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「いいね」が集客や売上に繋がらないことを証明した世界最古の建設会社「金剛組」
以前、株式会社金剛組という、578年創業の世界最古の建設会社について、取り上げたことがあります。
金剛組とは?
金剛組は、聖徳太子が大阪四天王寺を建立するため、百済から招かれた宮大工の3人の内の一人、金剛重光が、578年、飛鳥時代に創業し、以来、1400年以上に渡り、日本の寺社仏閣建築の設計・施工、城郭や文化財建造物の復元や修理等を主に手がけるなど、建築に精通している方であれば、ほとんどの方が知っている会社だと思います。
そんな世界最古とされる「宮大工の会社」に経営危機が訪れたのが2005年。カネ儲けとは縁遠い職人気質の職人集団で、予てよりソロバン勘定が苦手だったところに、バブル期にマンションなどの一般建築に手を広げたことが致命傷となり負債が増大。また、神社仏閣にもコンクリート建築が増加したことにより、大手ゼネコンとの価格競争に巻き込まれた結果、売上の減少や資金繰りの悪化により、経営危機に見舞われ、ついには、自己破産申請をせざる得ない状況に陥ってしまっているのです。
そこへ、「金剛組を潰しては、大阪の恥や」と、大阪の中堅ゼネコン・高松建設が再建に乗り出し、経営陣が高松建設から送り込まれ、髙松建設の子会社として、新生金剛組がスタートします。2006年には、その新・金剛組へ営業権を譲渡すると共に従業員の大半を移籍し、旧・金剛組は不動産部門のみを残して、株式会社ケージー建設に商号を変更。
1400年を超える金剛家による経営体制が事実上幕を閉じています。(ケージー建設は、自己破産申請し、翌年法人格抹消。6月23日付で解散。)
金剛組を例に、「こだわりすぎて、ビジネスとのバランスを考えてないと、いくら良いものつくっていても、会社としては倒産するよ」ということを書いた記事が、ヤフー知恵袋や5ch(2ch)にも引用されていたりして、未だにアクセスがそこそこあります(笑)
「いいね」は売上に繋がらないことを証明した
宮大工の技術は、素晴らしいですし、継承していけばいいと思います。
宮大工の技術力を目にすれば、皆「いいね」と言います。上記の動画のコメントを見ても、好評なコメントばかりです。
でも、企業としては倒産したのです。高松組という大手の受け皿がなければ、現代では成り立ってなかったわけです。
実際、こういう好評なコメントしてる人たちが、金剛組や宮大工に仕事を頼むのかといえば、頼むことはないでしょう。今回の動画に限らず、昔から宮大工の技術には「いいね」と好評な声が多かったのです。なんならSNSが普及する前から「いいね」は多かったでしょう。ですが、そんな声は声だけで留まり、実際にはお金に結びついてないわけですからね。
工務店のSNSの「いいね」も同じ
FacebookやTwitterで、毎日記事を投稿して、「いいね!」や「シェア」を集めたり、友達やフォロワーの数を増やして、興味もない人の投稿に「いいね!」を押したりしてるのに、集客できない・売上につながらない。
そんな会社は非常に多いです。金剛組や宮大工への「いいね」とSNSの「いいね」は似てますよ。実際にはお金に結びついてないわけですからね。ただし、だからといって、商品やサービスのクオリティが悪くていいという話ではないですよ。
では、なぜ「いいね」が集客や売上に繋がらないのでしょうか?
「いいね」は表面的な評価
SNSの「いいね」は、ユーザーがその投稿に対して一時的な共感や好意を示すためのものです。しかし、それが実際の購買行動に繋がるかは別の問題です。実際には、「いいね」を押すことと、お金を払って商品やサービスを購入することは、異なる行動です。多くの場合、「いいね」は一瞬の感情の表現であり、それが長期的な顧客関係や売上に繋がるとは限りません。
ターゲット層の不一致
SNSのフォロワーが必ずしも自社のターゲット層であるとは限りません。たとえば、工務店のSNSに「いいね」を押す人が、実際に家を建てる予定のある人であるとは限りません。そのため、フォロワーが多くても、それが必ずしも売上に繋がるわけではありません。ターゲット層とフォロワーが一致していなければ、SNSの「いいね」が売上に繋がる可能性は低いです。
SNSの限界
SNSは情報の拡散やブランドの認知度向上には有効ですが、実際の売上向上には限界があります。特に、高額な商品やサービスを提供する工務店の場合、SNSだけで集客や売上を伸ばすのは難しいでしょう。SNSはあくまで一つのツールであり、他のマーケティング手法と組み合わせて効果的に活用することが重要です。
質の問題
「いいね」の数だけでなく、投稿の質も重要です。高品質なコンテンツを提供することで、フォロワーからの信頼を得られます。信頼があれば、それが実際の売上に繋がる可能性が高まります。投稿の質を向上させるためには、ターゲット層のニーズを理解し、それに対応したコンテンツを提供することが重要です。
継続的なコミュニケーションが必要
SNSは一方的な情報発信だけでなく、フォロワーとのコミュニケーションの場でもあります。フォロワーからのコメントや質問に対して、適切に対応することで、信頼関係を築くことができます。継続的なコミュニケーションを通じて、フォロワーとの関係を深化させることが、売上向上に繋がります。
結論として、SNSの「いいね」が集客や売上に繋がらない理由は、上記のような要因があるためです。
ただし、SNSはブランドの認知度向上やコミュニケーションの場として有効ですので、適切な使い方をすることが重要です。ターゲット層のニーズを理解し、高品質なコンテンツを提供することで、SNSを効果的に活用しましょう。