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工務店の99%はいらないのだろうか?
先日、主催講座の延長戦で、参加者の工務店の社長から、こんな話が・・・
「芸能界って、ポジショニングの塊ですね。」
芸能人の場合、能力に加え、唯一無二の存在であることが評価に繋がったりしますよね。たしかに、芸能界は、ポジショニングの塊だなとつくづく思います。
ポジショニング=差別化
ポジショニングとは、簡単に言えば、「差別化」です。
ポジショニングとは、自社のビジネスや特定ブランドを顧客のニーズに合わせると同時に,競争企業あるいは競争ブランドと十分に差別を行ないながら顧客の記憶の中にユニークに位置づけること。
あえてキャラで演じている人もいれば、天性の感覚の人もいるでしょう。被ることを嫌う人が大半ですが、あえて、似てる感を出す人もいます。
「あの人の代わりはいない」
能力に加え、唯一無二の存在であることが、評価されるわけです。
あの元芸能人も、ポジショニングを意識していた!
うろ覚えなのですが、昔、いろいろあって芸能界を引退された、島田紳助さんの「自己プロデュース力」を読んだことがあります。
たしか、その中で書かれてたと思うのですが、
紳助さんが若手の頃、漫才は漫才ブームで飽和した状態でした。その中で、先輩方と同じことをやってもダメだと感じ、万人受けではなく、ヤンキー向け漫才に絞り込みます。
なぜ、ヤンキー向けなのかというと、紳助さん自身が元ヤンキーなので、ヤンキーの気持ちなら他の人たちよりもわかる。という視点からです。ヤンキー向け、ヤンチャな若い世代向けにポジションを取っていきます。
その後、ダウンタウンという、若手が出てきます。
紳助さんはこの二人の漫才を見たときに、「勝てない」と確信されたようです。確かインタビューでももらしてましたね。そこで紳助さんは、自分のポジショニングを見直し、司会業へと進むのでした。
「歌のトップテン」という和田アキ子さんとの歌番組の司会をはじめ、バラエティ番組の司会をこなしていきます。
そのバラエティ番組の司会の少し後ぐらいに、手を伸ばしていったのが、経済番組です。「サンデープロジェクト」という生放送の報道・政治討論番組です。
噂話ですが、ライバルでもある、明石家さんまさん・ビートたけしさんとの、お笑いのポジション(芸能界のポジション)を考えたとき、
- さんまさん=スポーツ
- たけしさん=芸術や科学などの知的分野
だから、「自分は経済・政治に行こう」と思った。なんて話もあるぐらいです。
島田紳助さんを好きな人も嫌いな人もいるでしょうが、自分のブランディングを磨きたい人にとっては、学べる要素はたくさんありますよ。
工務店にも必要なポジショニング
リピートのない注文住宅では、集客においても、このポジショニングは外せません。広告などの集客方法以前に、ここが定まっていないと、やること全て効果は半減します。
ですが、じゃあポジションニングだけ、出きてれば、後は大丈夫?・・・というわけでもありません。
代わりはいなくても成り立つという現実もある
確かに芸能界は、個性の塊で、唯一無二の存在がたくさんいます。ですが、その存在が一人いなくなったところで、ニュースや話題にはなるけど、場は成り立っていきます。というか、成り立つよう周りがコントロールしていくんですよね。
「代わりがいない」という存在にならないといけないど、代わりがいなくても成り立つ環境ができあがってしまうんです。
紳助さんに限らず、謹慎中のNON STYLE井上さんや狩野英孝さんもそうです。面白くて、唯一無二の存在で「代わりはいない」と言われてたとしても、いなくても成り立つ環境が出来上がっていくんですよね。
建築でも、世界的に影響力のある建築家が亡くなったとしても、建築の世界は成り立ち、止まらず動いています。
それらを考えたら、飽和している住宅業界も同じで、似たり寄ったりなんていらないわけです。まだ商圏の区切りがある分、存在の在り方は、芸能界よりは厳しくはないでしょう。でも代わりはいます。
例えば、年間20棟建てている住宅会社がいなくなったとしても、その20棟は周りに分散されます。周りの会社は急に棟数が増えても多少ならまかなえます。そもそも家は既製品の組み合わせですから、他の会社でも、あなたと同じような家を建てることは可能でしょう。
また、個人レベルでみても、この仕事は自分にしかできないと思っていたとしても、いなくなっても成り立っていきます。成り立つよう周りが調整していくんですよね。
なんだか「99%の会社はいらない」という言葉が胸に刺さります(笑)
本当に工務店の99%はいらないのだろうか?
まぁ、いらないでしょうね・・・
99%の工務店が市場から淘汰されるというのは過激な表現かもしれませんが、現代の住宅市場は非常に競争が激しく、工務店にとっては生き残りをかけた戦いと言えます。
このような環境の中で、ただ存在するだけでは不十分です。工務店の経営者として、自社の特徴を際立たせ、顧客にとって魅力的な理由を提供することが必要です。それがなければ、多くの工務店が生き残ることは難しいでしょう。常に市場を見渡し、自社の強みを活かしながら、新しい価値を提供し続けることが、成功への鍵となります。