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なぜ専門企業が、広く浅くの家づくり支援サイト(ポータルサイト)に手を出したがるのか?
最近、家づくり系のソーシャルサービスがリリースされることが多いですね。ですが、後発組であっても、基本的な内容で留まっているんです…
家を建てるなど、商圏が限られるリアルなビジネスとは違い、ネットなので商圏の境目がないことです。
ということは、先に市場を獲得しやすい先行者がすごく優位です。また、先行者がリリースするは、ベタで基本的な内容が多いので、数件出てくれば、事足りてしまいますし、下手したら1サービスで、市場を制圧することだってあります。
なのに、後発組が似たようなサービスをリリースするのは、残念でなりません。
タイル会社が始めた家づくり支援サイト
家づくり支援サイト「HouseNote(ハウスノート)」がオープンされました。
タイルライフ株式会社(本社:大阪府岸和田市、代表取締役:坪田充弘)は、「家づくりを楽しもう」をコンセプトに、今までにない家づくり支援サイトとして、約3ヶ月のテストマーケティング期間を経て、「HouseNote(ハウスノート)」の正式版を5月15日にリリースします。
住まいの写真でつながる新感覚ソーシャルネットワーク新オープン
こういう感じのポータルサイトは、似たようなものがいくつかあるのですが、それらとどう違うのでしょうか?
このサイトを運営しているタイルライフ社は、アウトレットのタイル商品を扱うECサイト「TileLife(タイルライフ)」も運営しています。
なぜタイルに特化しなかったのだろうか?
タイルにおいてのノウハウはしっかり蓄積されていると思うのですが、なぜそれを今回のサービスに活かさないのかが不思議です。
似たようなサービスはすでにいくつも出てきていたわけですから、タイルの分野にグッと絞り込んで、特化したサイトにすれば、競合はいなかったのですが・・・しかも、その絞り込みを支えるだけの(タイルの)ノウハウは持っているはずです。
facebook上に、『HouseNoteをつくった訳』が載っていましたので、転載させていただきます。
2014年5月15日 7:50HouseNoteをつくった訳どのぐらいの方が、家づくりを楽しめたのだろう?
インターネットの質問サイトでは建築業者とのトラブル相談が、あいかわらず後を絶たない。
一生で最大ともいえる買い物を、どのぐらいの方が楽しむことができたのだろう?
そんなことを、ずっと考えた。
私は建材メーカーに勤めていたので、少しは建築についての知識はあるが、いざ家を建てるとわからないことだらけ。
その中で期限をきめられて家の仕様を決めなければならない。
宿題を出されているようで少々苦痛に感じた。
予備知識が少ない一般の方の場合は、もっと大変なはず。
土地や物件探しに奔走し、決まれば、家の色々な事を短期間に決めていく。
考えることが多く妻も必死、子供はぐずる。少し中断したくもなった。
しかし、できれば後から振り返って、良い思い出にしたかった。
大変だったことが良い思い出になるには、家づくりの過程も大きく影響するのだと思う。
家の出来栄えは当然として。
私の場合は、住む場所優先で選んだ物件が、建築条件付のハウスメーカーの分譲だったので、建築業者さん選びで迷うことは無かった。
家の出来栄えにも特に不満は無い。
ただ、家づくりの過程には、いまひとつ良い記憶が無い。
引っ越しが終わり、ご近所づきあいが始まると同じような家なのに満足している方と不満を残したままの方がいることを知った。
不満な方は、家の出来栄え云々ではなく、ほぼハウスメーカーの担当者について不満を口にした。
これはハウスメーカーが悪いという話ではない。念のため。
私たちの分譲地は入居がほぼ同時期なので、ひとりのハウスメーカーの担当者が複数の物件を受け持っていた。
不思議なことに話を聞く方によって、同じ担当者の評価が全く違うのだ。
当たり前のことながら、人には相性がある。
家づくりにおいて、この相性の合う・合わないは、非常に重要だと建築家の方から聞いたことがある。
不満を漏らす近所の方は、恐らく担当者との相性が合わなかったことが根本にあるのだと思う。
我が家の場合も、担当者との相性が良かったとは言えないケースだった。
家という一生で最大の買い物を限られた時間内に完了させるミッションは、そう何度も経験しないはず。
出来れば、そのミッションを楽しくクリアして欲しいと切に願う。
満足できる家づくりのために。
住宅産業はクレーム産業と揶揄されることも多い。
家一軒の部品の数は6万点とも言われ、自動車の約3万点と比べるとその多さがわかる。
住宅はその大量の部品を、異なる土地で異なるメンバーが、異なる仕様で組み立てる単品生産。言わば、究極のオーダーメード品。
ひとつの工場で大量生産する自動車とは違う家づくりの難しさがある。
この課題をクリアするため、住宅産業はできるだけ家を規格化しようとした。
大量生産と品質の安定に成功し、効率的な住宅供給を可能にした。
ただ、早く家を建てることができるようになった一方で、時間をかけてでもこだわりたいニーズには対応が難しくもなった。
家の建て方は、人それぞれ。
建売を購入するもいれば、こだわった注文建築の人もいる。
中には、セルフビルドで建ててしまう人もいる。
ただ、ほとんどの場合は、良い土地が見つかるとかをきっかけに、ある日突然、家づくりがスタートする。
急いで、間取りや家の形を考えだす。
コストも気になるが、できるだけ理想に近づけたい。
建築業者に想いを伝えても、イメージに近いプランが出てこない。
仕方なく自分たちで考えるため情報を集める。
溢れる情報を目にして余計に迷う・・・
好ましくないケースはこんな感じでしょうか。
何十年も使い続ける家なので、できればもっとじっくり考えたいが、普通に家を建てようとすると、上記のような好ましくないケースのように時間的な余裕がないのが現状。
であれば、ある日突然家づくりがスタートする前にその練習すればよい。
そう、家をつくる練習。
家をつくると言っても実際に家を建てるのではなく、理想の住空間をイメージして、それをプロに伝えて形にするスキルを磨く練習。
それには、日頃からどう暮らしたいのかを考えてみたり、家づくりを身近に感じることから始める。
最近は、中古物件を自分の生活スタイルに合わせた大胆な家にリノベーションする人なども増えてきている。
これらの方は、日常的に暮らし方をイメージし、自分の中に判断の軸のようなものがあって、自然に情報を収集しているのだと思う。
HouseNoteは、この練習の場になって欲しいと思う。
意識的な練習でなく、自然体で。
写真を見るという行為を通して、家づくりの情報に自然に接する。
始めるのも、できるだけ早い時期がいい。
インテリアが好きな方なら、学生の頃からでも家づくりをイメージする。
大人になって家づくりをしたなら、その貴重な経験をシェアして欲しい。
「家のつくり方」は誰も教えてくれない。
皆で生の声を共有し、家づくりのスキルを磨く。
そして、イメージを形にする時間を楽しんで欲しい。
この熱い思いを、タイルというフィルタを通して、発信してほしかったですね。タイルの上手い使い方は、まだまだ一般の方には浸透していないからです。
自然素材とタイルの組み合わせや、外壁にタイルを使った外観、タイルと似合うインテリアなど、建築家やセンスのいい施主からタイル関連のアイデアを集め、共有できるサイトにしてしまえば、かなり内容の濃いサイトになりそうです。
それでもって、これまで行っているタイル販売へ繋げたほうが、関わる人皆、いい方向へ行くと思うのですが…これまでタイルで培ったノウハウを上手く活かしてほしいです。これからの進化に期待しています。
ちなみに、この方法って、他の建材でも使えますよ。
畳とか、漆喰とか、DIYとか、絞り込んで発信して行く方が、基本的な内容ではカバーできない、より濃いレベルの内容が集まりやすいです。
これを、地域の工務店や設計事務所の分野に落とし込むなら、その地域で建てる家だから知っておいたほうがいいこと、伝えなきゃいけないことなど、地域での絞込もできますよね。基本的な家づくりの内容も、もちろん大事ですが、どの地域も結構同じことが書かれてますから、それでは差は生まれにくいです。
なぜ、専門企業が、広く浅くの家づくり支援サイト(ポータルサイト)に手を出したがるのか?を考察
専門企業が広く浅くの家づくり支援サイトに手を出す背景には、市場の多様化、一体型サービスの提供、ブランド力の強化、新たなビジネスチャンスの創出、顧客との深い関係構築など、多岐にわたる要因があると思われます。
1. 市場の拡大と多様化
専門企業が自社の専門分野だけでなく、広い範囲の家づくり支援に進出する背景には、市場の拡大と多様化がある。家づくりのニーズは多岐にわたり、タイルだけではなく、様々な素材やデザインの組み合わせが求められている。この多様なニーズに応えるため、専門企業も広い範囲のサービス提供を目指す動きが見られる。
2. 一体型サービスの提供
家づくりは複雑なプロセスであり、多くの要素が組み合わさる。タイルだけではなく、全体のコンセプトやデザイン、他の素材との組み合わせなど、多岐にわたる要素を考慮する必要がある。専門企業が広く浅くのサービスを提供することで、顧客に対して一体型のサービスを提供することが可能になり、顧客満足度の向上が期待できる。
3. ブランド力の強化
専門企業が家づくり全体に関わることで、そのブランド力を強化することができる。タイルだけでなく、家づくり全体のプロフェッショナルとしてのイメージを築くことができれば、企業の信頼性と認知度を高める効果がある。
4. 新たなビジネスチャンスの創出
広く浅くの家づくり支援サイトに進出することで、新たなビジネスチャンスを創出することが可能になる。タイルだけでなく、他の素材やデザイン、施工方法などに関する情報提供やコンサルティングなど、新しいサービス展開が可能になる。
5. 顧客との深い関係構築
家づくりは一生に一度の大きなプロジェクトであり、顧客と深い関係を築くチャンスでもある。専門企業が家づくり全体の支援を行うことで、顧客との深い信頼関係を築くことができ、長期的なビジネスの展開が期待できる。