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工務店は、間仕切り壁一つでも、住まい手と一緒考えていく時間を増やしていった方が良い
スウェーデンのヴィトラ・スクールが面白い取り組みをしています。教室の間仕切りがなく、時間割もないというもの。
壁のない学校: スウェーデンの革命的なヴィトラ学習スペース
自由に遊べる空間と、自由に組み合わせられる時間割。子どもたちの「禁じられた夢」のような学校が、しかし、現実に存在する。スウェーデンのヴィトラ・スクールではいま、8,500人以上の生徒が学んでいる。
スウェーデンの、教室も時間割もない学校
その学校の哲学は、「用途が定義されていない空間で、子どもたちを自由にさせておく」というで、対象年齢は6歳から16歳までの子どもたちとのことです。
自由の中でも学校で提案される活動は、6つの約束を元に尊重されています。
- 彼らの生来の素質を伸ばすのに適したアプローチを見つけること。
- 学習に実際の体験を伴わせること。
- 好奇心を刺激することによって、それぞれの生徒が自分なりの学習法を用いるよう促すこと。
- 全ての生徒の能力を心から信じて、彼らのあらゆる質問を真剣に受け止めること。
- コミュニケーションを取り、常に他者を尊重して作業をすることを教えること。
- 早期から英語を教えて文化交流を促進することで、可能なかぎり国際的な学習の基礎を提供すること。
自由の中で考えさせて、住むチカラを付けさせる!
上記の記事は教育の話で、自分たちで考え、決めていくチカラを付けさせる内容ですが、「チカラを付けさせる」ってことは、今後住宅にも必要とされる考え方だと思っています。
間仕切り壁をあれこれ作って、部屋を区切るの簡単です。でも、それだと住まい手に「住むチカラ」が身につかないのです。
だから、あえてオープンな空間をつくり、「その中をどう使っていくか?」を、作り手と住まい手が一緒考えていく時間が必要ですね。例えば、30坪はほしいと考えていた住まい手が、住むチカラを身につけることで、27坪でも十分な暮らしができるなら、コストダウンにもなります。
作り手と住まい手が一緒考えていく時間、これこそが「家づくりの価値」だと感じています。
でも、力のない工務店ほど一方的に作り込んでしまうんですよね。
工務店は、住まい手と一緒考えていく時間を、どのように作るべきか?
スウェーデンのヴィトラ・スクールのように、壁を取り払い、自由な学びの空間を提供する考え方は、住宅づくりにも応用できる重要な哲学です。工務店として、住まい手と一緒に考え、共同で家づくりを進める時間をどう作るかは、今後の住宅業界における重要な課題となります。以下、その方法についていくつかの提案をします。
オープンなコミュニケーションの確立: 住まい手との信頼関係を築くために、透明性と開かれたコミュニケーションが必要です。定期的なミーティングやオンラインでの連絡手段を活用し、住まい手の意見や要望を真剣に受け止めることが重要です。
共同設計のプロセス: 住まい手自身が家づくりに参加するプロセスを提供することで、彼らの「住むチカラ」を引き出すことができます。共同設計のワークショップや、3Dモデリングツールを使った共同作業などが効果的です。
教育とサポート: 住まい手が自分たちの住空間について深く考え、意識的な選択をするためには、必要な知識とサポートが求められます。セミナーやワークショップを開催し、住まい手に必要な情報を提供することが有効です。
柔軟なプランニング: 住まい手のライフスタイルや価値観に合わせた柔軟なプランニングが求められます。オープンな空間の活用や、必要に応じた間仕切りの提案など、住まい手のニーズに応じた提案が重要です。
持続的な関係の構築: 家づくりは一度きりのプロジェクトではなく、長期的な関係を築くプロセスです。アフターサービスや定期的なフォローアップを通じて、住まい手との関係を深化させることが重要です。
このような取り組みを通じて、工務店と住まい手が一緒に考え、共同で家づくりを進める新しい形の住宅づくりが可能になります。スウェーデンのヴィトラ・スクールの教育哲学から学ぶことで、より人間中心の、持続可能で価値ある住宅づくりへの道が開かれるでしょう。