工務店がWEB制作会社や工務店コンサルタントの提案する集客方法へ手を出して失敗する理由

先日、とある建材会社のプロジェクトの打ち合わせに参加。

工務店向け、販売店向けに対して、「自社の建材を使ったもらうため、どういった戦略がとれるか?」そんなことを目的にどういった仕組みが作れるか?というお話です。

目次

「付き合う理由」を作っていかないといけない

よくあるのは、フランチャイズ方式にするやり方がありますが、建材会社としては、「自社の建材を売ることが目的なので、FCという形にはしたくない」とのこと。

これには自分も賛成で、FCという仕組みを新たにつくろうとすると、そのための受け皿(人や部署など)を新たに設けないといけないため、新たに作業を増やしてしまいます。コストが掛かる分、加盟金という名目も付け足されるわけです。

さらに、下り坂の業界で、戦略を他社に依存するおんぶに抱っこの状況を作れば、依存気質で上手くいってない工務店を集めることになりかねません。低価格な加盟金ならなおさら・・・そうなってくると、とてもじゃないけど、建材店では相手をしきれなくなります。

依存は、「加盟している本部の戦略が悪かった。だから、自社も業績がよくなかった。」と思わせる流れをつくっていまいます。加盟先なんて、「選択肢のひとつ」と思っておいた方がいいですよ。

類似品や同等品がたくさんある建材の世界で、建材店としての差別化を現実的に考えると、

  1. オリジナルの商材開発
  2. 建材以外でのサポート
  3. (値下げ)

しかないように思えます。開発部隊を持たない場合は、当然2の施策しかありません。

卸先の販売店にしても、取引先はその建材会社以外にもあるわけです。だからこそ、「付き合う理由」を作っていかないといけないわけです。間違っても、価格での差別化はやらないほうがいいでしょうね。

この「付き合う理由」を、どう作り込んでいくかが鍵になるわけです。

コンセプトとコンテンツを磨く

上記の話は、建材店の話ですが、視点を工務店に変えても同じことが言えます。

その「付き合う理由」をつくる上で土台になるのが、「コンセプトとコンテンツ」です。簡単に言うと、軸になる方向性とその中身ってことです。

下記は、先日、とある工務店の個別相談にお伺いしたところのホワイトボードです。コンセプトとコンテンツ、そして何から始めるべきかの施策について、あれこれ書きまとめられたものです。(要所要所、ボカシを入れています。)

工務店がWEB制作会社や工務店コンサルタントの提案する集客方法へ手を出して失敗する理由
要所要所、ボカシを入れています。

過去の事例や社内の雰囲気などから、「これだっ!」というコンセプトがすぐ見つかるケースもあれば、なかなか見つかりにくい場合もあります。見つかりにくい時は、セルフイメージから組み立て、中身となるコンテンツに紐付けていきます。セルフイメージから組み立てていくと、一見、弱みだと思っていた部分が、強みとして生まれ変わることもありますからね。

コンセプトとコンテンツを軸に考えていくと、ネックになっている部分に対して、「どうやったら可能になるか?」という視点で見ることができるため、施策が見つけやすいのです。

集客方法ばかりに目が行きがちですが、最初に集客方法に目を向けている時点で、失敗の一歩な気がしてなりません・・・成功への近道は、「成果が出る」ことを見つけ、そこから取り組むことですよ。

「成果が出る」ことを見つけ、そこから取り組む

個別相談では、訪問して、集客から収益に関わることまで、お困りごとの解決のサポートをしていくというもの。一言で言うと、「経営計画」ですね。

もちろん、経営計画の方法論なんて、本でもたくさんあるわけですから、やったことあるという方もいらっしゃるでしょう。でも、計画を立てても何も変わらない、立てたとしても計画通りにいかないという方もいると思います。

個別相談の中でも、計画をしていただくのですが、その中でいろいろと課題が浮き出てきます。それぞれの会社ごとに課題(集客、商品、人材など)は異なりますが、その解決策をお金のところを紐付けて導き出していくと、最も優先したい「成果のでること」に繋がりやすいのです。

早く成功する人は、多かれ少なかれ、「成果が出る」ことから取り組んでいます。

逆に、成果の出ない人は、

  • 簡単なこと
  • やりやすいこと
  • 楽しいこと
  • お金がかからないこと

そこからまず手をつけます。無料ツールなんかがまさにそれです。個人で好きな仕事をしたいならそれでもいいですが、従業員を抱えてとなると、避けたいところです。

もちろん、「最初からお金は掛けたくないので、まずは出来ることからやる!」というのは凄く大切なことです。行動することが大切なので、何もしないよりはマシですから。

ただ、それらは「成果が出づらいこと」になりやすいので、当然、なかなか成果が出てきません。そして、成果が出ないから、楽しくない。成果が出ないから、辛い。そして、続かなくなり結局はやめていきます・・・

だから、「成果が出る」ことを見つけ、そこから取り組むのは非常に重要です。

レベルの低いWEB制作会社や工務店コンサルタントは、すぐに「この集客方法がいい」「これは他社で成功した」という短期的な解決策を提案しますからね。

最初の一歩は「現状を認識する」こと。

経営計画において、まずやることは、「現状を認識する」こと。つまり、今、どんな状態なのか?を知ることです。

例えば、お金の使い方ひとつみても、

  • 未来のために使っているお金
  • 現在のために使っているお金

という見方があります。

上手くいかないケースの大半は、「現在のため」にしか使っていないことが多く、「未来のため」に使っていません。「現在のため」にしかお金を使っていないのであれば、「未来のため」にお金を使おう、と意識することも必要なのです。意外とどちらにも当てはまらないものは無駄遣いもあったりますけどね(笑)

「未来のため」とは、

  • 新規の見込み顧客を集めるための広告
  • 顧客との関係維持や信頼関係を築くのための施策
  • 明確な目的を持った勉強

などが挙げられます。

もちろん、お金だけでなく、時間を使うことも含まれています。これらが、どれくらいできているかを認識することも必要なのです。

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