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工務店が信頼性と権威性を高めるためには、上質な住環境を創造することが必要な理由
以前、「普通の人が悪魔に変わる環境があるなら、人を悪魔に変える家も存在しえるのでは?」と考察したことがあるのですが、そのきっかけが、スタンフォード監獄実験です。
スタンフォード監獄実験
アメリカのスタンフォード大学の実験の話を取り上げ、「環境や立場が人を変える」という話です。
実験の概要を書くと、
一般人21人の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を、実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるという事が証明された。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E7%9B%A3%E7%8D%84%E5%AE%9F%E9%A8%93
というものです。
その話をベースにしてつくられたのが映画『es(エス)』(2001年)です。
その後、リメイクされたのが『エクスペリメント』(2010年)
そして、2015年夏に公開された第3弾『The Stanford Prison Experiment』
この現象の分析を詳しく説いているのがこちら
この、ごく一般の人が、置かれた状況や社会的システム、環境などといった要因によって、恐ろしい悪人になりえる事が、いかに簡単な事であるかという、ルシファー・エフェクトについて説明している本がこちら。
ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき
『スタンフォード監獄実験』だけでなく、イラクのアブグレイブ刑務所で行われていた虐待などにも触れられています。なんと、800ページ超!
著者のフィリップ・ジンバルド氏によるTEDでのプレゼン「普通の人がどうやって怪物や英雄に変貌するか」も参考になります。ただ、TED映像では、アブグレイブ刑務所での虐待の様子が出てきて、閲覧注意レベルなので、リンクは貼らないでおきます。
フィリップ・ジンバルドは善良な人が悪人に変貌することは、いかに簡単かを理解しています。 この講演で彼は、アブグレイブ事件の非公開写真やそこからの洞察を紹介します。 それから、その対極について語ります:英雄になるのはいかに簡単かということ、どうすれば困難に際して立ち上がれるのかということを。
動画内で語られているのは、普通の人が悪魔に変わるまでの過程があるようです。以下紹介します。
普通の人が悪魔に変わるまでの 7つのプロセス
- 考えもなく最初の小さなステップを踏むこと
- 他人の人間性を剥ぎ取る
- 自身の没個性化を測る(容姿を変えて匿名になる)
- 個人の責任を曖昧にする
- 権限へ盲目的に服従する
- グループの基準には無批判に従う
- 怠慢や無関心によって受動的に悪を許容する
これらのプロセスは大きかれ小さかれ誰にも起こりえますね。個人的な感覚ですが、4番目ぐらいまで満たしてしまったら、悪魔へと加速していきそうな気がします。
腐った環境のせいで、自身も腐り、それに気付かない・元に戻れない状況になる前に、腐らせるような環境に身を置いておかないことですね。これは、仕事でもプライベートでも言えることですよ。
追記:「スタンフォード監獄実験」はイカサマだった
2002年、英BBCが再現実験を行った結果では、何も起きなかったようです。
そんななか2002年5月に、英BBCが再現実験を行った。担当した実験者たちはジンバルドとは違い、「看守たちに指示をしなかった」。するとどうなったのか。じつのところほぼ何も起きなかったのだ。さらには一部の囚人と看守は生活共同体を作ることを投票によって決めた。実験は行き詰まり、打ち切られた。番組画面には、呑気に座ってタバコを吸う男たちの姿が写るばかり。残酷なリアリティ番組を期待していた視聴者は、騙されたように感じた。
しかし、このBBCの再現実験はやがて忘れ去られる。そしてセンセーショナルなスタンフォード監獄実験だけが、検証されることもなく今に至るまでメディアに繰り返し取り上げられている。
普通の人を看守役と囚人役に分けると、看守はサディストに… 「スタンフォード監獄実験」の“ねつ造”を示す3つの根拠
そして、2018年に「スタンフォード監獄実験」はイカサマだったというような記事が出ています。
これまでで最も有名かつ影響を与えた心理学の研究の1つが嘘と作為によるものだと暴露された。
1971年に実施されたスタンフォード監獄実験は、人間に権力を乱用する性質が備わっていることを示したものだとされている。
しかし新しい報告によると、その実験は仕組まれたものだったという。
スタンフォード大学の記録庫から、フィリップ・ジンバルドー教授が囚人をひどく扱うよう看守を促していた記録が発見され、さらに囚人の1人であったボランティアが狂気の発作が実は演技だったことを認めたのである。
スタンフォード監獄実験は仕組まれていた!?被験者に演技をするよう指導した記録が発見される
ところが、ル・テクシエを驚かせたことがある。それはこの実験が詐欺だった可能性がきわめて高いという事実だ。科学界をだました巨大なウソだったといってもいい。
「スタンフォード監獄実験」は“世紀のイカサマ”だった!?
まぁ、真相はわからないです・・・
「住」という環境も、人の変化に大きく影響を与える!?
スタンフォード監獄実験の真相はわかりませんが、「住」という環境だって、似たような部分があります。
『子どもをゆがませる「間取り」』
2001年とかなり前に出版された本ですが、前半となる第1章の「子供の狂気はこうして育てられたでは、過去に凶悪犯罪を犯した人たちを数名取り上げて、彼らの育った「家」と、そこでの家族のあり方や、彼らへの影響についてかかれています。その分析・解説が、結構説得力ありますよ。
「住」や「空間」だけが影響しているというよりは、周りの人も含め取り巻く環境によって、人は変わっていくと思うのですが、そういった要素を意識して取り入れると、自社の魅力に役立ちそうです。
工務店が信頼性と権威性を高めるためには、上質な住環境を創造することが必要な理由
住環境と人の心理・行動の密接な関係
スタンフォード監獄実験やルシファー・エフェクトの真相はさておき、環境は人々の心理や行動に大きな影響を与えると言われています。この事実は、家や住環境にも当てはまるでしょう。
家はただの建物ではなく、そこで過ごす人々の心理状態や行動に影響を与える「場」です。このような心理学的側面を理解することで、工務店はただ建物を建てるだけでなく、その建物がどのように人々の心と行動に影響を与えるかを考慮に入れることができます。この洞察は、より良い住環境を創造するためには不可欠です。
住環境の質が工務店に与える影響
良い住環境を提供することは、単に顧客満足度を高めるだけでなく、口コミや評判、さらにはブランド価値にも寄与します。逆に、質の低い住環境は、顧客からの信頼を失い、ビジネスに悪影響を及ぼす可能性が高いです。このような観点からも、工務店が提供する住環境の質は非常に重要です。良い評判は新たな顧客を引きつけ、長期的なビジネスの成長につながります。そのため、品質の維持と向上は、ビジネス戦略としても非常に重要な要素となります。
住環境の質と社会的責任
さらに、良い住環境を創造することは、社会的な責任でもあります。特に子どもが成長する環境として、家やその周りの環境は重要な役割を果たします。『子どもをゆがませる「間取り」』のような研究が示す通り、住環境が人々の心理や行動に与える影響は少なくありません。これは、工務店が社会に対して持つべき責任とも言えます。良い住環境は、健全な心理状態と社会性を育む場となり得るのです。
住環境の質を高めるための具体的なステップ
- 心理学的側面を考慮した設計
住空間が人々の心理に与える影響を理解し、それを設計に反映させる。例えば、自然光の取り入れ方や、プライバシーを確保するための間取りなどが考慮されるべきです。 - 顧客とのコミュニケーション
顧客のニーズやライフスタイルを理解し、それに合わせた住環境を提供する。これには、顧客との継続的な対話とフィードバックの収集が必要です。 - 持続可能な素材と技術の採用
環境に優しい素材や技術を用いることで、持続可能な住環境を創造する。これは、環境への配慮だけでなく、長期的な住み心地にも寄与します。 - 安全性と快適性の確保
最低限の安全性はもちろん、長期的な快適性も確保する。これには、耐震性や断熱性、さらには家全体のエネルギー効率なども考慮する必要があります。
工務店がこのような高い目標に取り組むことで、その信頼性と権威性も高まり、多くの人々にとって価値のある存在となるでしょう。