不良客まで集める工務店は良い家が建てられなくなる理由

広告宣伝をして、集客率を上げ、成約率を上げることは、重要なことです。

仮に、10000部~5000部に一組の集客と言われる住宅業界の中で、つくるチラシ広告が「1000部に一組」という高い集客成約率を叩きだしたとします。多くのリストが獲得でき、その中で契約を獲得しようと躍起になるのですが…

これは一方でとても危険な副作用を引き起こすことがあります。

目次

成約率ばかり気にするのは要注意!

マーケティングを勉強したことがある人であれば、成約率を高めることの重要さや方法論はご存知かと思います。

例えば、「100万円の商品を無料でプレゼントします!」というような強烈なオファーを作り、「なぜ、100万円の商品が無料なのか?」ということについて、真摯に見込み客にとってのメリットや十分に信じられる理由を伝え、見込み客を集めれば、通常より高い反応が得られるでしょう。

さらには、今すぐ客だけにリストを絞って、そこにアプローチをかければ、成約率は上がります。

他にも、他と相見積をして、悩んでいるお客さんに、「今月契約したら100万円値引きします。」と投げかければ、間違いなく通常よりも、高い反応が得られるでしょう。

…などなど、成約率を高めたいと思えば、その方法は色々とあるわけです。しかし、、、

成約率を高める前にしたほうがいいこととは?

成約率を高める前にしたいことがあります。

それは、「どんな顧客とどんな家づくりをしたいのか?」ということです。

赤字覚悟の出血大サービスで強烈なオファーを作って、請負契約をした。

しかし、そうして契約をした顧客が、あなたがあまり好きになれないような人だったり、クレーマーで依存度の高い人だったりすれば、結局、手間だけが増えて、儲からないばかりか、本当は付き合いたくないお客のことを四六時中考えることになって、ビジネスそのものが辛いものになり、誰かになすりつけるか、自分で抱え込むかになっていきます。

安くしないと契約しないいとか、金を払うんだからこっちが偉いとか、不当な要求やクレームを言ってくるとか、いくら「成約率」が高くても、そんな顧客ばかりを集めてしまっては、「成功」とは言えませんよね?

不良客まで集める工務店は良い家が建てられなくなる理由

成約率を高める前にしたほうがいいことは、

  • どれだけ「良い顧客」を獲得して、
  • 「良い顧客」を維持することができるか

ということです。

どんな顧客とどんな家づくりをしたいのか?

市場が求めている声、お客様のニーズや要望は、もちろん大事ですが、その反対に、あなたにも住宅ビジネスをやりたいようにやる権利があります。

あなたの集め方は、あなたの理想の顧客は反応するでしょうか?あなたの広告、実は付き合いたくない顧客を、反応させようとしていませんか?

例えば私は、住宅に対して、「商品」という言葉を使うのがあまり好きな方ではありません。ブログやメルマガの文中などでは、まれに使っていますが、内容が、住宅に精通している人向けだからということもあります。もし、一般の方向けに、ブログやメルマガを書く場合は、「商品」という言葉は、まず使いません。なぜなら、これまで接してきた、家を建てたいという方は、「こういうのが良い」「こういう雰囲気がいい」という感覚で、来る方がほとんどした。決して、「この商品がいい」というニュアンスでは来ないんです。逆に、「商品」という目線で、問いかけてくる方は、同業者や、どこで建てても同じと思っている人、数値や性能にこだわるオタク系の方が多かった気がします。だから、商品感覚の不良客を集めたくないはないのです。

コンセプトにそぐわない不良客は相手にしない方がいいです。そういう不良客ばかり集めていると、本来、建てたい良い家も建てられなくなります。なりより、自分が正しいと思ってますから、色々と面倒です。だから「不良」と名付けてバッサリ切った方がいいのです。

不良客の定義は、それぞれ異なるでしょうが、「どんな顧客とどんな家づくりをしたいのか?」は、コンセプトを明確に固める上でも、経営者だけでなく広告担当者はじめ、携わる人が持つべき質問ですね。

コンセプトに合わない客まで集めようとする工務店の末路・・・

集客と成約率を上げることは、ビジネスの基本ですが、その過程で自社のコンセプトや理念に合わない顧客を集めてしまうと、長期的には大きな問題が発生します。このような状況は、一見すると短期的な利益にはつながるかもしれませんが、実は企業全体に多くの隠れたリスクをもたらします。

コンセプトに合わない客というのは、法律違反を犯しているではないので、自分が正しいと思っている分、やっかいなのです。

品質の低下

コンセプトに合わない顧客は、自分が正しいと思っているがゆえ、しばしば不合理な要求を持ち込むことが多いです。これに対応するためには、多くの時間とリソースが必要となります。その結果として、本来提供したい高品質なサービスや商品の品質が低下してしまう可能性があります。さらに、このような顧客に対応することで、手間と時間が掛かり、消耗していきます。

チームのモチベーション低下

次に、コンセプトに合わない顧客は、従業員やパートナーのモチベーションを下げる可能性があります。特に、クリエイティブな仕事や高度なスキルが求められる場合、合わない顧客との対応はストレスとなります。このストレスは、従業員の仕事の質にも影響を与え、最悪の場合、優秀なスタッフが退職してしまうことも考えられます。このような状況は、工務店経営にも悪影響を与え、長期的には企業の競争力を低下させる可能性があります。

ブランドイメージの毀損

さらに、合わない顧客が増えてくると、目指そうとしている企業のブランドイメージにたどり着けなくなります。ブランドイメージを構築するのは、非常に時間と労力がかかる作業です。そして、一旦ブランドイメージが定着してしまうと、それが新たな顧客の獲得にも影響を与え、ビジネス全体の成長が阻害される可能性があります。

結論:質より量?それとも…

集客と成約は重要ですが、その一方で「どんな顧客とどんな家づくりをしたいのか?」という基本的な問いに答えることが、長期的な成功に繋がります。質の高い顧客を獲得し、その顧客を大切にすることで、持続可能なビジネスモデルを築くことができるでしょう。質より量を追求する短期的な成功は、長期的には工務店にとって大きなリスクをもたらす可能性があります。ですので、集客や成約率を追求する際には、自社のコンセプトや理念に合った顧客をターゲットにすることが重要です。このバランスを見失わないように、常に自社のビジョンと顧客のニーズを照らし合わせて考えることが、成功への鍵となるでしょう。

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