるでしょう。具体的には、初対面の段階から施主の日常生活や趣味、価値観について深く話を聞く時間を設け、それを設計に反映させるプロセスが必要です。

工務店は暮らしの楽しみ方を提案しよう

家を売る際には、単に「良い家」を提供するだけでなく、その家でどのように暮らし、どのように人生を楽しむかという観点から提案を行うことが重要です。例えば、家の設計段階で、施主が趣味やライフスタイルに合わせた特別なスペースを作る提案をするなど、暮らしの質を高める工夫が求められます。さらには、その家での暮らし方の一例として、インテリアや家具の選び方、家での過ごし方までを総合的に提案することで、施主にとって真に価値のある家づくりを実現できます。

「暮らし」に対する深い理解が、施主に人生を楽しんでもらう鍵

工務店が施主に人生を楽しんでもらうためには、「暮らし」に対する深い理解と、それを具現化する提案力が必要です。これができれば、施主だけでなく、工務店自身もその価値を高め、より多くの人々にとって「人生を楽しむ」ためのパートナーとなることができるでしょう。このようなアプローチを通じて、工務店はただの建築会社から、人々の「暮らし」をデザインする専門家へと進化することが可能です。

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