- もし、あなたの工務店がホームページから集客や受注を増やしたいのなら・・・
- もし、あなたの工務店が自社のブランドを確立したいのなら・・・
- もし、あなたの工務店が今よりも1棟あたりの利益を増やしたいのなら・・・
「直下率」が一般的に注目され始めた池上彰の番組だが、その後の国の熊本地震における建築物被害の原因分析報告書には直下率の記述はない
先日、TBSで放送されていた池上彰さんの番組「池上彰のニュース2016総決算!今そこにある7つの危機を考える!ニッポンが危ない」で、熊本地震のことにも触れていました。
ゴールデンタイムで『直下率』
耐震基準の変遷(へんせん)を説明し、旧耐震基準から新耐震基準になり、その後、2度の改定により、今に至っていることを説明します。
「強化新耐震基準」という言葉は初耳ですが、(そんな言葉、業界内でも使われてないのでは?)以下の基準を満たした内容のことを指します。現在、家を建てる際に満たしている基準と説明します。
ですが、熊本地震では、耐震基準を満たしていたにも関わらず、益城町の木造住宅の被害がこれだけあったと説明します。
これまでの常識が通用しないということで、”熊本地震”でわかった新事実として、『直下率』を取り上げます。
直下率とは1階と2階の柱や壁が同じ位置にある割合のことと説明し、直下率が高い建物と低い建物の比較をします。
そして、模型を使い、揺らしてみて、直下率の高い模型と低い模型の壊れやすさを比較します。
直下率の低い建物は見事に壊れ、
「直下率が高いと耐震性能が高い。」「直下率は柱50%、壁60%以上が望ましい。」というまとめで締めます。
まぁ、直下率だけが倒壊の原因ではないでしょうが、テレビ的にそうした方がわかりやすく煽りやすいってことを前提で捉えたほうがいいかと・・・
実際、建築基準法で直下率に関する規定はなく、直下率が低いからといって必ずしも耐震性が低いわけではありませんし、直下率が高いからといって必ずしも耐震性が高いわけではありません。直下率が高い場合に、耐震性が高い可能性があるということなので・・・
追記:熊本地震における建築物の耐震報告に関する情報
国土交通省国土技術政策総合研究所及び国立研究開発法人建築研究所において合同開催された「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」の報告書がとりまとめられていますが、「直下率」に関する記述は見つかりませんでした。
構造の専門家の「当たり前」を、業界の「当たり前」に
祝日のゴールデンタイムに「直下率」という言葉が出てきたのには、驚きましたね。直下率は、構造を勉強すれば、大事なのは一目瞭然なのですが、建築基準法や住宅性能表示制度にも規定がないので、重視されなかった部分ですね。直下率も細かいことを挙げれば、壁の直下率は、間仕切り壁の直下率以上に、耐力壁の直下率を重視したほうがいいでしょう。
直下率を意識したら、シンプルで整った建物になりやすいと思うのですが、打ち合わせで建主の要望をいわれるがままに詰め込む営業マンとか、憧れだけで奇抜さを求める建築士とか、いまだにいますからね。CADが進化して、診断してくれるようになっていますが、価格も高額ですから、持っていないところの方が多いのも事実。
地震に関しては解明できないことも多々あるでしょうが、対策としては今のところ、「耐える(耐震)」「抑える(制震)」「免れる(免震)」しかないので、地震大国だからこそ、構造の専門家の「当たり前」を、業界の「当たり前」にしたいですね。