カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

6月23日に放送されたカンブリア宮殿に、リフォーム会社のさくら住宅が特集されていました。お名前だけは聞いたことがあったのですが、紹介されていたその取り組みは、他の会社が簡単には真似ができない内容で、興味深かったですよ。

番組の冒頭は、悪質リフォームによる被害などの状況についてで、その後に、さくら住宅の特集でした。

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

神奈川県に5店舗展開するリフォーム会社「さくら住宅」は、蛍光灯の交換や障子の張り替えなど、家のちょっとした困りごとを快く引き受ける「住まいのかかりつけ医」として地域住民に愛されている。一度、「さくら住宅」を利用した客は、会社の熱烈ファンになり、なんと株主の65%が顧客になっている。小さな補修工事を丁寧にこなすことが、大口のリフォーム受注につながり、18年連続の黒字経営を達成。地域住民を幸せにする、住まいづくりの全貌に迫る。

テレビなので、演出も入り、編集によって、テレビ側の都合のいいところしか放送しないのもわかっていますが、さくら住宅の共感できる面白い取り組みを挙げると・・・

  1. 損をして得を取る、住まいのかかりつけ医戦略
  2. お客様株主制度
  3. ノルマ無し、競争禁止

損をして得を取る、住まいのかかりつけ医戦略

さくら住宅では、住民から受ける依頼は多くが、蛍光灯の交換や、柵の補修など、どれも数千円規模ばかりの採算が取れない小さな補修工事ばかりとのこと。受注件数は全体の4割を占めます。

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

ですが、その小さな工事は売上では2%程度とのこと。

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

小さな工事のついでに売り込んでいるかと思いきや、ついでの売り込みは一切するなとの方針。

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

小さな工事は、割に合わないからやりたがらない会社は多いです。だからこそ、他がやらない小さな仕事を丁寧に対応することで、信用・信頼を築き、その後の大きな工事の受注につなげているのです。

そして、普段の小さな信用・信頼を築ける仕組みができているから、「値引きをしない」という強気な発言もでるわけです。もちろん、「なんで値引きをしないんだ!」と文句言う人はいるでしょうが、そういう人はお客さんではないってことです。

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

その結果、顧客の7割がリピーターです。小さな信用を積み重ねることで、大きな仕事へと繋がっている良い事例ですね。

信頼が築けているから、コミュニティスペースも有効的になる!

また、「さくらラウンジ」というコミュニティスペースも設け、写真の展示・絵画・陶芸その他趣味の作品を展示する場所として、またお友達とのサークル活動やセミナー開催のスペースとしても利用いただいているとのこと。

多くの会社が誤解しがちなのが、コミュニティスペースがあるから、コミュニティができると思っていることです。大事なのは先に信用・信頼ですよ。場所はその後で十分なのです。

お客様株主制度で株主の65%が施主!

お客様株主制度とは、リフォームを受託したお客様に任意で株主になっていただくという制度です。その結果、さくら住宅の株主は、なんと65%が顧客とこと。株主なるということは、経営状況が定期的に報告され、会社の財務内容を知られることにもなりますよね・・・すごい自信です。

ただ、株主としての配当の受け取りもできるわけですから、さくら住宅が良い仕事をして良い評判を土台にできれば、利益も上がり、株主であるリフォームを依頼した施主にも、配当という形で利益を還元することができます。ここにも値引きをさせない秘訣がありますね。値引きによる還元より、配当による還元ってことですよ。

さらには、リフォームを依頼した顧客も、さくら住宅の施工内容に満足していれば、いいクチコミが生まれやすくなります。株主ならなお応援しますよね。

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

施主の株主制度は、個人的にはやりたかったんですよね。当時の経営者から反発受けましたけど(笑)

ノルマ無し!社員間の競争は会社にとってマイナス

さくら住宅では、業界によくあるノルマや社員間での競争はなくて、ノルマ無し、売上が少ない人に仕事を振るという、チームワークを重視して、社員間の競争を禁止しています。

個人的にも、ノルマや社員間での競争は嫌いなので、共感しますね。出来高については、番組内では触れていないのでわかりませんが、個人でやっている商売でないから、お客さんにはそんな競争は関係ないんですよね。いまだやっている会社はありますが、出来高やノルマ、社員間の競争って、住宅においてはクソ経営だと思っています(笑)

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

日本でいちばん大切にしたい会社も受賞、本にも掲載

最後になって思い出したのが、さくら住宅は、「日本でいちばん大切にしたい会社5」に掲載されています。(だから、聞いたことがあったのかもしれません。)

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

日本でいちばん大切にしたい会社5

  • 作者:坂本 光司
  • 出版社:あさ出版
  • 発売日: 2016-01-16

これだけが正解ではない。だけど・・・

カンブリア宮殿のサイトに掲載されている、村上龍さんの編集後記が、またいいところを突いています。「乱立する紹介、ランキングするウェブサイト」って(笑)多分、一般の方も気付いてるんですよね、訳わからん紹介・ランキングサイトが多いって・・・

カンブリア宮殿で特集された、損をして得を取る『住まいのかかりつけ医戦略』

住宅のリフォームはやっかいだ。そもそも費用の相場がよくわからない。だからリフォーム会社を紹介、ランキングするウェブサイトが乱立している。「さくら住宅」はとてもシンプルだ。新規注文ではなく、顧客との信頼を優先する。そんな会社が全国にたくさんあればいいと思う。だが、どんな業種でも、利益よりも顧客との信頼関係を優先するのは簡単ではない。「さくら住宅」からは人間性に充ちた暖かみを感じるが、二宮さんの経営戦術は非常に厳しい。ヒューマニズムは、揺るぎない経済合理性からしか、生まれようがない。

合理性が支える優しさ  村上龍

さくら住宅が取り組んでいる上記の方法は、とても素晴らしいですが、方法として、皆が皆同じことをする必要はないと思っています。それぞれの会社あった独自のやり方でいいと思います。ただ、取り組みとしてどんなことを行おうが「顧客との信頼を優先する。」これが大事な本質だと思いますよ。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。