- もし、あなたの工務店がホームページから集客や受注を増やしたいのなら・・・
- もし、あなたの工務店が自社のブランドを確立したいのなら・・・
- もし、あなたの工務店が今よりも1棟あたりの利益を増やしたいのなら・・・
工務店が向き合わなければならない家づくりの「選択肢増と低所得」
オウチーノが運営するオウチーノ総研の「日本人の住宅意識」に関するアンケート調査の結果、2013年版と2014年版の結果が興味深いのでシェアします。
日本人の住宅意識
家を買う時、「新築にこだわる」54.7%、「新築にも中古にもこだわらない」42.1%
家を買う時、「マンションにこだわる」14.8%、「一戸建てにこだわる」47.8%2013 年は、アベノミクス効果や消費増税前の駆け込み需要、2020 年東京オリンピック開催決定などにより、住宅市場が大きく動いた年だった。そのような市場の動きに対し、日本人の「住宅意識」は、どのように変化したのだろうか。
日本人の住宅意識調査 [2013 年版]
今回、オウチーノ総研(株式会社オウチーノ/本社:東京都港区/代表:井端純一)は、20 歳~69 歳の男女 1,123 名に「『日本人の住宅意識』に関するアンケート調査」を行った。「仮にあなたが家を買うとしたら、『新築』または『中古』にこだわりますか?」と聞くと、54.7%が「新築にこだわる」、3.2%が「中古にこだわる」、42.1%が「こだわりはない」と回答。次に、「仮にあなたが家を買うとしたら、『マンション』または『一戸建て』にこだわりますか?」と聞いたところ、14.8%が「マンションにこだわる」、47.8%が「一戸建てにこだわる」、37.4%が「こだわりはない」と回答した。
家を買う時、「新築にこだわる」49.6%、「新築にも中古にもこだわらない」46.2%。
49.8%が、2014 年、日本の景気は「悪くなったと思う」と回答。2014 年の「今年の漢字」が「税」に決まった。2014 年 4 月に消費税が 5%から 8%に上がり、国民も、企業も、消費増税の影響を大きく受けた年だったのではないだろうか。特に金額が大きい「住宅」に関しては、駆け込み需要や、その反動も起こった。そんな 2014 年の日本人の「住宅意識」を調査した。
日本人の住宅意識調査 [2014 年版]
今回、オウチーノ総研(株式会社オウチーノ/本社:東京都港区/代表:井端純一)は、20~69 歳の男女 563 名を対象に「『日本人の住宅意識』に関するアンケート調査」を行った。まず、「あなたが家を買うとしたら、『新築』または『中古』にこだわりますか?」という質問をしたところ、「新築(新築マンション・新築一戸建て)にこだわる」と回答したのが 26.3%、「新築(注文住宅)にこだわる」が 23.3%、「中古にこだわる」が 4.2%、「こだわりはない」が 46.2%だった。また、「あなたが家を買うとしたら、『マンション』または『一戸建て』にこだわりますか?」と聞いたところ、「マンションにこだわる」と回答した人が 17.6%、「一戸建てにこだわる」が 47.6%、「こだわりはない」が 34.8%だった。さらに、「2014 年、日本の景気はどう変化したと思いますか?」と聞くと、「景気は良くなったと思う」と回答した人は 18.8%にとどまり、49.8%が「景気は悪くなったと思う」と回答した。
ただ、このアンケートって、対象者は買えることが前提です。ある程度の所得があり、選択ができる層ですね。
住宅に対する新築かどうかという意識、昔に比べるとずいぶん変わってきましたね。
「新築でなければ」という方は相変わらず多いですが、新築でも中古でもこだわらないという方も半数近くいるんですね。
これって、つまりは、新築の注文住宅が欲しいのではなくて、自分たちの望んでいることや悩み・不安を解決するところであれば、新築でも中古もであまり関係がないという方が増えているということです。
でも世の中にはこんな層だっているわけです。
若者の低所得層
認定NPO法人「ビッグイシュー基金」が、若者の貧困の問題を「住まい」の視点から捉えようと、首都圏や関西圏の20歳から39歳で年収200万円未満の未婚者を対象に調査しています。
未婚で低い所得の40歳未満の若者を対象にした民間団体の調査で、4人に3人が親と同居し、7割以上が結婚に消極的か悲観的な見方をしていることが分かりました。
若者の低所得層 7割が結婚に消極的か悲観的
背景には経済的に親元を離れられない事情などがあるとみられ、専門家は「雇用に加えて、親から独立して生活の土台となる住まいを確保できる新たな住宅政策が必要だ」と指摘しています。
- 4人に3人は親と同居
- 結婚に消極的か悲観的7割超
ということです。
神戸大学の平山洋介教授曰く、
戦後の日本社会の、結婚して安定雇用で所得を増やし持ち家を購入するというライフコースを若い世代が取れなくなったと指摘し、若い世代を支えて社会を持続させる新しいサイクルを作る必要があると強調しています。
少子化対策の意味も含めて安定した住まいの確保が重要だとし、「OECD加盟国で家賃補助制度がないのは日本と地中海の国しかなく、家賃補助制度や空き家の活用などを考えるべきだ」
また、路上生活者の支援などに取り組むNPO法人「もやい」理事の稲葉剛さん曰く、
「親との同居率の高さに驚いた。また、調査結果の中には親と別居している人たちの8人に1人が広い意味でのホームレス状態を体験したというデータもあり、ホームレス化のリスクで親から離れられない状況もあると考えられる。親の家の老朽化で修繕費が賄えるかなど将来のリスクもあり、対応が必要だと思う」
住まいの選択肢が増え、所得が低い。
・・・今までのような家づくりが行き詰まるのも無理ないですね。
工務店が向き合わなければならない家づくりの「選択肢増と低所得」
1. 現実を直視する:市場の変化を理解する
日本の住宅市場は大きく変化しています。オウチーノ総研の調査によれば、新築にこだわる人は減少しており、中古住宅やマンションにも目を向ける人が増えています。さらに、若者の低所得層が増え、親と同居するケースや結婚に対する消極的な姿勢も見られます。これらの変化を無視しては、今後のビジネス展開に大きな影響を与えるでしょう。市場の変化をしっかりと把握し、それに対応する戦略を練ることが急募です。
2. 多様なニーズに対応する:柔軟な商品展開を
新築一戸建てだけでなく、リノベーションや中古住宅、さらには賃貸住宅に対するニーズも考慮する必要があります。特に、低所得層や若者に対しては、手頃な価格で質の高い住まいを提供する方法を模索することが求められます。これには、既存のビジネスモデルを見直し、多様な顧客層に対応できるような商品展開が必要です。
3. 住宅政策と連携する:公的支援を活用する
専門家やNPOからの指摘にもあるように、新たな住宅政策の形成が必要です。家賃補助制度や空き家の活用など、公的な支援を受けながら多様な住まいの選択肢を提供することが重要です。これには、地方自治体や関連機関との連携も考慮に入れ、より広範な支援を受けられるようにする必要があります。
4. 長期的なビジョンを持つ:持続可能なビジネスモデルの構築
短期的な利益だけを追求するのではなく、持続可能なビジネスモデルを考える必要があります。例えば、低所得層向けの住宅を提供することで、将来的にはその子供たちが成長した際のニーズにも応えられるようなビジョンを持つことが重要です。これには、長期的な市場調査と戦略的な計画が不可欠です。
5. コミュニケーションと教育:顧客との深い関わりを
住まいに対する意識やニーズは多様化しています。これに対応するためには、顧客としっかりとコミュニケーションを取り、そのニーズを正確に把握することが必要です。また、顧客自身も多様な選択肢について十分に知らない場合が多いため、教育の側面も重要です。これには、情報提供からアフターケアまで、顧客との関わりを深める多角的なアプローチが求められます。
6. 社会的課題としての住まい:広い視野での対応を
住まいは個々の問題だけでなく、社会全体の問題でもあります。低所得層や若者が安定した住まいを確保できないと、社会全体が持続可能でなくなる可能性があります。このような視点からも、工務店がどのように貢献できるかを考える必要があります。社会全体の持続性に貢献するようなビジネスモデルを考え、それを実行に移すことが、今後ますます重要になるでしょう。
以上のように、時代の変化とともに住まいに対するニーズや意識も大きく変わっています。これを踏まえ、工務店としてどのように対応していくかが今後の成長と持続性に直結します。多様な選択肢と低所得層に対する対策は、単なるビジネス戦略以上の意味を持つ社会的課題でもあります。この課題に真摯に向き合い、柔軟に対応することで、より多くの人々にとって価値のある住まいを提供できるでしょう。