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工務店は顧客を「お客“様”」と呼ばない方が良い理由
「お客さんをどう呼ぶか?」このテーマは結構奥深いですよ。
病院内で患者に「様」をつけて呼びはじめたら、患者の態度がどんどん横柄になっていき、対応を元に戻したら、その態度も戻ったという現象が起きたという事例もあるくらいですからね。
「様」をつけて呼びはじめたらどんどん態度が横柄になっていった
病院内で患者に「様」をつけて呼びはじめたら、患者の態度がどんどん横柄になっていき、対応を元に戻したら、その態度も戻ったという現象が起きているようですよ。
こないだ新聞に病院内で患者を様付けするようにしたらどんどん横柄になっていったので、対応を戻したら元に戻ったとかいう怖い社会実験みたいな話載ってたけど、近鉄の件でお客にご迷惑をおかけした車掌が悪いみたいな流れになってるの聞くと地獄感ある
病院内で患者に「様」をつけて呼びはじめたらどんどん態度が横柄
以前、アメリカのスタンフォード大学の実験の話を取り上げ、「環境や立場が人を変える」という話を書いたことがありますが、上記の「様付け」も同じ系統ですね。
[kanren postid=”20382″]個人的にわざわざ「様」つけるのが好きではないです。メールの冒頭に付けるくらいですね。ましてや、話し言葉では「お客様」なんて言わないですよ。建前だけで「様」付けしてもしょうがないし、「さん」付けで十分ですね。
なぜなら、対等だと思っているからです。「様」で呼ぶと横柄なるんですから、「さん」で十分ですよ。
でも、住宅業界では「様」付けが多いですよね。クチコミや紹介が起きないのって、こういうところも影響あるんじゃないでしょうか。今の時代、クチコミや紹介が起きやすい関係性って、上下より対等だと思いますよ。
様付けを止めて、さん付けで呼ぶ
歪んだ概念の一つですが、つくり手は住まい手の家を「○○様邸」などと呼ぶのは、何故なのでしょうか?「○○さんち」と呼ぶのはダメですか?それが一番自然だと思いますよ。つくり手と住まい手はいつもフラットな関係であるべきです。
でも、従来型の家づくりでは、つくり手と住まい手がフラットに付き合うのは難しいのです。
なぜなら、「商品」と「一生の買い物」という付き合い方だからです。表向きには「お金を出す人の言うことが絶対」としていて「様」付け呼ぶのですが、裏ではあーでもないこーでもないと思っているわけです。だから、嫌々ながらでも責任上、メンテナンスや保証でつながろうとしてしまうのです。
ですが、「家って何?」からいっしょに考えると、その両者の間には、利害や立場を超えた繋がりが生まれます。
みなさんは「消費者、生活者、顧客、ユーザー」のどの言葉を使っていますか?
それぐらい言葉の使い方って、大事だと思っています。
お客さんを表す言葉の使い方をテーマにした記事が、宣伝会議のアドタイで取り上げられていますので、紹介します。
消費者 | 商品・サービスを消費する人 |
生活者 | 生活する人。日々の暮らしを営む人。 また「生活」という観点から、人間をとらえた言葉。 |
顧客 | ひいきにしてくれる客。得意客。 |
ユーザー | 商品の使用者。利用者。 |
記事の中では、上記のように「消費者、生活者、顧客、ユーザー」の意味を取り上げています。ただ、一般的なので、住宅業界で使うのは顧客ぐらいでしょうか。
住宅業界での言葉は?
住宅業界だと、上記の言葉ではなく、「お客様」以外だと、
- 建築主
- 建主
- 施主
- 住み手
- 住まい手
- クライアント
などが使われますよね。
個人的には、冒頭の過去記事のように対等が良いと思っていますので、「施主、住み手、住まい手」ですね。「様」付けはもちろんしませんし、話し言葉で呼びかけるときも「(お)施主さん」だったりします。
「建築主、建主」は、お金を払って依頼するという、上目線の意味も感じやすいため、あまり使いたくないんですよね。「クライアント」はおんぶに抱っこみたいで頼りきりなイメージもあるので、こちらも使いたくないですね。
感情がないマーケティングの言葉
マーケティングでは「リスト」や「リード」「コンバージョン」などの言葉が使われます。元々英語だからというのもあるかもしれませんが、日本語に訳しても、これらの言葉には、感情が一切入っていないんですよね(笑)
何でだろう?と考えてみると、、、
どれだけ素晴らしいサービスや商品を提供をしていても、お客さん側から必ず見つけてもらえるとは限らないですし、リピートしてくれるとも限りません。ましてや、注文住宅にはリピートもないですし。
だから、お客さんを集めるためには、施策が必要ですよね。
施策の中には、上手くいくものもあれば、上手くいかないものもあります。他社では上手くいっても、自社では上手くいかない場合もあります。だから、上手くいくものは続けて費用対効果を高めたり、上手くいかないものは、見直すか、やめなければなりません。
その判断材料が、数字なんですよね。
例えば、見学会の集客でチラシを折り込んだけど、何度やっても散々な結果だったとしたら?また、見学会に来場があったはいいけど、すでに家に建てていたりとか、近所の人でどんな家なのかを見に来たとか、数字に反映されない施策なら、見直す必要があります。
その時の施策のやるやらない判断って、データ(数字)での判断なんですよね。成果が出たかどうか、感情のない客観的な判断が求められるんです。あれだけ頑張ったんだからなんて、感情的判断はいらないのです。
数字という土台の上に、目に見えない価値はある
小さな会社や組織・個人の場合、掛けられるお金も人手も限られていますし、能力も天才的に突出してはいないと思います。そして、何でもかんでも手は出せません。
だからこそ、成果が出る施策へ絞り込むための数字って大事ですよね。これは、客観的な判断をするための目に見える価値でもあります。
もちろん、以前取り上げた顧客価値のように数字では表せない部分もあります。
どちらが優先なのかというと、小さな会社や組織・個人の場合、まず数字です。
でも、小さな会社や組織・個人ほど、目を背けたがります。アクセス数にしても、見込み客数にしても、数が少ないので、メンタル的に目を背けたくなるんですよね・・・