価格や性能などの数字で勝負をしない工務店は「教育」で顧客を導く必要がある

遅ればせながら、映画「スティーブ・ジョブズ」を観ました。

誰からも天才と認められるも、周囲との衝突が絶えないスティーブ・ジョブズ(アシュトン・カッチャー)。既存の組織に所属するのに向いていないと悟った彼は、自分のような友人らと自宅ガレージをオフィスにしてアップルコンピュータ社を設立する。革新的な商品を次々と放ってはヒットさせ、たった4年で株式の上場に成功、IT界の寵児(ちょうじ)となるジョブズ。しかし、意見の相違がある社員は問答無用で解雇、創立時メンバーを冷遇するなど、独善的な言動を繰り返すように。その果てに、彼は自身の会社から追放されてしまう。

ジョブズを演じたアシュトン・カッチャー、似すぎです(笑)

価格や性能などの数字で勝負をしない工務店は「教育」で顧客を導く必要がある
アシュトン(上)、若い時のスティーブ・ジョブズ(下)

映画の内容が良い悪いはさておき、興味深かったのはマーケティングに対する考え方です。

目次

未知で欲しいものを売り、教育で導く

世間一般で言われているマーケティングの考え方は、人々を調査し、人々が欲しがるモノを知り、それを売ること。と言われています。

でも、スティーブ・ジョブズは、その逆の、

顧客は自分が本当に欲しいものなんてわかっていない。
だから、まだ見たこともない「本当に欲しいもの」をつくる

ということで、人々を調査し、人々が知らないけれど人々が欲しがるモノを知り、それを売っていたのです。

さらには、未知ということは、欲しいかどうかすら気付ていないわけなので、そこに「教育」を取り入れ、未知の人々を「欲しい」へ導くわけです。つまり、

未知で欲しいモノを教育で導く

というやり方をしているのです。これって、最良のマーケティング手法な気がします。

提案する住宅の良さは教育で導く

ジョブズのようにまったく新しい住宅を提供できることは、まずないでしょうが、価格や性能などの数字で勝負をしないなら、「教育」にチカラを入れるべきですよ。

なぜなら、住宅のことを何も知らない顧客に要望を聞けば、「より安い」「より良い」ものを求めてきます。それがその人達の価値なので、当然のことです。

まだ家のことを知らない人達にとって適した、本当に価値のあるモノを提供できるなら、「教育」で導いてあげるのが、最良の方法ですね。

自然素材を使っているなら、自然素材についての教育が必要ですし、デザイン性の高い住宅なら、デザインについての教育が必要です。

「教育」には、知識や経験、技術といった本質に加え、お客さんのことを理解し、伝えるチカラも必要になります。

  • ちゃんと伝えられるほど、家のことを理解しているだろうか?
  • ちゃんと伝えられるほど、お客さんのことを理解しているだろうか?
  • ちゃんと伝えられるほど、伝えるチカラが備わっているだろうか?

押さえるべき、大事なポイントですね。

価格や性能などの数字で勝負をしない工務店が「教育」で顧客を導けないとどうなるか?

工務店が「教育」の重要性を見過ごすと、その結果は非常に深刻となり得ます。

顧客は混乱し、不信感も増大する

多くの顧客は、住宅に関する知識や情報が不足しています。彼らは自分たちの理想の住まい像を持っているものの、それを具体的にどのように実現すれば良いのか、またどのような選択肢があるのかを知らないことが多いです。このような状況で、工務店が「教育」を提供しないと、顧客は選択の基準を持てず混乱します。そして、最終的には工務店やその提供するサービスへの不信感を抱くことになるでしょう。

競合他社との差別化が困難になる

「教育」を活用することで、工務店は他の競合との間に明確な差別化を図ることができます。顧客は、単に住宅を購入するだけでなく、その過程で得られる知識や情報を非常に価値あるものと捉えます。しかし、「教育」を提供しない場合、顧客は価格や性能の数字だけで選択を迫られることになり、工務店同士の競争はさらに激しくなるでしょう。

長期的な顧客関係の構築が難しくなる

「教育」を通じて顧客との関係を深化させることができます。それにより、一度の取引だけでなく、長期的な関係を築くことが可能となります。しかし、「教育」を提供しない場合、一度の取引で終わってしまう可能性が高まります。リピートや紹介といった、長期的なビジネスチャンスを逃すことになるでしょう。

顧客の満足度が低下する

住宅は一生に一度の大きな買い物となることが多いです。そのため、購入後のアフターケアやサポートが非常に重要です。「教育」を提供することで、顧客の不安や疑問を解消し、満足度を高めることができます。それがないと、顧客の不満が募る可能性があり、口コミや評判の低下に繋がる恐れがあります。

ブランド価値が低下する

「教育」を通じて、工務店は自社のブランド価値を高めることができます。顧客が工務店から得られる知識や情報を高く評価することで、その工務店のブランドとしての価値も上がります。しかし、それを怠ると、市場での評価や信頼性が低下し、結果的にビジネスの機会を逸してしまうかもしれません。


結論として、工務店が「教育」の重要性を軽視すると、ビジネスの成長や持続的な成功が難しくなるでしょう。顧客との信頼関係の構築や、長期的なビジネスの展開のためにも、「教育」の提供は欠かせない要素となります。

  • URLをコピーしました!
目次