「建築」という言葉の定義が曖昧すぎて共通言語になっていない!?

建築コミュニケーターであり、けんちく体操ウーマン1号の田中元子さんが、グラフィックデザイナーの原研哉さんのツイートに納得行かないという内容をあげられており、興味深かったので取り上げてみました。

目次

とある「建築」についてのツイート

原研哉さんが、HOUSE VISIONに関連して、建築についての興味深い連続ツイートをされています。 何度か読み返してるけど、やっぱり納得いきません。 建築は人類の鈍感さでもって受け入れられ続けている、とされているけれど、本当?ていうか、それって建築だけ? 「建築」はダーティーで「家」はクリーンなの?じゃあHOUSE VISIONに出る建築家って、どういう位置づけなの? 原さんが建築好きで、建築について、私なんかよりたっくさん勉強されていることも、本気で取り組まれていることも、少しは知ってるつもりです。もちろん、日本を代表するクリエイターのひとりであることも、百も承知です。 だけど、もとい、だからこそ、やはりこの論旨には、強い違和感を抱きます。悔しいです。

原研哉さんのツイートとは、以下の内容です。

そして、田中元子さんは、

  • 建築に真剣に向き合う方だからこそ、手垢がついたのは建築、こっちは家、だなんて、言って欲しくなかった。
  • 言葉を選び換えたら「建築」から逃げられると思ったら大間違いだし、そもそも逃げて欲しくなかった。
  • 「都市計画」と「家」についても同じ。分断的に考えていては、生産性ないよ。

というコメントを残されています。

う~ん、、、よくわからん(笑)

簡単にまとめると、原さんの建築の扱いに、建築好きな田中さんが、ムッときてるってことでしょうか?

「建築」は、しでかしてしまったことを巧妙に美談にしてしまう魔法の概念なのか。

原さんのこの言葉から感じるのは、そもそも「建築」って言葉の定義があいまいすぎるんですよね。「デザイン」という言葉もそれに近い気がします。

追記

・・・なんてことを書いたら、こんなツイートが。

facebookの方でも、元子さんのファンの方でしょうか、別の方もこの記事に関して、ぴーちくぱーちく書いてました(笑)

まぁ、本人(田中元子さん)にfacebook経由で、「不快に思われたなら記事を削除しますが、いかがいたしましょうか?」みたいなメッセージを送ったら、「大丈夫です。お気づかいありがとうございます。」的な返事でしたけどね。(もうSNSはやっていないので、履歴は残ってませんが・・・)

改めて書きますけど、私はどちらの敵でも味方でもないので・・・

余談ですが、

昔、こんな人がいて、「お前は建築をわかってない」って言うわけですよ。で、「建築って何ですか?」と聞くと、あーだこーだ語るんですが、全然答えになってなくて(笑)

その時感じたのは、元々の言葉の定義があいまいなんだから、これはもう哲学だなと。その言葉をどう自分の中で定義づけるかという哲学だなと感じたわけです。

でもこうなってしまうと、同じ言葉を使っているのに共通言語になっていなくて、会話が成り立たなくなるんですよ。皆使っているけど、きっと、「建築」という言葉は共通言語ではないんだなぁって。

「建築」という言葉は共通言語ではないので、工務店は使わない方がいい?

「建築」という言葉、一体何を指すのでしょうか?この言葉は、多くの人々にとって異なる意味やイメージを持つものです。例えば、「デザイン」や「アート」といった言葉も、人それぞれに異なる解釈や感じるニュアンスがあるのと同じように、非常に主観的なものと言えるでしょう。そんなあいまいな言葉を、工務店経営者としてどう取り扱うべきなのか、深く考察してみましょう。

まず、工務店のお客様の大部分は、建築やデザインの専門家ではありません。彼らが「建築」という言葉を聞いたとき、具体的に何を思い浮かべるのか、それは一概には言えないでしょう。もちろん、建築に関する深い知識や興味を持っているお客様もいるかもしれませんが、多くの場合、彼らの出発点は「自分たちの理想の家を建てたい」というシンプルな願望です。

このようなお客様にとって、「建築」という言葉は、専門的で難解に感じることがあるかもしれません。その言葉を使うことで、専門的な話や技術的な話になりそうな雰囲気を醸し出してしまう可能性も考えられます。お客様が求めているのは、自分たちの理想の家を形にすること。それを実現するためのプロセスや方法論、そしてそれを支える「建築」という背景知識は、必ずしも前面に出す必要はないのかもしれません。

では、工務店として「建築」という言葉を使わない方がいいのか?というと、そうとも限りません。大切なのは、お客様とのコミュニケーションの中で、どのように使うか、ということ。例えば、お客様が「建築」に関する深い興味を示している場合や、特定の建築スタイルや考え方に共感を示している場合など、その言葉を使って深い話をするのはアリです。

しかし、一般的なお客様とのコミュニケーションでは、もう少しカジュアルな言葉遣いや、具体的なイメージを伝える言葉を選ぶ方が、スムーズなコミュニケーションのためには良いでしょう。言葉の選び方一つで、お客様の心を掴むこともあれば、逆に遠ざけてしまうことも考えられます。

結論として、工務店経営者として「建築」という言葉をどう使うかは、お客様との関係性やその場の状況に応じてフレキシブルに判断することが求められます。言葉一つでお客様の心を掴むこともあれば、逆に遠ざけてしまうことも。そのバランスを見極めるのが、経営者としての腕の見せ所かもしれませんね。

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