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商品改善しない工務店は、他社依存に走り、廃れやすくなる。
家づくりにおいて、「商品」という言葉を使うと、異議を唱える人が一定層いますが、その気持ちはわかります。
個人的にも昔は、注文住宅は自由設計で提案していくため、商品という言葉は使ってなかったですし、施主に向けてもそういう言葉遣いはしていません。
ただ、この指摘に対してはこんな風に考えています。
「もし経営が上手くいっていない(儲かっていない)のなら、提案している住宅を「商品」と捉えていないからかもしれない」ということです。
どの業界の上手くいってる会社も商品改善はしている。
他の業界の上手くいってる会社を見れば、わかりやすいですが、商品改善は必ずしています。新商品だけでなく、たとえ売れ続けている商品であっても、中身は定期的にアップグレードしています。
なので、上手くいっていない場合、「商品改善」をしていない可能性が非常に高いと思われます。特に、どんな家づくりなのか差別化しにくい、ふわっとした注文住宅を手掛けているところほど、その可能性は高いです。
・・・と言うと、「改善してるよ」と反論があったりします。「断熱性や耐震性を性能面を向上してる」とか。
いや、、、性能の向上はメンテナンスみたいなものなので、急激に売れるなんてことはないです。すでに売れていて、性能の向上をするならわかりますが、売れていない商品の性能面を向上したところで、結果はついてこないでしょう…
また、商品力を上げるために、「●●のFCに加盟した」とか、「●●のパッケージ商品を導入した」とかもありますが、それは単にメニュー数を増やしているか、入れ替えているだけです。利益の根源を他社に依存しているだけで、根本的な改善にはなっていません。
代理店業をするなら、それでも構いませんが、地域に根ざした「家づくり」という部分を充実させたいのであれば、「自分たちの家づくり」は持っておくべきでしょう。
また、一昔前は、FCの本部が考えたコンセプトを、他社である地域工務店が語っても、通じた時代でしたが、化けの皮がどんどん剥がれてくる現代においては、そういう他人の言葉が届くのは、情報弱者ぐらいでしょう。
売れ続ける企業って、利益を根源を何かに依存するのではなくて、結局、「開発とアップデート」が上手いんですよ。
どんな施策も上手くいくものもあれば、上手くいかないものもある
「この方法を取りいれたから、必ず上手くいく」「この商品を扱うのだから、必ず上手くいく」という考えは非常に危険です。
集客にしたって、商品にしたって、成果を出すためには、それなりの施策を打つことが必要になります。当然、施策には上手くいくものもあれば、上手くいかないものもあります。
そして、上手くいかないのであれば、止めるという判断が必要になります。上手くいっているか、いっていないかを判断するは、数字ですよね?
例えば、受注しても全然会社に利益が残らないような商品であれば、その施策は止めないといけませんよね?
ここに「提案する住宅」ではなく「商品」と呼ぶ理由があります。
「商品」と呼ぶ理由
商品としてカテゴライズできてないと、改善の線引があいまいになります。
設計力が高く、アイデア豊富な建築家であれば、自分自身が商品なので、そんなこと考える必要はありません。
ですが、大半の工務店は、建築家ほど設計力が高いわけでもなく、アイデアが豊富なわけでもありません。なので、「商品」というルールの中で自由さを設けた方がやりやすくなります。
以前、このルールを排除して、工務店に浸透させようと試みましたが、ほとんどの工務店は無理でした。「提案」というふわっとした言葉でごまかしてしまうと、センスや感性頼りになるので、設計だけで食べていけるぐらいの能力がないと、難しいんですよね。
つまり、商品のアップデートというより、自分自身のアップデートに視点がいくので、非常に時間の掛かる話になります。
また、「提案」というふわっとした言葉でごまかしてしまうと、大した利益が取れていなくても、お客さんが喜んでいるからといって、止められないという流れに陥ります。商品としての線引がないとこうなってしまいます。
合理的に考えられる経営者なら、次回のお客さんから、値上げしたりしますが、大半の工務店経営者はそういうことができないんですよ。
商品として割り切れば、原価と利益を追求することができますし、何よりそれは経営者にしかできない仕事です。(小規模の工務店の場合は特に)
ちなみに、従業員は「商品」と呼ばせなくてもいいです。経営者の中でちゃんとカテゴライズできてればいいんです。
「商品」として可視化し、利益を根源をできるかぎりコントロールできる状態にしておく。そして、価値や魅力をアップデートし、集客しやすい状態にしておく。
結局、商品改善できないと、他社依存に走り、企業としては弱くなり、廃れやすくなっていくのです。