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工務店の二世、三世経営者が失敗しやすい理由とその対策
住宅業界には、二世・三世の方が多くいますし、常務、専務の役職に付く二世・三世経営者も、よく見かけます。
そんな、二世・三世経営者に向けた、稲盛和夫氏の記事が面白いですね。
稲盛 和夫(いなもり かずお、1932年〈昭和7年〉1月21日 – 2022年〈令和4年〉8月24日)は、日本の実業家。京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者。公益財団法人稲盛財団理事長。「盛和塾」塾長。日本航空名誉会長。一時経営破綻した日本航空の再建にリーダーシップを発揮するなど、日本経済に大きく貢献した
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%B2%E7%9B%9B%E5%92%8C%E5%A4%AB
稲盛さんといえば、京セラとKDDIという2つの世界的大企業を創業し、JAL再建の陣頭指揮を執った「経営の父」とも呼ばれてる方です。
2004年に出版された著書の「生き方」は、評判が良いですよ。
二世・三世経営者に向けて書かれた記事はこちら
日本の中小企業の場合、子どもが後を継ぎたがらないところがほとんどです。子どもたちにとっては、親の商売はどこか古臭いし、みっともなさそうなので、大学に入って勉強して、一流の会社に勤めようとします。しかし、社会へ出てからしばらくすると、社会の厳しい風に当たって、「やっぱり家に帰って、親の後でも継ごうか」と思うようになって、家に戻ります。
もしくは、家業を継ぐ気はなかったけれども、お父さんが急に病気で倒れ、お母さんに「家に帰って、どうしても後を継いでほしい」とせがまれて、仕方なく実家に帰る人もいます。
この二つのパターンのどちらかで、家業を継ぐ人が多いのです。
そういう人は、たとえ大学の経営学部や商学部を出ていても、今日私が話しているような商売の原点については教わっていません。経営をしていく上で知っているべきことを知らないまま、一流企業を辞めて家業を継ぐわけです。
<中略>
専務として帰ってきた息子はまず、病気のお父さんに経営の状況について聞いてみます。すると、「うちの会社はうまくいっている。売上はあまり大きくないけれども、利益もそこそこ出ているし、大丈夫だ」と言われます。そして、見よう見まねで商売を始めます。従業員や幹部は、息子を「専務さん」と呼んでちやほやします。
会社はお父さんのおかげでそれなりにうまくいっていますから、地域の銀行の支店長までが、「専務、ぜひ当行をごひいきに」と頭を下げに来ます。そのため、本人は経営について何もわかっていないにもかかわらず、自分を偉い専務だと思い込むようになります。そのうちに青年会議所などに呼ばれて、出入りするようになります。そこでも周りからいっぱしの経営者だと言われるものですから、ますます勘違いをしていきます。
しかし、このような二世、三世経営者は、経営について何もわかっていません。
私がそうした人たちに、「あなたはどのように経営しているのですか」と質問しますと、「父が昔開拓したお得意先があります。そこから注文がきて、売上が上がるのです」という答えが返ってきます。
次に、「今はどのくらいの利益が出ているのですか」と聞くと、「少ししか出ていませんが、うちはずっとそういう状況です」と答えます。さらに、「その利益はどうして出るようになったのですか」と聞きますと、「それは知りません。父の代からそうなっています」と答えるのです。
このように、どうすれば売上が増やせるのか、どうすれば利益が出せるのかという根本的なことを、ほとんどの二世、三世経営者が知らないのです。
二世、三世経営者は、「この質問」に答えられない。
記事に書かれているような、そんなひどい二世・三世っているの?って思いがちですが、一代目がある程度成功していると、知らず知らずそうなりますよ。二世・三世は、ゼロから築き上げていくお金の苦労を知らないんですから。
親子で一緒に仕事ができるのは、親が進んでいるか、子が遅れているかのどちらかだ
昔、とあるハウスメーカーの創業者に、「親子で一緒に仕事ができるのは、親が進んでいるか、子が遅れているかのどちらかだ」みたいなことを言わたことがあります。
親が上手くいってるなら親が進んでいるになりますが、親が鳴かず飛ばずの場合は子が遅れている。ということなんですが、一代目である親がある程度成功していても、「子が遅れている(大したことない)」とか「虎の威を借る狐」とか言われます(笑)まぁ、この創業者も親側が上手く行きすぎて、親子では上手く行かなかったようで(笑)
「継ぐ」「継がない」は個人の自由なので、どちらが正しいというわけではないと思います。現に、親族で住宅事業を営んでいるというだけで、お客さんからは無条件に信用されやすくなるわけですし。
工務店の二世、三世経営者が戦わなければいけない「見えない壁」
昔から、”絵画1代、音楽2代、味3代”と言われています。
「絵画1代、音楽2代、味3代」という言葉は、視覚芸術においては一代で大成することができるが、音楽や料理、味覚においては、親や祖父母の影響を受け、本人の努力だけで花開かせることが難しいという意味です。つまり、味覚においては、三代にわたって受け継がれた技術や知識が重要であるとされています。
設計も絵画と同じだと、思っていますので、親のセンスを受け継ぐことは、まずないですね(笑)
さらには、意匠設計って、基本的なこと以上のノウハウがないと思っています。つまり、最終的に行き着く先は、センスになってしまいます。センスは引き継ぐことが出来ないですからね・・・
黒川紀章建築都市設計事務所が民事再生法適用を申請
黒川紀章建築都市設計事務所が民事再生法適用を申請されましたね。カリスマ的な存在がいなくなると、やはり事業は厳しくなりますね。なんだかひとつの時代の区切りのような気がします。
国際的建築家として知られ、平成19年に東京都知事選への立候補などで知られる黒川紀章氏(故人)が設立した(株)黒川紀章建築都市設計事務所(TSR企業コード:290741025、港区赤坂9-5-14、設立昭和43年12月、資本金1億円、黒川未来夫社長)は12月15日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は藤田浩司弁護士ほか3名(奥野総合法律事務所・外国法共同事業、中央区京橋1-2-5、電話03-3274-3805)、監督委員には山崎和代弁護士(弁護士法人山崎和代法律事務所、世田谷区北沢2-24-6、電話03-3460-5125)が選任された。
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20141215_03.html
負債総額は金融債務約10億円を含め約12億円。
売上高減少について同事務所は「受託案件の減少と海外での設計料回収不能の2つが主因だ」としている。設計料を回収できなかった案件名と時期については明らかにしていない。07年10月に黒川紀章氏が死去したことに関しては「ブランド力の低下はそこまで影響していない」とコメントした。
黒川紀章事務所が民事再生、海外設計料回収できず|ケンプラッツ
「ブランド力の低下はそこまで影響していない」
これめちゃくちゃ危ない考えですね。自分自身が感じることと外部が感じることには差がありますし、人は悪い方向なことを認めたくないですからね。
つまりは、
- ライバルに追いぬかれそう。⇒ 実際は、もう並ばれています。
- ライバルに並ばれた。⇒ 実際は、もう越されています。
- ライバルに追い越された。⇒ 実際は、届かぬところに行ってしまってます。
自身が「そこまで影響ない」と感じているということは、やはり影響していると思いますよ。
親が成功している2世にありがちな、「(親がすごいから、今いる環境がすごいから、だから、)自分もすごいんだ・・・」は、完全な勘違いですからね。
2世はこういった見えない障壁と戦わなければいけないのです。
工務店の二世、三世経営者が失敗しやすい理由
経験不足と過度な自信
一代目が築き上げた成功に乗って、二世、三世経営者はしばしば過度な自信を持ってしまいます。この自信は、多くの場合、具体的な経験や実績に基づいていないものです。その結果、新しい取引先やプロジェクトにおいて、過信からくる失敗が起こりやすくなります。特に、新しい市場や技術に挑戦する場合、その自信が仇となることが多いです。
対策
- 経験を積む前に大きな決断を避け、まずは小さなプロジェクトから手をつけること。
- 一代目や他の経験豊富な人からアドバイスを受け、そのフィードバックを真剣に考慮する。
知識とスキルのギャップ
多くの二世、三世経営者は、大学で経営学や商学を学んでいる場合があります。しかし、学校で学ぶ理論と、実際の現場で必要なスキルや知識は大きく異なることが多いです。このギャップが、経営において致命的なミスを引き起こす可能性があります。
対策
- 現場でのトレーニングを積むことで、理論だけでなく実践的なスキルも身につける。
- 専門家やコンサルタントの意見を求め、経営の各側面での知識とスキルを高める。
親の影響とプレッシャー
親が成功していると、その影響とプレッシャーは避けられません。このプレッシャーが、新しいアイデアや変化を恐れ、経営の停滞を招くことがあります。特に、親がまだ会社に関与している場合、その影響力は大きく、自分自身の意見や方針が押し潰される可能性があります。
対策
- 自分自身のビジョンと目標を明確にし、それをしっかりと親やステークホルダーに伝える。
- 親とのコミュニケーションをしっかりと取り、独自の経営方針を理解してもらうためのプレゼンテーションや資料を用意する。
地域社会や取引先との関係
一代目が築いた人脈は、二世、三世にとっては貴重な資産です。しかし、それに頼りすぎると新しい機会を逃してしまい、経営が停滞する可能性があります。特に、長い間同じ取引先や地域社会に依存していると、新しいビジネスチャンスを見逃すことが多くなります。
対策
- 自分自身で新しい取引先やパートナーを開拓する努力をする。
- 地域社会での独自の貢献や活動を考え、新しい関係を築くための戦略を練る。
経営の基本を見失う
「売上が上がるから大丈夫」と安易に考えがちですが、それだけでは十分ではありません。利益率やキャッシュフローもしっかりと把握する必要があります。特に、利益が出ているように見えても、キャッシュフローが悪いと、いざという時に資金繰りに困る可能性があります。
対策
- 定期的に財務状況をチェックし、必要な場合は専門家に相談する。
- 経営指標を設定し、それに基づいて定期的な評価と改善を行う。これにより、経営の健全性を維持する。
以上のようなポイントを考慮して、しっかりと準備と対策を行うことが、二世、三世経営者が成功するための鍵です。