工務店は「つくるプロセス」を大事にした方が良い理由

リクルートが発表した2015年のトレンド予測とトレンドを表すキーワードが興味深いですね。

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2015年の住まいのトレンド・キーワードは、「リノベパーティ」

「リノベパーティ」とは、友達や家族(パーティ)と「パーティ感覚」で、楽しく部屋を作り上げ、「プロセス」を重視するスタイル。

2014年の調査によれば、「リノベーション」という言葉の認知度は96%超にまでなっている。また、Googleトレンドの検索ボリュームでは、「新築マンション」と「リノベーション」は、今や拮抗状態になっている。2000年代後半から大きく盛り上がりを見せたリノベーションだが、これまでは雑誌やネットを通じた「プロ仕上げ」の「かっこいいデザイン」でムーブメントを牽引してきた。今、そこに新しい潮流が生まれつつある。

工務店は「つくるプロセス」を大事にした方が良い理由

できる工事は「自分たち」で行い、多少の失敗はご愛嬌で、「作るプロセス」を重視し友達・家族(パーティ)と「パーティ感覚」で楽しむというスタイルである。パーティ(仲間)の募集は「フェイスブック」を使用し、「作るプロセス」 も「フェイスブック」で共有・拡散する。

セルフリノベーション(DIY)を練習できるショップやかわいいパーツも揃う専門ショップも登場し、DIYリノベ物件の見学とDIYワークショップをセットにしたイベントも開催されている。

2015年のトレンド予測 住まい領域(2 MB)

2015年のトレンド予測を発表
工務店は「つくるプロセス」を大事にした方が良い理由
リノベパーティ

リクルートが発表しているのは、新築・中古・賃貸などのマンションの話のようですが、こういった「つくるプロセス」を重視する流れは、新築戸建て住宅にも必要とされてきています。

・・・10年くらい前に遡っても、やってる人はやってるんですけどね(笑)プロセスを重視する流れを、前々からやっている人もいるということは、ニーズはあるということです。モノが満たされ、コトを求めるということですね。

今までは、プロセスを重視する方は、全体の2割程度の層だったように思えます。価格や性能を重視する人が8割ぐらい。

だから、こういう手間の掛かることを提案しても、嫌がる会社は多かったです。こういう手間が掛かることって、営業重視の会社は嫌がりますからね(笑)

元々、注文住宅でもやっている会社はありましたけど、2014年3月を機に、賃貸などもDIY・リノベーションを取り入れられるようになってきたので、この辺の認知度が上がり、「つくるプロセス」の価値を評価されるようになってきましたね。新築・中古のマンションだけでなく、賃貸でも可能になってきていることは、より認知度が高くなりそうです。

これまでもプロセスを大事にしてきた会社にとっては、追い風ですね。

工務店は「つくるプロセス」を大事にした方が良い理由

顧客との深い関係性を築けられる

顧客との関係性を深めるためには、「つくるプロセス」が非常に効果的です。リノベーションや新築は、多くの人にとって一生に一度か二度の大きなイベントです。このような特別な瞬間において、顧客が自分自身で積極的に関与できる機会を提供することで、完成した際の満足度は格段に高まります。高い満足度は、次に繋がる口コミやリピートビジネスに直結します。このようにして、長期的な顧客関係を築く基盤ができるのです。

ニーズに対する適応性を高められる

「つくるプロセス」を重視することで、顧客の細かなニーズや要望にも柔軟に対応することが可能になります。特に注文住宅の場合、顧客一人ひとりの要望が非常に多様です。そのため、顧客が何を求めているのかを深く理解し、それに応じてプランを調整したり新しい提案を行うことができます。このような柔軟性は、顧客からの高い評価を得るために不可欠です。

ブランディングと差別化ができる

価格競争が激しい工務店業界において、プロセスを重視することで他社との明確な差別化が可能です。SNSの普及により、顧客自身が家づくりのプロセスを楽しんで共有することが増えています。そのような共有が、新たな顧客を引きつける強力なブランディング手段となります。また、顧客が自らの体験をSNSで共有することで、信頼性も高まります。

長期的なビジネス展望が築ける

「つくるプロセス」を重視することは、短期的な利益よりも長期的なビジネス展望に貢献します。顧客がプロセスに満足すれば、その顧客が次に家を建てるときや、友人・知人に推薦するときに、あなたの工務店が最初に思い浮かぶでしょう。このように、一度の成功が次のビジネスチャンスを生む循環を作ることができます。

コミュニティとの連携を築ける

「つくるプロセス」を大事にすると、地域社会や業界内での評価も高まります。地域の職人や専門店と連携することで、より多くの顧客に対応できるようになります。さらに、地域社会との連携は、地域づくりにも貢献します。その結果として、工務店自体の評価も上がり、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が高まります。

プロセスの透明性を高められる

プロセスの透明性を高めることで、顧客は何にお金を払っているのか、何がどれくらいの時間と労力を必要とするのかを理解しやすくなります。これは、顧客が安心してサービスを受けられるようにするために非常に重要です。透明性が高いと、顧客はより多くの情報を持っているため、不安や疑問が少なくなります。


以上のように、「つくるプロセス」を重視することは、工務店にとって多くのメリットがあります。これからの時代、単に「建てる」だけでなく、「どのように建てるか」が重要になってくるでしょう。それを理解し、顧客に提供できる工務店が、これからの競争で勝ち残る鍵となるでしょう。

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