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エクステリアは「家の化粧」。外構を充実させると注文住宅が売れやすくなる理由
数年前からエクステリアの重要性をすごく感じています。
ただ、注文住宅において、エクステリアって、結構おろそかにされがちなんですよね。まず、そもそもの言葉の意味からいって、「エクステリアと外構は違いは?」なんて話もあります。
エクステリアと外構の違いは?
エクステリアと外構の違いを調べても、意味はほぼ同じだとか、エクステリアは和製英語だとか書かれています。中には、「素敵でカッコ良いイメージの外構工事をエクステリアと呼ぶ」なんて、適当な解釈もあります(笑)
そういった言葉の定義から見ても、住み手からも作り手からも、いかにエクステリアがおろそかにされがちなのかが感じ取れます。
エクステリアと外構の個人的な解釈
個人的には、「エクステリアと外構」は、「インテリアと家具」みたいな関係性だと思っています。
空間(構成)で考えるか、物質(単体)で考えるか、ということです。
家の中で考えても、家具単体で成り立つわけではなく、空間の構成を考え、どんなデザインにし、どう配置するかによっても、内容は異なってきます。
「エクステリアと外構」も同じように、門扉やカーポートなど商品が単体であればいいってものではありません。空間の構成を考え、どんなデザインにし、どう配置するかによっても、内容は異なってきます。
エクステリアは家の化粧
3年位前から、「エクステリアは家の化粧だ!」と言っています。
「エクステリアは家の化粧だ!」という話をエクステリア関係者にしたら、大受けしたようで、「その表現、どんどん使ってください。」とのこと。
簡単に言うと、
- 素顔(すっぴん)=住宅
- 化粧品=外構(商品単体)
- 化粧方法(メイク)=エクステリア(空間構成)
という風に喩えています。
素顔(すっぴん)が良くても、化粧が下手で素顔を生かせてないケースもあれば、素顔(すっぴん)が素敵でなかったとしても、化粧の仕方で素敵に見えるケースもありますよね。家だって同じことが言えます。
完成見学会などでも、住宅の周りが何も施されていない雑多な感じを見てしまうと、家そのものが貧素に見えてしまいますよね。
同じ3000万円の予算でも、建物ばかりにお金を掛けて、エクステリアに全くお金を掛けていない家と、その逆で、建物に掛ける予算を少し削って、バランス良くエクステリアにもお金を掛けた家とでは、実際の出来上がりの見栄えは全然異なります。
その化粧の度合は様々なので、「すっぴんが好きだ」という人もいれば、「◯◯風な感じが好き」など、何を使い、どのように仕上げるかは、価値観や好みによってきます。
あと、、、喩えにくいですが、「素顔(すっぴん)=住宅」が悪い場合は、「整形=建て替え、リフォーム」もあるってことです(笑)
化粧は自分らしさを表現するために必要不可欠?
「化粧は何のためにするの?」と問われても、「◯◯に見られたい」「素顔は恥ずかしい」など、その答えは様々でしょう。でもその姿には、できるできないは別にして、自分が自分としてあるための理想像があるはずです。化粧は、オシャレというよりも、理想や自分らしさを表現するために必要不可欠なものかもしれません。
ただ、化粧品って、興味ない人にはどれも同じに見えてしまうんですよね。化粧をしない男からすると、化粧品のCMを観ても、
- 出演している女性が「キレイ」「カワイイ」
- ぱっと見の雰囲気の違い
ぐらいしか印象に残りません。
下記のCMを見てみると、そのことがよくわかります。
- SOFINA 石原さとみ
- 雪肌精 新垣結衣
- コフレドール 長澤まさみ
- KATE 黒木メイサ
- マキアージュ 長谷川潤
CMを観て、ブランドの細かい違いは正直よくわかりません(笑)ただ、パッと見ての特徴(世界観)はなんとなく伝わります。潤った感じとか、ナチュラル感とか、セレブっぽい感じとか、クールビューティっぽさとか、知的な感じとか・・・
ちなみに、昔から、容姿端麗を売りにしている女優ほど、化粧品のCMに出たがるそうです。容姿端麗な人が集まる芸能界の中で「美人(女優)」と認められるには、「化粧品CMに出演する」ということだからなんだそうです。
細かい話を抜きにして、化粧が、理想や自分らしさを表現するために必要不可欠なものとして捉えた場合、
- 理想や自分らしさとは何なのか?
- それを実現するために何を使えばいいのか?
- それを実現するためにどう使えばいいのか?
ということでしょう。
そして、上記のCMを例に挙げるなら、
- ナチュラルでいたい、派手でいたい、クールでいたい、知的でいたい・・・など、自分がどう在りたいのかを見つけ、
- それに対して、SOFINAが合うのか、雪肌精が合うのか、コフレドールが合うのか、KATEが合うのか、マキアージュが合うのか・・・を探し、
- そして、それをどんな風にメイクすれば、理想に近づけるのか・・・
なんだと思います。
もちろん、男ウケなどを狙って「人からどう見えるか?」など、あえて見栄えを意識するケースもあると思います。この場合は、「理想像」はあっても、「らしさ」に欠けるケースが多いですね。
昔、普段あまり化粧をしない女性が、ある日、バッチリと化粧をしていたことがありました。どうやらその日は合コンがある模様・・・ただ、普段から化粧をしていないためか、ファンデーションの色が地肌より白すぎて、顔が白くなりすぎてて違和感満載だったことがあります。「理想」と「らしさ」が大きくズレると魅力は半減するようです(笑)
話が化粧話に飛んでいますが、、、
化粧が、自分の「理想」や「らしさ」を表現するために必要不可欠なものであるならば、家の化粧と定義づけるエクステリアの充実は、欠かせないんだなと感じています。
規格化しにくいエクステリア
エクステリアが大事だと思っていても、苦手とする工務店はめちゃくちゃ多いです。工務店の場合、外部の業者に任せる傾向が多いようです。自社で行わない理由として「どう提案していいかわからない」「面倒くさい」「エクステリアで家が売れると思っていない」とか、色々理由はあると思います。
たしかに、エクステリアは、予算は優先されて割り当てられてるわけではないし、家の大きさや配置によっても変わってくるし、住宅単体のように規格化が難しいですからね。間取りのように、プラン集から安易にパクる芸当はできません(笑)
規格化が難しい点は、化粧品と同じですよ。同じ化粧品を使っても、皆それぞれ顔が違うし、肌質も違うわけですから、メイク方法を統一できないんですよね。同じ化粧品でも、その方法は様々。実際、多様化した方法に比例して、美容系メイク動画のYoutuberはたくさん生まれています。
だから、チャンスなのです。規格化しにくいってことは、オリジナル性を出しやすいですからね。ちなみに、建築家の中には自分なりのパターンを持っている方もいます。また、家を売るのが上手い建築家は、アプローチから見た最も見栄えの良い外観のパースを描くのが得意だったりします。
そういえば去年、IKEAがマンションのベランダ/バルコニーに向けて、「1畳あれば、バルコニーは楽しめる。」というコンセプトの元、キャンペーンを行っていました。(現在は終了しています。)
規格化するには、広さの制限がある方がやりやすいですからね。こういう感覚で、エクステリアもパターン化できると幅が広がりますよね。
エクステリア市場自体、住宅着工戸数の減少とともに縮小してるが・・・
エクステリア市場自体、住宅着工戸数の減少とともに縮小してきてますし、ホームセンターやネット通販などの新たな路線も出てきたりして、厳しいことは否めません。
とはいえ、ホームセンターやネット通販は低価格路線ですから、
- 住宅とエクステリアの予算バランス
- 施主のエクステリアに対する認知や理解
などを乗り越え、価値あるエクステリア提案に繋げていけば、敵視することないでしょう。エクステリアに対する扱いが、今までがノータッチなら、住宅単体で悩むよりずっと楽に乗り越えられると思います。
ビジネス的な話で言えば、今後「外構を充実させると、家が売れる」傾向になると思っていますよ。
外構を充実させると注文住宅が売れやすくなる理由
多くの工務店がエクステリアの重要性を見過ごしているのは、その価値に対する理解が不足しているからでしょう。エクステリアの提案や施工に関する知識不足、予算配分の問題、あるいはその手間が原因となっていると思われます。ます。しかし、適切な知識と技術をもってエクステリアに取り組めば、注文住宅の魅力を最大限に引き出し、差別化を図ることができ、競争優位になります。
第一印象が良くなる
エクステリア、つまり家の外観は、住宅の「顔」となる部分です。人が初めて住宅を見たとき、エクステリアが与える印象は非常に重要です。美しく、よく手入れされた外構は、見学者や潜在的な購入者に良い第一印象を与え、家全体の価値を高めます。反対に、手入れが行き届かない、単調な外構は、家自体の魅力を損ない、購入者の関心を減少させる可能性があります。
個性と価値感を際立たせられる
注文住宅の最大の魅力の一つは、そのオーダーメイドの個性です。エクステリアに工夫を凝らすことで、その住宅が持つ独自性や所有者の価値観を際立たせることができます。たとえば、独特のデザインや特別な素材を使用することで、同じ予算の中でも他の住宅とは一線を画す、魅力的な家を創造することができます。
豊かなライフスタイルの実現が可能
外構の充実は、見た目の美しさだけではなく、実用性にも大きく貢献します。例えば、庭のレイアウト、カーポートの配置、門扉の選定などは、住む人の日常生活や利便性に大きな影響を及ぼします。実用的で使い勝手の良い外構は、住宅の機能的価値を高め、長期にわたって快適な生活をサポートします。
長期的な価値が向上する
エクステリアは、住宅の寿命と直結する要素でもあります。耐久性に優れた素材選びや、維持管理が容易なデザインなど、長期的な視点で考えた外構は、住宅の持続可能性を向上させ、将来の再販価値にもプラスの影響を与えます。この点は、短期的な利益を超え、企業の長期的なブランド価値の構築にも貢献します。
以上の点から、エクステリアの充実は、注文住宅の販売を促進する重要な要素であると言えます。色々と書いてますが、写真取ったときの映えが全然違いますからね。工務店としては、注文住宅に加え、見合う外構やエクステリアに注目し、施主への総合的な価値提案に積極的に取り組むことが求められます。