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工務店は「ショールームに来る理由」を作らなければならない理由
住宅系は、ネットだけで完結するビジネスでないわけですし、リアルの魅力がないと、やはり成果には繋がりません。
見せるだけのショールームは時代遅れ
ショールームと言えば、モデルハウスを持たない工務店以外に、建材会社も自社の建材を展示するショールームを持っていたりします。
これまで色々な工務店のショールームを見てきましたが、もう、設備カタログや建材カタログのように、ただ見せるだけのショールームは時代遅れですよ。ちょっとオシャレなインテリアを取り入れたからって、大したことありません。
モデルハウスとは違い、家の形を想像できないショールームは今、中途半端な存在になってしまってるんです。
そもそも、モデルハウスせよショールームにせよ、場をつくるのは、自分たちの存在を知ってもらって、いざ家を建てるとなったとき、声を掛けてもらえるようにすることだったり、集客のためですよね?
だったら、まずモデルハウスやショールームをつくる時から、体験に巻き込んだ方が良いわけです。完成してからお披露目するのではなく、出来上がりの過程を一緒に体験するということです。
体験の方法は色々ありますが、わかりやすいのはDIYでしょう。塗ったり、つくったり、貼ったり・・・家を建てる時の楽しさやワクワク感を体験させることで、その感覚をお客さんと共有するってことです。
完成後は、ワークショップをして巻き込んでいきましょう。塗ったり、つくったり、貼ったり、簡単にできることはたくさんあります。ショールーム自体を実験所みたいな場所にして、ワークショップを通じて、常に作り込んでいくような仕掛けがあってもいいですよね。
ワークショップ的な仕掛けは、何も今に始まったものではなく、10年以上も前からあることです。でも、大半の会社は
- 面倒くさい。
- 今すぐ客にならない。
- つまらない。
など理由にやらないですし、やっても続きません。
ワークショップには、認知や集客という目的はありますが、最も大事なのは、信用を築くことです。
そりゃ、面倒くさがってたら、無理でしょう。今すぐ売りこもうと思ってら、引かれるでしょう。楽しんでなきゃ、続かないでしょう。
こういった、一方的に取り組むのではない、見込み客や施主を参加させ、巻き込みながらつくるやり方って、お客さんとの関係が対等でないと実現が難しいんですよね。
対等でないと、上辺だけになりやすいです。さくっと言ってしまえば、「お客様」と様付けで呼んでいるようでは、本当の意味での「巻き込み」は実現できないのです。
モデルハウスは建てた方がいいのかどうか?
たまに、 「モデルハウスは建てた方がいいのかどうか?」 という質問を頂くことがありますが、建てる建てないで言ったら、 建てた方がいいです。 別に常設でなく、 後で販売する建売パターンでもいいので。
建てた方が良い理由は、 「体験できる」から。これにつきます。
毎月見学会できるぐらいならいらないかもしれませんが、見学会ができる回数も限られてて、コンセプトが明確な個性ある家を建ててるなら、なおさらです。
最近は、住宅業界でも「体験」が重要視され始めて、合同で展示場出店したり、宿泊体験できる展示場だったりと、チカラをいれてるところもお見かけします。
ですが、「ただ建てればいい」というものでもなかったりします。つまらない展示場やモデルハウスを建てても、効果がないことは証明されていますからね。
大事なポイントは、上記と同じで「巻き込む」ことです。
多くの人が「場=見せるもの」だと思っているんですよね。この感覚は遅れてますよ。今や場の在り方は、視覚化から体験化へとシフトしてきています。
実際、モノづくりがベースになっているところは、体験を取り入れた場所をつくり始めています。そのことを考えると、ただ小綺麗に飾ったショールームはもう時代遅れですよ。
ショールームに来る「理由をつくる」しかない。
今回相談を受けたのは工務店ではなく、建材会社での話。建材会社のショールームも、大抵どこも集客に困っています。
企画会社とWEB会社が参加しての打ち合わせでしたが、WEB会社の方の建築素人感覚でも「ショールームって必要なんですか?」という素朴な疑問も出るくらいですから、時代遅れのビジネスモデルなのは否めません。
ただ、それが通じた時代を経てのことなので、今更それをツッコんでも、どうしようもできないほど頑固な経営脳です。そしてそれに従う多くの従業員の中で、異端児的に時代遅れのビジネスモデルを壊そうとしても、無理な話です。経営者が変われば別ですが、相談者はあくまでも会社員ですからね・・・
つまり、リフォームやリノベーションみたいに、決められたハード(大枠)の中で、どう再生するかしか手段がないわけです。
そうなると、大きな答えは「理由をつくる」しかありません。つまり、ショールームに来るための理由をつくるってことです。
細かい話は割愛しますが、建材というモノでは「来る理由」に成り得ないんですよね。建材は一品物ではないですし、競合にも同等品がある以上、差別化できる価値にはなりません。
一番簡単な理由付けは「人」であり、下記の様に、コンシェルジュ的な相談者がいることも、来る理由をつくることの一つになります。これはこれで、「人」そのものの魅力に大きく影響してきますが・・・
ただ、、、リアルの魅力の充実さを考えていくと、「場」があることって、武器にはなるんですよね。行動が伴う話ですが、(他人に迷惑をかけない)弱みって、視点を変えることで、強みに変えられるんですよ。
工務店は「ショールームに来る理由」をどのように作ればいいのか?
体験重視の工務店ショールーム
工務店のショールームを単なる展示空間から、実際の住まいづくりを体験できる場所へと変革することが重要です。例えば、来場者が直接参加できるワークショップを開催します。仮設の壁を設け、そこで来場者が実際に塗装や装飾を試すことができるようにするのです。このような活動は、単に見るだけの体験を超え、来場者に家づくりのプロセスに直接関与する機会を提供します。塗装や壁紙の選択、照明の配置など、家作りの各ステップを実際に体験することで、来場者は自分の家に何が必要かをより深く理解することができます。
イベントとコラボレーション
ショールームを単なる商品の展示場から、地域コミュニティの一部として活用することも重要です。地域のイベントやアートの展示会とのコラボレーションを行い、ショールームを文化的な交流の場として設定します。地元のアーティストによるアート展示、地域の歴史に関する展示、または地元の手工芸品の販売など、さまざまなイベントを企画することで、ショールームは地域社会の一員としての役割を果たすことができます。これにより、地域住民が自然とショールームに足を運び、同時に工務店のサービスにも関心を持つようになります。
テクノロジーの活用
バーチャルリアリティ(VR)技術を活用し、来場者にまだ建設されていない家の内部をバーチャルで歩き回る体験を提供することは、現代のショールームにおいて非常に魅力的です。VR体験を通じて、来場者は自分が建設を考えている家を具体的に想像できます。これは特に、家の設計段階において、来場者に異なる設計オプションを視覚的に示す強力なツールとなります。また、VR技術を使用することで、来場者は自分の家の様々な側面をカスタマイズする楽しさを体験できます。
来場者が自分の好みやニーズに合わせて、仮想的な家のデザインを行えるようなインタラクティブな展示は、ショールームの魅力を大幅に向上させます。タッチスクリーンやインタラクティブなディスプレイを使用して、来場者は自分だけの家をデザインする体験をすることができます。これにより、来場者は自分の好みやスタイルに合わせて、部屋の色、家具の配置、照明の選択などを行うことができ、自分だけの家づくりに対する興味を深めます。
教育的なセミナーの開催
住宅に関する知識を深めるためのセミナーやワークショップを定期的に開催することも、ショールームの価値を高める重要な要素です。これらのセミナーは、家づくりの基本から最新の建築トレンド、持続可能な住宅設計に関するものまで、多岐にわたるテーマを扱うことができます。教育的なセミナーは、来場者にとって有益な情報源となり、工務店との信頼関係を築くのに役立ちます。さらに、これらのセミナーは来場者が自分たちの家づくりにおいてより賢明な決定を下すのに役立ちます。