工務店は建築家が産む不毛な住宅を反面教師にしよう

インターネットの普及によって、住宅の設計や建築に関する情報は瞬時に拡散されるようになりました。これは一方で、設計ミスや住宅の問題点も同じくらい速く広まる可能性があります。以前、テレビ番組で特集された「丸見えハウス」のようなケースは、工務店にとっても大きな教訓となるでしょう。

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建築家が産んだ不毛な住宅「丸見えハウス」

この丸見えハウス、やっぱり・・・。

工務店は建築家が産む不毛な住宅を反面教師にしよう

昨年4月に放送された住宅バラエティ番組『完成!ドリームハウス』(テレビ東京系)内で建てられた“丸見えハウス”が、再度注目を浴びている。

同番組は、一般人の住宅建築に密着したドキュメンタリー。2003年のスタート以降、「日曜ビッグバラエティ」枠にて不定期で放送されている。

先月29日、「某テレビ番組で匠に大胆にリフォームされてスケスケになってしまった近所の家、空き家になってた…」とのツイートが話題に。すぐさま、同番組で建てられた全面ガラス張りの家ではないかと臆測を呼んだ。

話題の家は、埼玉県桶川市内の約150坪の土地に、建築費2900万円を投じて建てられた平屋。Mさん家族の「お互いの気配が感じられ、開放感のあるオシャレな平屋」という希望に沿った結果、屋根と床以外、ほぼ全面ガラス張りという大胆な家が完成した。

放送時、ネットユーザーは「プライバシーゼロ」「夏は蒸し風呂状態」「罰ゲームみたい」「お風呂も丸見えって……」「外に見える景色がお墓って……」「夜は、埼玉中の虫が集まってくるんだろうな」「カラスが激突しそう」などと言いたい放題。放送後も、何者かによる「終日カーテンが閉められ、住んでいるのか不明らしい」といった報告がたびたび見受けられた。

しかし、くだんのツイートには、「匠」「リフォーム」と、むしろ『大改造!!劇的ビフォーアフター』(テレビ朝日系)を連想させるワードが含まれているため、ガラス張りの家を指しているかどうかは怪しいところ。それでも、『完成!ドリームハウス』で紹介された家が、放送後も継続して注目されていることは間違いなさそうだ。

「『完成!ドリームハウス』では、このほかにも奇抜な家が数々放送され、そのいくつかはネット上で伝説化している。同番組は、建築家の紹介は行っていないようですが、リフォーム番組『大改造!!劇的ビフォーアフター』は、“匠”を番組が紹介するため、過去には屋内の“段差”をめぐりトラブルに発展したケースも。また、依頼者がテレビカメラに舞い上がり、残念な結果に終わることも少なくない。ただこの手の番組は安定した視聴率が期待できるため、この先も定番として長く続いていくでしょう」(テレビ制作会社関係者)

“丸見えハウス”の動向に、今後も高い関心が寄せられそうだ。

「埼玉中の虫が集まりそう」で話題のテレ東『ドリームハウス』“丸見えハウス”が空き家になってた!?

番組内では、「敷地面積150坪 壁がない開放的な平屋」で2013年4月25日に放送されています。

ホームページに書かれている施主の要望は、

  • 大開口のある家
  • 開放感のある風呂
  • 2階建てではなく平屋
  • 家族の居場所が分かるキッチン
  • 愛車が感じられる家

というものでした。

竣工当初から、ネットではひどい言われようでしたが、やっぱりと言った感じです。

昔の建築家像への憧れだけで、設計の道に進む方って、すごく多いんですよね。そして、そんな人からは不毛な住宅しか生まれないんですよ。訴えられている設計士は多いですからね。正直、従来の建築家の時代なんて終わりに向かってますよ。

まぁ、ドリームハウスはミスマッチを生み、不毛な住宅の生産番組ですから。

だれが悪い?

  • 設計した人が悪い
  • この設計士を選んだテレビ局が悪い
  • 安易にこんな番組に参加した施主が悪い

といった犯人探しは止めて、今後のこの家の活用方法を考えていきましょう!

周りであれこれを言うのは、すごく簡単なんですが、決して裁く側の人間ではないので、つくる側の人間は、今の現状を、どう作っていくか?どう蘇らせていくか?の方が大事だと思っています。

施主の家を実験台にして、ひどい設計する方は非常に多いので、「建築家が産んだ不毛な住宅をリノベーションで蘇らせる」ことって、仕事としてニーズがありそうですね。

この家、正直、住居は無理でしょ。シェアオフィスで貸したらどうだろうか???

ミスマッチな住宅が明るみになりやすい時代、工務店はどうする?

リスクマネジメントの強化

最初に考慮すべきは、リスクマネジメントの強化です。設計段階でのヒアリングを十分に行い、施主の要望だけでなく、実際の生活環境やプライバシーにも配慮した設計を心掛けることが重要です。このプロセスでは、施主が理想とする住宅像と、実際に建築可能な住宅とのギャップを最小限に抑えることが求められます。そのためには、施主の要望をしっかりと理解するだけでなく、その要望が現実的なものであるかどうかも評価する必要があります。

オンライン評判のモニタリング

次に重要なのは、オンラインでの評判モニタリングです。自社が手掛けたプロジェクトはもちろん、競合他社のプロジェクトがどのように評価されているかを常にチェックすることが重要です。特にネガティブな評価や問題点が指摘された場合、その情報をフィードバックとして活用し、今後の設計や施工に生かすべきです。このような情報収集は、企業のリピュテーション管理にも寄与するため、定期的なモニタリングが必要です。

施主教育とコミュニケーション

施主がテレビ番組やインターネットで見かけた「斬新な設計」に興味を持つことはよくあります。しかし、そのような設計が実際の生活に適しているかどうかは別問題です。ここで工務店が果たすべき役割は、施主としっかりとコミュニケーションを取り、リアルな生活環境での利便性や問題点を共有することです。これにより、施主が持つ理想と現実とのギャップを埋め、より実用的な住宅を提供することが可能になります。

アフターケアと改善

建築後のアフターケアも非常に重要です。特に問題が指摘された場合、速やかに対応し改善することで、信頼性を高めることができます。また、その経験をもとに、次のプロジェクトでの失敗を防ぐことができます。このようなアフターケアは、施主からの信頼を得るだけでなく、口コミやオンライン評価にもポジティブに影響を与える可能性があります。

リノベーションビジネスの展開

最後に、既存の「不毛な住宅」をリノベーションするビジネスも考慮に入れてみてはいかがでしょうか。これにより、新たなニーズに応えるとともに、工務店としてのスキルセットを広げることができます。リノベーションビジネスは、新築ビジネスとは異なるスキルやノウハウが求められる場合もありますが、それだけに新たなビジネスチャンスとも言えるでしょう。


インターネットとSNSの普及により、一つの失敗が大きなダメージとなる可能性が高まっています。しかし、その反面で成功したプロジェクトや改善策が高く評価されるチャンスも広がっています。このようなダイナミックな環境に柔軟に対応し、持続的な成長を目指すことが、今の工務店にとって最も重要な課題でしょう。

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