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住宅業界の長時間労働はなくならない
「長時間労働をやめることが、日本のさまざまな問題の解決につながる」
そう唱えているのは、
株式会社ワーク・ライフバランス 代表の小室淑恵さん。
まずはこちらの映像を観ていただきたいのです。
映像を観ながら、いろいろと思い当たる節が多く、耳痛く、聞いていました。長時間労働が当たり前でもある、工務店や設計事務所で働く方なら、この気持ちわかっていただけるのではないでしょうか。
映像の冒頭は、彼女自身の子育ての話から少子化問題に触れ、長時間労働が家庭に与えるダメージや、ビジネスそのものにも悪影響を与えていることをお話されています。
「今の日本の企業は(働く)時間をかければかけるほど、むしろ成果が落ちて行くという負のスパイラルにはまりこんでいる。60時間以上残業する人は、日本が世界で最も多い。しかし、1人あたりで生みだしている付加価値は、なんと先進国で最下位。」
「私生活が少なければ少ないほど、体験によるインプットが減る。アイデアもないのにそれを持ち寄って会議してひっくり返しても、(いいアイデアは)何も出ない。だから会議が長引き、貧困なアイデアが出て、売れない。帰れない。ぐるぐるぐるぐる繰り返しているわけです。」
そして、介護の話にも踏み込みながら、長時間労働についてのデメリットや、それをやめた場合のメリットについて、お話をされています。
プレゼンは、理想論な部分も多く含まれるし、労働時間を減らした分、少ない時間でより濃く活動しなければならないことが示唆されているのですが、そういったあげあしを取るのは意味がなく、キーポイントはこのアイデアなのです。
小室氏の「長時間労働をやめる」というアイデアを聞いていただき、工務店の働き方を今一度考えてみてはいかがでしょうか?
住宅業界の長時間労働がなくならない理由
上記の話は、2012年頃ですが、今現在、住宅業界や工務店業界はどうでしょうか?
例えば、工務店の場合だと、
工務店における長時間労働の原因
では、なぜ工務店では長時間労働がなくならないのでしょうか? その理由はいくつかありますが、主なものは次の通りです。
- 業務の特性:工務店の仕事は、設計から施工、アフターフォローまで幅広い業務を行います。これらの業務は専門性が求められ、一人で全てをこなすのは困難です。しかし、人手不足やコスト削減のために一人あたりの業務量が増え、結果的に長時間労働につながっています。
- クライアントの要望:工務店のクライアントは、自分たちの理想を形にするために高い要求をします。これに応えるためには、細部にわたる打ち合わせや調整が必要で、これが長時間労働を生む一因となっています。
- 文化と慣習:日本の労働文化は、長時間労働が美徳とされる傾向があります。これは工務店にも当てはまり、長時間働くことが当然とされている場合が多いです。
長時間労働を改善するためには?
長時間労働の問題を解決するためには、何が必要でしょうか? 小室さんは、労働時間を減らした分、少ない時間でより濃く活動することを提案しています。これは、効率的な働き方を模索することを意味します。
- 業務の見直し:業務の効率化や分担を見直すことで、一人あたりの業務量を減らすことが可能です。また、必要な業務だけを行い、無駄な業務を削減することも重要です。
- クライアントとのコミュニケーション:クライアントの要望に対して、現実的な提案をすることで、無理な要求を避けることができます。また、クライアントにも働き方改革の必要性を理解してもらうことも重要です。
- 文化の変革:長時間労働が美徳とされる文化を変えることは容易ではありませんが、必要な取り組みです。健康や家庭生活を大切にする文化を育てることで、長時間労働を減らすことができます。
長時間労働がなくならない理由を理解し、それを解決するための提案を考えることで、新たな働き方を模索することが可能ですが、なくならないでしょうね。