2.5世帯住宅は、ライフスタイルとパラサイトシングルの理解を乗り越えられるか?

2012年頃から、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)が提唱している「2.5世帯住宅」

2.5世帯住宅とは、親世帯と子世帯が一緒に暮らす従来の2世帯住宅に、0.5世帯となる単身の兄弟(姉妹)も一緒に暮らせるスペースを設けた住宅で、2012年の8月に旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)が提唱している提案です。

概要としては、以下のように述べられています。

  • 2.5世帯住宅は、晩婚化や未婚率、離婚率の上昇により、実家に住む単身者が増えてきたことから、一般的な2世帯住宅に子世帯の兄弟姉妹が同居する形態が生まれたものです。
  • 2.5世帯住宅は、親世帯と子世帯、そして単身者がそれぞれのプライバシーを保ちながら、共同生活を送ることができるため、家事や子育ての負担を分担することができます。
  • 2.5世帯住宅は、親世帯と子世帯、そして単身者がそれぞれの生活スタイルに合わせた間取りを設計する必要があります。そのため、多様な間取りが提供されています。
  • 2.5世帯住宅は、親世帯と子世帯、そして単身者が共同で住むため、建築費用やランニングコストが抑えられるというメリットがあります。

簡単に言えば、「家族内にいる独身者も一緒に暮らす」ということ。

2.5世帯住宅は、ライフスタイルとパラサイトシングルの理解を乗り越えられるか?
2.5世帯住宅 | ヘーベルハウスの二世帯住宅シリーズ – 旭化成
目次

2.5世帯住宅が一定層に受け止められそうな理由

全部が全部、2.5世帯住宅になることはないでしょうが、それでも一定層には受け止められると思います。なぜなら、

  • 晩婚・非婚化の流れや、離婚増加という社会的な背景がある
  • 団塊世代は、晩婚・離婚化に理解のある親が多く、子どもにとって居心地が良い

家族構成の多様化で、コミュニケーションが円滑になったり、お互いにバックアップできるため、2世帯住宅に比べ女性の就業率が高くなるというメリットもあります。

そして、面白い理由がこちら↓

「シングル女性の存在が、嫁と姑が直接的に対峙するシーンを減らし、時には、嫁と姑の両方のグチを聞くなど、第三者的立場で各人のストレスの軽減に貢献しているようです。シングル女性は、そうした気遣いをすることで自身が家族の一員であることを再確認できる。補完的な関係を築いているといえます」

(旭化成ホームズ株式会社・松本さん)

嫁と姑で1対1になりにくく、グチを聞いてくれるから、ストレスの軽減になる。とのこと。・・・やはり、最後は人と人なんですね。

課題は、ライフスタイルとパラサイトシングルの理解

それぞれのライフスタイル観があえばいいですが、価値観が合わない住宅だったりすると・・・「こんなの家じゃない!」なんて声もでてきます。さらには、“パラサイトシングル”への理解が必要になってきます。

「パラサイトシングル」とは、学卒後も親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者を指す言葉です。この言葉は、1997年に山田昌弘氏が使い始めた造語で、親を宿主として寄生しているように見えることから名付けられました。日本の若者の就職難や、企業の雇用形態の変化などが原因で、パラサイトシングルが増加しているとされています。未婚女性に対しては、特に否定的な意味合いで使われることが多いようです。

https://en.wikipedia.org/wiki/Parasite_single
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB
https://kotobank.jp/word/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB-186728
https://womanslabo.com/marketing-20190108-3
http://web.tku.ac.jp/~takaira/HP/book/parasite.html

自分だけ結婚していない・・・たとえ結婚願望がなかったとしても・・・結構、精神的にきますよね・・・さらに、よくよく言葉遣いを考えると・・・実家の独身者である単身の兄弟(姉妹)は1ではなく0.5扱いされてるんですよね・・・

2015/2/2 尾木 直樹 (著)
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2.5世帯住宅に工務店も対応した方がいいだろうか?

新しい住宅形態として注目を集めている「2.5世帯住宅」。では、工務店としては、この新しい住宅形態にどのように対応すべきなのでしょうか?

まず、2.5世帯住宅の特性とメリットを理解することが重要です。これは、家族間のコミュニケーションを促進し、同時にプライバシーを保つことを可能にする新しい住宅形態です。また、建築費の分担や家事・育児の協力、相続問題への対応など、多くのメリットがあります。

次に、地域内での2.5世帯住宅の需要があるかどうかを見極める必要があります。社会的な背景として、晩婚・非婚化の流れや離婚増加があり、これらの背景から、2.5世帯住宅の需要は一定の層に存在すると考えられますが、それは地域によって異なるでしょう。

さらに、2.5世帯住宅の設計には、特別な配慮が必要です。0.5世帯の快適性を追求し、プライバシーの確保と家族間のコミュニケーションを両立させる工夫が求められます。また、将来の家族の増減に対応する設計も重要となります。

しかし、一方で、2.5世帯住宅に対する理解が深まるにつれて、新たな課題も浮上してきます。それぞれのライフスタイル観の違いや、「パラサイトシングル」への理解など、新しい住宅形態に対する理解を深めることが求められます。

以上のことを考慮すると、2.5世帯住宅に対応することは、工務店経営にとって新たなビジネスチャンスとなる可能性があります。しかし、そのためには、新しい住宅形態に対する理解を深め、顧客のニーズを正確に把握し、適切な設計と提案を行う能力が求められます。

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