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大半の工務店は「物が多い家族」を注文住宅のターゲットにした方が良い理由
最近、ミニマリストという言葉をよく目にします。NHKやら他のテレビ局、サイトなどでも、取り上げていましたね。
ミニマリストとは、身の回りのモノを「ミニマム」=「最小限」にする生き方を実践する方達のことを呼びます。Googleなどで画像検索してみてください。雰囲気がわかると思います。
ミニマリストに学ぶ、モノを捨てる「15のコツ」
- 「捨てられない」という思い込みを捨てる
- まずは、明らかな「ゴミ」から捨ててみる
- 複数あるモノは捨てる
- 1年使わなかったモノは捨てる
- 人の目線のためにあるモノは捨てる
- 捨てづらいモノは写真に撮って捨てる
- 「収納」「片付け」という発想を捨てる
- デッドスペースを埋めたい気持ちを捨てる
- 自分のクリエイティビティも捨てる
- 「元を取る」という発想を捨てる
- 値段にこだわる気持ちを捨てる
- 店で買えるものは捨てる
- 熱く語れないモノは捨てる
- モノの「連鎖」の大元から捨てる
- 1つ買ったら1つは捨てる
ミニマリストは注文住宅を選ぶ可能性は低い?
話題なったのは、どうやら、この本がキッカケのようです。
さらっと読みましたが、ここまでになると、「注文住宅を建てよう!」なんてパワーはないと思いますので、ターゲット層じゃないですね(笑)賃貸か中古か・・・無駄がない分、パワーも感じられないというか・・・
本に書かれているノウハウは、やはり、これまで語られている収納関係の本と、本質は変わらないですね。どこまで突き詰めるか、そしてメソッドの違いぐらいです。
ミニマリストは暮らしのアスリート?
注文住宅でも「ミニマリスト」というキーワードがちらほら見かけますが、その例は、ミニマリストというよりは、シンプルライフ止まりです。最小限ではないのです。やはり、家族での生活を考えたら、シンプルライフ辺りで十分な気もします。
ミニマリストとシンプルライフの違いを捉えるなら、ミニマリストとは、モノを持たないことの極限を目指している気もしますので、個の戦いというか、暮らしのアスリートっぽい気もします。スポーツのアスリートの様な力強さは感じないんですけど(笑)
シンプルライフは、物を最小に押さえて、最大を幸福感を得るという考え方なので、その最小が個人ではなく家族単位になれば、最大のあり方もいろいろと変わってきますよね。まぁ、注文住宅を選択することはないでしょう。
省くべき無駄と楽しむべき無駄
数年前ですが、仕事の関係で、香川県の高松市に住んでました。長年東京に住んでいた身からすると、住むところにしても欲しい機能がなかったり、いちいち保証人たてなければいけなかったり、いろいろなところに不便さを感じてましたね。
また、移動するのに車が必要になったりして、周りが不便な環境な分、それを補うかのように、あれこれと物が少しづつ増えていったのを覚えています。元々、物を増やしたくない・無駄を省きたいと思っていても、環境のせいもあり、東京暮らしに比べると、自然と増えていったのです。
省いてもよかったんですが、「無駄だなぁ」と思いながらも、そのライフスタイルを楽しんでました。
無駄を楽しむことができる注文住宅
片付けや収納関係は、誰しもが悩んでいることで、永遠の課題ですよね。なので、家づくりという機会に、今一度、物との距離感・付き合い方を見直した方がいいと考えています。でも、この物との距離感というのは厄介で、住む地域などによっても個人差があります。
身の回りのモノを「ミニマム」=「最小限」にする考えを突き詰めたら、家なんて建てようという気にはならないでしょうし、たとえ建てても、土間を広くとか、吹き抜けとか、廊下とか、無駄なスペースを好まないでしょうね。でも、こういうところに、注文住宅の楽しさってあると思ってます。
選んだ「好き」に囲まれて暮らすことが、自分らしい暮らしに繋がります。 好きがある暮らしだからこそ、落ち着いたりするんです。省くべき無駄と楽しむべき無駄、ここに、注文住宅だからできることってありそうですね。
物が多い家族ほど、注文住宅を建てる可能性が高い?
もちろん、「物が多い家族ほど、注文住宅を建てる可能性が高い」なんて、データはないんですが・・・
家族が増えると、それぞれの成員が持つ物や趣味、価値観が多様化することは自然の流れです。子供の成長とともに増えるおもちゃ、親の趣味やコレクション、仕事や学業のための資料や書籍。これらは、家族の歴史や価値、そして思い出を形成する大切な物ですからね。
また、実際、家を建てようとする人のほとんどが、収納関係で悩んでることも多いですから。
とはいえ、物が多い家族が注文住宅を選ぶ理由は、単に物を収納するためだけではないでしょう。では、物が多い家族が注文住宅を選ぶ背景には、どのような理由があるか考察してみると・・・
- 個別の収納スペースのニーズ
既製の住宅では、収納スペースが一定です。しかし、注文住宅では家族のライフスタイルや物の量、種類に合わせて、収納をカスタマイズしてデザインすることができます。これにより、物の整理や管理がしやすくなり、日常生活がスムーズになります。 - 家族の成長と変化に対応した間取り
子供たちが成長するにつれ、部屋の使い方や必要なスペース、プライバシーのニーズが変わってきます。注文住宅では、これらの将来の変化を見越して、柔軟に間取りを考えることができます。 - 物との関係を再考する機会
注文住宅を建てる過程は、家族全員で物との関係を見直す絶好のチャンスとなります。何を大切にし、何を手放すか、どのように物を整理して生活するかを家族全員で話し合うことができます。 - 家族の価値観や歴史を形にする
注文住宅は、家族の価値観や歴史、そして未来のビジョンを形にするものです。物が多いからといって、それが悪いとは限りません。それぞれの物には、家族の思い出や価値、そして愛情が詰まっています。
などが考えられます。
工務店として、顧客のライフスタイルや価値観を深く理解し、それを形にする提案をすることを踏まえるなら、やはり、物が多い家族は、注文住宅の顧客としては狙い目なのでしょう。大半の工務店は、顧客の物を減らすような提案はできないですからね。
もちろん、物を減らす暮らしを提案できたり、そもそもシンプルライフがコンセプトなのであれば、ポジショニングで、あえてシンプルライフ狙いもそれはそれでありだと思います。