デザイン住宅から高性能住宅にシフトし始めている注文住宅?

先日、久々に銀座のユニクロに行ってきました。観光客でしょうか。アジアの人、白人系の人など外国の来店客も多かったですね。

ユニクロといえば、以前は、着ている服が「ユニクロ」であることがバレてしまう。という、「ユニバレ」なんて、言葉が流行りました。

これって、大勢の消費者が持っているユニクロを、自分も着ているのが恥ずかしい、という意味合いを含んでいて、「ユニクロ=安いけどダサイ」ってイメージが根にあったんだと思っています。確かに昔はあまりカッコいいイメージはなかったんですよね。

だから、ユニクロも、ある時期から、デザインにチカラを入れたり、有名人を使って、ブランド力を上げたりして、ダサイイメージを払拭していきました。

この辺り、ユニクロのCMを見ているとわかりやすいのですが、最近は、デザインを主にしたオシャレ路線から、デザインや機能性が、ライフスタイル、ワークスタイルにどう効果をもたらすか?という視点で作っているCMが少しづつ増えている気がします。

何故なのか?それは、従来のデザインという考え方だと、頭打ちになってきているからではないでしょうか。

この波紋は、どの業界でも起こってきていることです。住宅業界だって・・・

目次

デザイン住宅が頭打ちになってきている!?

デザイン住宅から高性能住宅にシフトし始めている注文住宅?

ifs未来研究所所長の川島 蓉子さんと、MITメディアラボ副所長・石井裕さんの対談「デザインという古い枠は死んだ!」が非常に興味深い内容だったので、一部、引用させていただいてます。

石井:つまりですね、「デザイン」とはカッコいいとカッコ悪いだとか、そんなモノの外身の話でとどまる概念ではないんです。逆に言えば、古いデザインの枠組みはとっくに死んでいる。だってそうでしょう? まだ十分に流通できる製品をさっさと捨てさせて、次の新製品を買わせるために、「皮だけとっかえて」消費者の欲望に火をつける。かつてのデザインは、そんな側面がありました。

川島:たしかに。「新しいデザイン」だから買う、というのは消費者の心理としてはごく一般的です。

石井:でも、これだけモノが溢れている現代において、画期的な技術革新やサービス革新も盛り込まれていないのに、「デザインだけ新しくした製品」を出して、消費を煽る、という消費サイクルそのものがもはや時代遅れです。

デザインという古い枠は死んだ!

石井:モノが余って消費者が成熟した先進国の間では、「デザインで差異化をして売る」というマーケティングが、そろそろ通用しなくなっています。

「デザインで差異化」はもう通用しない

ズバッとぶった切っていますね。

まさにその通りで、ここ最近、「デザインで差異化をして売る」が、通用しなくなってきています。

住宅もモノをデザインの再定義が必要

住宅業界も、「デザインが大切だ」「デザインが勝負を決める」ということが言われるようになってきましたが、結局のところ、住宅を商品で捉えているため、

  • 「もっと高機能・高性能で」
  • 「もうちょっと安く」
  • 「似た感じの間取りで」

といった「モノのデザインを良くしよう」ってところでとどまっています。これでは、デザイン住宅が頭打ちなってきているのもうなずけます。

石井さんは、対談の中で、

未来に対するビジョンを具現化する力、それが「デザイン」です。

と話しています。

私も以前、ブログに書きましたが、もうデザインはモノの次元ではないですね。

デザイン→高性能にシフトしてきた住宅業界?

近年、建築家の影響もあり、住宅業界においてもデザインの重要性が高まってきました。しかし、デザインだけで差異化を図る時代は終わりつつあります。今、住宅業界では、2020年のコロナ禍前ぐらいから、冒頭のユニクロのように、流行りがデザインから高性能にシフトしてきた感があります。

高性能住宅のニーズ増加

エネルギー効率や耐震性などの機能が重視されるようになってきた背景には、法の整備や、環境への配慮や災害への備えなど、多岐にわたる要素が影響しています。また、高性能が好きな工務店経営者は、論理的な思考が多いので、Youtubeなどでも不安を煽る動画が多発してますから、その流れもあるでしょう。

もちろん住まい手側も、単に見た目の美しさだけでなく、機能性や耐久性、エコフレンドリーなどの高性能な側面を重視していることでしょう。特に、省エネルギーの住宅や、長期間にわたって快適に住める住宅など、高性能な住宅へのニーズが増加しているのは、人々のライフスタイルの変化や、環境への意識の高まりからくるものなのかもしれません。

デザインと高性能の融合

高性能にシフトしているからといって、「意匠性=見た目の良さ」が無視されているわけではありません。デザインと高性能を両立させることが、今後の住宅業界の競争力を高める鍵となるでしょう。また、美しいデザインだけでなく、快適な住環境を提供する技術や素材の選定が重要になってきています。

デザインという言葉には、単に外観の美しさだけではなく、機能性や使い勝手、住み心地なども含まれるべきです。これらの要素を融合させることで、真に価値のある住宅を提供することが可能になります。例えば、エネルギー効率の高い窓や断熱材の選定、自然光を最大限に活用する設計など、デザインと機能性を高める取り組みが進んでいます。

まとめ

  1. 顧客の真のニーズの把握: 顧客が求めるのは、単なるデザインではなく、その背後にあるライフスタイルや価値観に合致した住宅です。深く顧客と対話し、真のニーズを探求しましょう。それによって、顧客に合った最適な住宅を提供することが可能になります。
  2. 技術と素材の選定: 高性能住宅を実現するためには、最新の技術と素材の選定が欠かせません。エネルギー効率や耐久性など、顧客が求める機能を満たすための適切な選択が求められます。最新の技術を取り入れることで、長期間にわたって快適に住める住宅を提供できるようになります。
  3. 価値提案の強化: 住宅の価値はデザインだけではなく、その住宅が提供するライフスタイルや未来のビジョンにも関連します。価値提案の強化により、顧客との強固な関係を築くことができます。例えば、エネルギー効率の高い住宅は、長期的に電気代の節約にもつながります。このような価値を明確に提案することで、顧客との信頼関係を築くことができるでしょう。

デザインから高性能へのシフトは、住宅業界における新たな波です。工務店は、この波に乗り遅れないよう、新しい時代のニーズに応える戦略と実行力が求められます。美しいデザインと高性能を融合させた住宅提供により、顧客満足と事業の成長を実現しましょう。このシフトは、単なるトレンドではなく、持続可能な社会を築くための重要なステップとも言えるでしょう。

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