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工務店はマーケティングを極めれば、住宅が売れるようになるのか?
「どういうチラシをつくったらいい?」「どういうホームページをつくったらいい?」ということで、集客方法などを学んでいれば、「マーケティング」だとか「コピーライティング」とか「USP」とかにいきつき、住宅を売るために必要だと思うようになります。
言葉を上手く使えば、売れるようになる!?
家づくりの全体を通してみると、「最初の接触の時点から、契約、引き渡しを経て、上質な施主になる。」という仕組みをつくる上で、コピーライティングやセールスコピー、セールスライティングと呼ばれる「言葉のチカラ」が必要になってきます。
対面でプレゼンや打ち合わせをするにしても、台本のようなシナリオを持っていると、かなり優位です。それって結局、言葉で組み立てられているそのものですよね。
ということは、「言葉を使う」技術って、広告担当者だけでなく、営業にも活かすことができるわけです。
ビジネスの歴史振り返ってみても、「言葉を使う」ノウハウは世界中に、セールスライティングとして、100年以上も前からあるので実証されているのです。
なので、住宅のほとんどが、マーケティング、いわば売れる仕組みを作って、いいセールスコピー、つまり言葉を上手く使えば、売れるようになります。なぜかというと、「その住宅が持つ良さ」が伝わるから・・・
「本来、その住宅が持つ良さ」、つまり価値を、相手に伝えることができれば、たいていの住宅は売れるようになるのです。
しかし、大きな勘違いしてしまうことも…
そういったノウハウや技術に惚れ込んでしまい、住宅ビジネスをする上で大切なことを忘れてしまいやすくなります。
それは顧客です。
その住宅を買うのは顧客だということです。それに対してお金を払うのは顧客であるということ。
顧客が家を建てたい・新しい住まいが欲しいという想いが全ての源になっているにも関わらず、そういったことを忘れがちになり、心理学やらテクニックやらを使って売ることしか考えなくなるということに陥りやすくなります。
「いらないものは、いらない。」
言葉の力を使って売るということは、「その商品が本来もつ価値」を伝えるということです。
顧客が欲しいと思っていない・顧客から見たら価値がない、そういった住宅は、どんなに広告の技術やノウハウを尽くして、必死に宣伝したとしても、たとえスーパー営業マンがセールスをしても、売れないのです。
あなたが建てる住宅、本当に顧客は欲しいのだろうか?見なおしてみることも大事ですね。
住宅は衝動買いができない買い物
住宅の場合、衝動買いで買えるような金額ではなく高額なため、ほとんどの方が住宅ローンを組みます。そのため、購入予算が限られており、大半の方が総予算ギリギリで計画をしてきます。さらに、「子供が小学生に上る前までに」などという、良くも悪くもリミットが定められていたりします。
だから、どんなにいい住宅でも、お金がなければ喰い付きませんし、予算に合わないものは必要ないと判断します。また、予定している期限に間に合わなければ、他社へ行きます。
ちなみに、巷でマーケティングと呼ばれる手法は、ダイレクトマーケティングという、衝動買いが可能なビジネスに適した手法だったりします。ここが他のビジネスと違い、住宅ビジネスの難しい部分ですよね。
小さな工務店はマーケティング話に振り回されてはいけない
マーケティングの技術や手法は、確かに魅力的で、多くのビジネスにおいて効果を発揮します。しかし、小さな工務店にとって、マーケティングの話に振り回されてしまうことは危険なことがあるのです。
1. 顧客のニーズを忘れてしまう危険性
マーケティングのテクニックや戦略に夢中になりすぎると、最も重要なことである「顧客のニーズ」を見失ってしまうことがあります。住宅ビジネスにおいては、顧客のライフスタイル、予算、期限などの具体的な要望が重要です。これらを無視して、一般的なマーケティング手法に固執すると、顧客とのつながりを失う恐れがあります。顧客の声を聞き、彼らの要望に応えるために、地域に根ざしたサービスを提供することが重要です。マーケティング戦略を立てる際には、顧客の声を直接聞く取り組みを忘れずに行うべきでしょう。
2. リソースの無駄遣い
小さな工務店には限られたリソースがあります。広告やプロモーションに多くの時間とお金を投じることで、他の重要な業務がおろそかになることもあるでしょう。マーケティングの効果を最大化するためには、自社の規模とニーズに合った戦略を選ぶ必要があります。無駄な広告費を削減し、効果的なプロモーションを行うためには、ターゲット顧客の分析と、彼らに合った戦略の選定が必要です。また、地域に密着した活動を通じて、コスト効率の良いマーケティングを展開することも考えられます。
3. 地域社会とのつながりの喪失
小さな工務店の強みは、地域社会との密接なつながりにあります。地域の人々のニーズを深く理解し、それに応えるサービスを提供することが求められます。一方、一般的なマーケティング手法に頼りすぎると、地域社会とのつながりが希薄になり、信頼を失う可能性があります。地域社会との関係を深化させるためには、地域のイベントへの参加や、地域住民とのコミュニケーションを図る活動が重要です。地域に根ざしたサービスを提供することで、工務店としての信頼とブランドを築くことができるでしょう。
4. 本質的な価値の見失い
住宅は人々の生活の基盤であり、その価値は単なる商品以上のものです。マーケティングのテクニックに囚われすぎると、住宅の本質的な価値を見失い、単なる商品として扱ってしまう危険性があります。住宅の価値は、安全で快適な生活空間を提供することにあります。その価値を顧客に伝え、理解してもらうためには、商品の特徴だけでなく、その背後にある理念や価値観を共有することが重要です。工務店としての哲学やビジョンを明確にし、それを顧客に伝える努力が求められます。
まとめ
マーケティングは重要な要素であり、効果的に活用すればビジネスの成長に寄与します。しかし、小さな工務店にとっては、顧客との深い関係、地域社会とのつながり、住宅の本質的な価値など、他の重要な側面を忘れずに、バランスよく取り組む必要があります。マーケティングの手法に振り回されず、自社の強みと顧客の真のニーズに焦点を当て、真心を込めたサービスを提供することが、小さな工務店の成功への道であると言えるでしょう。このバランスを見極め、地域に根ざしたサービスを提供することで、長期的な成功と成長が可能になるでしょう。