住宅業界の「企画住宅」という切り口がことごとく失敗に終わっています。「効率よく販売したい」という考えとは反対に、思うほど上手くいかなかったり・・・商社、プレカット、CAD、金物、建材、造園、設備・・・など、大きな業者が絡んでいた割には・・・思った成果がなかったり…

こういう良い企画住宅があるんで、売りたいんだけど・・・
たとえ、良い企画だったとしても、こういう流れで売るとなると非常に難しいのです。
コピーライティングやマーケティングのやり方など、宣伝方法によって、ある程度売れるようにはできるんですが、そもそもの商品のコンセプトが大事なのですが、
- ニーズがあるのかどうか、
- その商品が本当に世の中に求められているのか
ということが、まず始めに考えなければなりません。これらはリサーチやモニターを重ねてわかることです。
だから、そういう過程を通り越して、「すごい良い住宅なんで・・・絶対売れるんで・・・どうやったら売れますか?」というのは基本的にはNGなんです。
あなたが本当に良い住宅だと思っていても、それがそのコンセプトとか見せ方で、売れるかどうかはわかりません。厳しい言い方をすると、良い住宅だと思っているのは、あなたの独りよがりである場合もあります。
リサーチをして、テストをして、これは間違いなく売れるとわかってから、商品として作っていく。つまり、リサーチがすごく大事なのです。
自分の商品にほれ込むことはいいことですが、惚れ込みすぎるとよくないですね。
マーケットを客観的に見る目が必要で、一歩置いたところで、自分の商品を考え、そしてその商品をリサーチ、モニターを掛けて市場の声を反映させると、失敗しにくいのです。
いい家が売れるとは限らないが、売れた家はいい商品である
売れたからいい家なのかはさておき、売れたから、いい商品なのです。
「これはいい家だ!」なんて思っていると、売れないことなんてよくあります。視点が、家の方ばかり見過ぎて、思考や発信が、商品に集中し過ぎてしまうんです。
つまり、そこにはお客さんとなる人たちが不在になっているのです。どんなにいい住宅だって、購入するお客さんがそれを認めなければ、価値は生まれないってことです。
だから、最近では、
- モノではなくて、「事」を売ろう。
- ライフではなくて、「ライフスタイル」を売ろう。
- スペックではなくて、「意味」を売ろう。
という切り口が提案されています。
どんなにこだわったデザインでも、それだけでは売れない。どんなに材料にこだわっても、どんなに手間暇かけていても、それだけでは売れない。それはもしかすると、ひとりよがりかもしれません。
もう、スペックだけでは売れないのです。そうではなくて、その住宅を買う意味は何か?その材料を使う意味は何か?ということを考えることです。
スペックにこだわってしまうと、「断熱性が~」とか、「耐震性が~」とか、そういうことばかり発信してしまいます。でも、そんなことに頼っていると、「別にあなたのところじゃなくてもいいから」という話になってしまいます。そうじゃないところでちゃんと価値を伝えていかなきゃいけないですよね。
それは、モノやスペックから発想するのではなく、それを買う意味から発想しなければいけないわけです。
モノ売りではなく、意味や体験を売る。その部分を充実させるためにも、新規事業なら、市場や顧客のリサーチが必要ですし、現在の事業を伸ばすなら、お客様の声が重要になってくるのです。