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大半の工務店がInstagramの自社アカウントを持つ必要がない理由
大半の工務店(特に小さな工務店)は、Instagramの自社アカウントを持つ必要がないと思っています。その理由を述べる前に紹介したいのがこちら。
シドニーのホテル「1888 Hotel」が、ホテルのPRに「Instagramのフォロワーが1万人以上の方は、宿泊料が無料」という、人気インスタグラマーたちの写真を活用する、ユニークな企画で集客に取り組んでいます。
Instagramのフォロワーが1万人以上の方は、宿泊料が無料
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フォロワーが1万人以上の人気インスタグラマーに、実際にホテルに宿泊してもらい、その魅力を写真に撮ってもらい、Instagramに投稿してもらうことで、彼らを広告塔として活用しようという試みです。
さらに、Instagramに投稿されたホテルを撮影した写真の中から、毎月ホテルが選ぶ「ベストショット」の投稿者にも、同じく一泊分が無料となるとのこと。
追記
ただ、2023年11月現在も、このキャンペーンをやっているのか不明なんですよね。Agodaなどの宿泊施設のポータルサイトでは閲覧できるけど、公式サイトは繋がらないし・・・
また、多分ですが、公式のInstagramのアカウントもないと思われます。あるのは、場所(1888 Hotel)と投稿タグ(#1888hotel)だけなんですよね。場所での最新投稿を見ると2016年8月15日です。
SNSは投稿から交流へ
PRとは、お金を使わないで広報をすることだと捉えています。
だから、分析や改善もできないような宣伝広告を打つよりも、1万人のフォロワーを抱えている人など、影響力のある人を通じてPRしていくのは、効果的ですよね。いい意味での顧客のえこひいきです。
SNSは、一般向けの集客に使う場合、自分が投稿するよりも、顧客に投稿させた方が効果的ですし、さらには、単なる投稿よりも交流に重きを置くと、顧客を巻き込み、いい効果が生まれやすいです。
このホテルの場合、内装がすごくオシャレなので、どうやったら写真を撮ってもらえるか追求していくことが、自然と興味を惹くことにも繋がりますよね。
一泊して、良い写真撮って「ベストショット」に選ばれたら、一泊無料になるなら、そりゃ良い写真を撮ろうとしますよ。
顧客の影響力を活かすと、PRは強力になりますね。Instagramの場合、写真がメインなので、文章力がない人でも気軽に使えるのは大きいですよ。何より空間を伝えやすい。(もちろん、それ一辺倒ではダメですが・・・)
広告にお金を掛けられないなら、PRを意識して取り組んだほうがいいですよ。ただし、周りがやらないことを企画する必要がありますが、会社の広報に求める能力は、PR力、お金を使わないで広報をする能力に尽きます。
写真を施主に撮ってもらうという手法
以前、施主を活用した方法を取り上げましたが、
写真も同じように活用できます。今は一般の方も良い写真を撮る方が多いので、うまく巻き込んだほうがいいです。実際、上記で紹介したホテルのInstagramのキャンペーンも、客の写真を活用してるわけですからね。
販促物や発信する情報に『一緒につくる』視点を取り入れる
昔、山本彩さんがアイドル時代の写真集『みんなの山本彩』で、「ファンと一緒につくる写真集」という取り組みで、話題を集めてました。その取り組みとは、「山本彩を街で見つけたら誰でも写真取り放題」という企画。
一般の方が街中で撮影した写真と、メンバーやスタッフによって撮影されたものも含めて600点以上を収録した内容になっているようです。
こういったファンと繋がる作品作りで得られるものは、
- 制作費が安く抑えられる。
- ファンを巻き込むことができる。
- 新たな視点(ファンの視点)を発見できる。
などが挙げられます。
上記の写真集のようなメリットは、アイドルとファンとの関係性ほどではないにしても、注文住宅でも、施主を巻き込むことができますよ。
注文住宅にも活かすことができる企画
企業向けの場合、販促物や発信する情報って、ノウハウとかヒントとか視点とかでもいいですが、一般向けの場合、これからの販促物や発信する情報って、「一緒につくる」とか、「繋がる」とかが、重要なキーワードになってきてます。もちろん、全部の販促物や発信する情報を、「一緒につくる」「繋がる」とかを含む必要はないですが、一部でも行うと、印象がガラッと変わりますよ。
例えば、注文住宅の場合だと、「お気に入りの場所」などテーマを決めて、施主から写真を募集したっていいわけです。
制作費が安く抑えられる。
カメラマンに今は、一般の方が手にするカメラの性能もレベルが高いですし、写真好きな人は下手なカメラマンよりも上手く撮れます。カメラマンに依頼したら、たった数枚で◯万円は掛かりますからね(笑)
施主を巻き込むことができる。
自分の撮った写真が使われるなら、こんな嬉しいことはないですよね。間違いなく、特別な感情が生まれます。自慢もしたくなるでしょうから、口コミにも繋がります。
新たな視点(施主の視点)を発見できる。
つくり手側の視点と、住まい手である施主の視点は、やはり異なります。例えば、気に入っている場所ひとつとっても、つくり手側にはない視点に気付かせてくれます。
工務店がInstagramの自社アカウントを持つ必要がない理由
施主とのつながりが真のマーケティング
工務店を経営されている皆さん、Instagramを使った宣伝には力を入れているかもしれませんが、実は自分たちでアカウントを持っているだけでは、本当の意味でのマーケティングにはならないんです。マーケティングの核心は、商品やサービスを売り込むことではなく、施主との強い絆を築くことにあります。施主が自分の新しい家について、自分の言葉で、自分の感動をInstagramで共有することが、他の人にも伝わりやすく、自然と信頼を築くことができるんです。施主のリアルな声は、どんなに洗練された広告よりも強い影響力を持っています。
施主の投稿が生み出す自然な宣伝効果
自社アカウントで毎日のように投稿をするのは、時間も労力もかかる大変な作業です。それに比べて、施主が自分の家を撮影して、その素敵なポイントを自分の視点で伝えることは、新鮮で魅力的なコンテンツになります。施主が自分の家を誇りに思い、その感動を自分の言葉で伝えることは、他の見込み客にとっても共感を呼び、強い影響力を持ちます。施主が作成したコンテンツは、他の施主との共感を通じて、自然な形で共有され、口コミとしての効果を発揮します。
施主の声が作る信頼の輪
自社アカウントで素晴らしいコンテンツを作っても、それが施主の「この家に住んでよかった」という一言にはかないません。施主のポジティブな体験談は、新しい施主を引きつける最も強力なツールです。これは「ソーシャルプルーフ」という心理現象で、人々は他人の経験や推薦を見て、自分もそのサービスを利用したいと感じるものです。施主がInstagramで自分の家の良い点を共有することで、その家に対する愛着や満足度が伝わり、新しい施主の興味を引きます。
施主主導のコミュニティが生む絆
自社アカウントを持っていても、一方的な情報発信では施主との本当のつながりは生まれません。施主が中心となってコンテンツを作成し、共有することで、より深いレベルでの関係が築かれ、自然とコミュニティが形成されます。施主が自らの経験を共有することで、他の施主や見込み客との間にコミュニティが形成され、それが新たな施主を引き寄せる原動力となります。このようなコミュニティは、施主の自発的な参加によってのみ生まれるものです。
効率的な経営とリソースの最適化
自社アカウントを持たないことで、写真撮影や投稿の管理、フォロワーとのコミュニケーションなどの手間が省け、経営者や社員の時間をより重要な経営活動に集中できます。施主が自分で写真を撮ってくれることで、その分、もっと大切な経営活動に集中できるのです。また、施主が自分の家を撮影し、その魅力を伝えることで、工務店は広告費用を削減しつつ、施主のリアルな声を通じて信頼性のあるブランドイメージを築くことができます。
工務店がInstagramの自社アカウントを持つ必要がないのは、施主自身が最高の宣伝担当になってくれるためです。施主の経験と声を大切にすることで、信頼できるブランドイメージを築き上げ、新しい施主を引きつけることができます。お金をかけずに、施主と共に楽しむことができるマーケティングは、賢く、効果的で、経営にとっても理想的な方法です。