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建築家は排除されていく?『だれも知らない建築のはなし』
建築系の面白そうな映画が公開されます。
安藤忠雄、磯崎新、伊藤豊雄、レム・コールハースらが本⾳で語る建築ドキュメンタリー映画『だれも知らない建築のはなし』が、2015年5月下旬、東京渋谷のシアター・イメージフォーラムを皮切りに、順次全国公開していくようですね。
だれも知らない建築のはなし
当時、建築界のドンといわれたフィリップ・ジョンソンが1982年にアメリカで主催した伝説的な国際会議「P3会議」。ピーター・アイゼンマン、フランク・O・ゲーリー、レム・コールハース……錚々たる建築家に並び、3人の東洋人が出席した。磯崎新と、彼が連れてきた無名の若者、安藤忠雄と伊東豊雄だ。映画『だれも知らない建築のはなし』は、会議に出た建築家が当時を振り返るシーンから始まる。彼らの証言から浮かび上がるのは、高度成長期が終焉した70年以降の日本で、日本人建築家がどう社会と関わり、何を生み出し、その結果どんな〝今〟があるのかだ。
https://casabrutus.com/categories/architecture/8111
巨匠たちの歯に衣着せぬ物言いは観ていて爽快。また70年代から現代までを一気に駆け抜けることで、この国の歩みが建築を軸に一本の糸のようにつながる面白さもある。竹山実の二番館、長谷川逸子の湘南台文化センターなど、ポストモダニズム建築も次々と登場。資料映像としても貴重な作品だ。
今、建築家は何を考えどこに向かっているのだろうか
建築界の最重要人物たちが本音で語る「建築の未来」とは?
予告編を見ると、磯崎さんの「アーキテクトなしでもアーキテクチャーができ始めている」とか、安藤さんの「私的には完全に排除されていきます」など、予告編ならではの断片的にカットされたセリフが興味をそそられます。
何が排除されていく?建築家?
また、安藤さんの「小さい住宅でも世界にアピールできる」という言葉も興味深いですね。
建築家なんてカッコいいものではない!?
今の建築家像って、磯崎さんらの80歳代、安藤さんや伊藤さんらの70歳代などの、その辺りの世代が、つくってきたイメージな気がしています。
表面的にはカッコよさげに見えますが、裏側は泥臭そうですよ。
本編を監督している、石山友美さんは、建築一家に生まれた経歴を持つとのこと。
大建築家たちや神話的エピソードを崇めることは一切せず、今の問題意識から建築家の存在意識を問いかけていったようなので、その辺りも興味深いですね。
試写会に行かれた方の感想
”建築家との家づくり”だけでは心は動かない。
哲学がなければ、建築家の資格はないと思っていますが、その哲学は、自己中さを含むことが多く、商業施設などなら良いんでしょうが、住宅にとっては妙にうっとおしいときもあります。
また、活気的なアイデアとかデザインとか良い面もあるんですが、実験的要素も忍ばしてくるので、悪い面も多いです。だから、住宅にとって建築は、毒にも薬にもなるというわけです。
薬にするためには、技術的なことや心の部分は、当人のレベルによってしまいますが、伝える側としては、施主が価値(ベネフィット)を感じないといけません。
ここ数年、感じているのは、”建築家との家づくり”とか、”デザイン住宅”とか、そういう言葉では、集客出来にくく
なっているんですよね。
なぜなら、誰でも使えるからです。
建築家は名乗ればなれますし、デザインはどこからがデザインなのかあいまいです。
あと何より、「特長」だからです。唯一無二の特長なら、まだしも、ありふれた特長には、なかなか惹かれないですよね。建築家と名乗る人があふれかえる時代、「建築家と一緒に家を建てる」ということは、価値ではなく特徴ですから。
だからこそ、これから建てる人が自分事に感じる価値(ベネフィット)を伝えないといけないわけです。伝えるチカラは大事ですね。