住宅業界の流行語「家はまだ買うな」

2000年に、「家はまだ買うな」というチラシ広告が登場したのをご存知でしょうか?

「家はまだ買うな」このキャッチコピーを世に広めたのは、平 秀信さんです。経営コンサルタントの神田昌典さんを師事し、住宅販売会社社長としてその販売方法を広めていきました。

目次

「家はまだ買うな」の流れ

その方法というのが、「家はまだ買うな」のチラシを打ち、ギャップを感じさせ、そのチラシに書かれた、「失敗しない家作りの方法・小冊子を無料でプレゼント」に気を惹かせます。

一生に一度の家には、誰もが購入には慎重になるでしょうし、「家」を建てることの情報も詳しく知りません。だから、見込み客は、まさに自分が今必要な情報だとばかりに小冊子を請求します。

チラシにはその他にも、「購入したお客様のコメント」や、「現場の棟梁や社長の顔写真」「安い値段で家を建てることが出来る理由」などが載っており、大手の住宅会社の広告とは一線を画する構成となっていました。

詳細は割愛しますが、だいたいこのような流れです。

当時、この広告の手法をすぐに実践した人は成功しています。ですが、今はどうでしょうか?多分、大した効果は出てないと思われます。

でも、この方法から得られる本質は今でも通用するものです。

周りが成功したからといって、本質もつかまず、小手先のテクニックだけ鵜呑みにしてその方法を実践しても、最終的には貴重な広告費を上手くいかすことができないのです。期待していた効果も得られず、費用対効果の悪さを、やがて「当たり前」として認識してしまいます・・・

最近では、住宅業界のチラシの費用対効果は悪いですよね。

ノウハウを取り入れて上手くいくのは、

  • 先行者利益つかむ
  • 本質をつかむ

この2つのどちらかしかありません。前者は、投資というお金の使い方が必要です。後者は、本質をつかめるだけの能力が必要です。

小さな工務店はどうする?

さて、ここで問類となるのは、小さな工務店の経営者がこの状況でどう対応すべきか、ということです。大手住宅会社と比べて、広告費については限られた予算しかないでしょう。しかし、それは必ずしも不利とは限りません。

まず、先行者利益をつかむという選択肢は、新しい広告手法やマーケティング戦略を早期に取り入れることで可能です。これはリスクを伴いますが、成功すれば大きなリターンが期待できます。ただし、これには投資という形でお金を使う必要があります。

一方、本質をつかむという選択肢は、自社の強みや顧客の本当のニーズを理解し、それを活かすことで可能です。これには深い洞察力と、顧客とのコミュニケーション能力が求められます。

例えば、”家はまだ買うな”のキャンペーンは、顧客が家を買う前に必要な情報を提供することで、そのニーズを満たすという本質をつかんでいました。これは、顧客の心理を理解し、それに対応する形でサービスを提供するという、マーケティングの基本的な考え方を反映しています。

小さな工務店の経営者であれば、自社の強みを活かし、顧客の本当のニーズに対応する形でサービスを提供することが求められます。それが、例えば、地域に密着したサービス、高品質な建築物、またはパーソナライズされた対応など、何であれ、それを最大限に活かすことが重要です。

そして、それを伝えるための広告やマーケティング戦略を考えることが求められます。大手住宅会社とは違う、自社だけの特色を活かした戦略を考えることで、限られた広告費でも効果的な結果を得ることが可能です。

結局のところ、小さな工務店が成功するためには、先行者利益をつかむか、本質をつかむか、そのどちらかを選択し、それに全力を注ぐことが求められます。どちらを選ぶかは、経営者自身の視点や能力、そしてリスク許容度によるところが大きいでしょう。

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