「かもめ食堂」という映画をご存知でしょうか?2006年、都心部のみで単館ロードショーされ、ロングラン上映となった映画でもあります。


『かもめ食堂』はヘルシンキで、小さな食堂をひらく女性のおはなしで、小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさんが、かもし出す独特の雰囲気が人気の映画です。
実はこの映画、雰囲気もステキですが、道具や食器のクオリティが高いことに気付きます。
料理がしたくなる!珈琲をいれたくなる!
そんな気にさせてくれる映画です。未だに根強いファンがおり、「かもめ食堂」のような雰囲気の暮らしを求めている方もいらっしゃいます。
「かもめ食堂」から学ぶ工務店マーケティング
実はこの映画、店舗経営の話ということもあり、「売れる仕組み=マーケティング」が学べるのです。
この映画の中で、ある3つの行動をとったことで、お客様が増え、かもめ食堂の転機となった出来事があります。
1.顧客が求めているもの見つめなおす。
小林聡美演じる主人公サチエは、最初、和食の「おにぎり」をメインで提供していました。理由は、自らの思い入れが強いからです。しかし、それでは売れず、顧客視点で「顧客が求めているものは何か?」と見つめなおし、フィンランド人が好きなのは、「シナモンロール」ということを受け止めます。
自分が提供する家やサービスが良いと思っていても、顧客の需要がなければ売れるはずがないんですね。自分が売りたいという家やサービスに、こだわりを持つことも、もちろん大事ですが、最も重要なのは、「お客様は何を求めているのか?」といった視点で見つめ直してみることが大切ということです。
例えば、工務店であれば、自社が提供する住宅のデザインや機能性にこだわることはもちろん大切です。しかし、それだけではなく、顧客が何を求めているのかを理解することが重要です。顧客が求めているのは、エコフレンドリーな住宅かもしれませんし、高齢者向けのバリアフリー設計かもしれません。また、地域の気候や生活スタイルに合わせた住宅かもしれません。顧客のニーズを理解し、それに応える住宅を提供することが求められます。
2.変化への柔軟性
例え、顧客が求めているものに気付けても、もし主人公のサチエが、頑固な職人さん気質だとしたら・・・きっと、食堂屋さんで洋菓子のシナモンロールを提供することは嫌がるでしょう。また、今までの方法と違うため、新しい方法を受け入れたくないでしょう。ですが、主人公のサチエは、自分の中にある「おにぎり」へのこだわりをひとまず置き、求められている「シナモンロール」を提供していきます。
この柔軟性はすごく大事ですね。顧客に合わせて変化を柔軟に受け入れることというのは、ビジネスをする上では大切なことなのです。
例えば、工務店であれば、新しい建築技術や素材、デザインのトレンドに対応する柔軟性が求められます。例えば、エネルギー効率の高い住宅やスマートホーム技術が求められている場合、これらの新しい技術を学び、取り入れることが重要です。また、顧客のライフスタイルや価値観が変わるにつれて、そのニーズに合わせた住宅を提供する柔軟性も必要です。
3.伝わらないものは、売れない。
「おにぎり」という日本人なら誰しもイメージできる食べ物ですが、当然そのままでは、フィンランド人にはその良さは伝わりません。もたいまさこさんがおにぎりを食べるシーンがあるのですが、そばにいたフィンランド人皆が、珍しそうに凝視してきます。つまり、「おにぎり」に対する情報不足なんですよね。たとえ物が良くても、伝わらないものは売れません。
どんな家、どんなサービス、どんなメリットを提供しているのか?それらが伝わっているのか?を見直し、そして、1回だけでなく複数回、1つの切り口でなく複数の切り口から伝えていくべきですね。
例えば、工務店であれば、自社が提供する住宅の特徴やメリットを顧客に伝えることが重要です。自社の住宅がエネルギー効率が高い、あるいは地震に強いといった特徴がある場合、それをどのように伝えるかが重要です。また、その住宅を選ぶことで得られるメリット(例えば、電気代の節約、安心感など)を具体的に伝えることも大切です。これらの情報を顧客に伝え、理解してもらうことで、自社の住宅が選ばれる可能性が高まります。
追伸:本物の「かもめ食堂」が実在する!?
北欧・フィンランドの首都ヘルシンキに、本物の「かもめ食堂」が実在するみたいです!

フィンランドに行く機会があったら、ぜひ寄ってみたいですね!