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大半の工務店はブランディングができない理由
先日、とある建築系の会社と打ち合わせをしていたら、話が広がり、ブランドや価値の話になりました。最近、建築系のブランディングの相談は多いですね。建築系のブランディングは、マンネリ化してきていますから、どこも悩んでいます。
下り坂の業界で供給側が余りすぎている中でのブランディングは骨をおる
建材などのモノは類似品や同等品がありますし、意匠デザインもすぐにパクれます。また、2流3流でも「建築家」と呼べば成り立つ売り方も増えてます。そんな下り坂の業界で、供給側が余りすぎている中でのブランディングは、結構骨をおります。
ただ、不思議なことに、ブランドや価値の捉え方は、立場によって全然違います。だから、コンセプトという多くの人を巻き込むための要素をつくる時は、ズレをなくすため、共有することを意識しながら進めていくのですが・・・
でも、ブランドや価値の根源を突き詰めていく時は、従業員の方は邪魔なんですよ(笑)
他がつくることのできない何か=カルピスの原液
なぜなら、ブランドや価値の根源を突き詰めていくと、『カルピスの原液』に行き着きます。(カルピスの原液論は秋元康さんとか堀江貴文さんがよく言ってますね。)
この原液がないと、だいたい競合が出てきてパクられます。だから、「カルピスの原液=優位性=他がつくることのできない何か」とは何なのかを考えないといけません。その会社(あなた)であるべき理由みたいなものですよね。
優位性があって誰にも真似できず、それが直接、利益も生み出しているようなことであれば、誰だってそれが価値であって大事にしなければいけないとわかるのですが、大抵はそんな都合よくありません。
その原液は、時間であったり、お金であったり、まずコストが掛かっています。なんでもそうですが、普通の感覚では原液は扱いづらいのと同じで、扱いがやっかいなのです。
だから、大半の方は保守的に、「◯◯はお金が掛かり過ぎだから、止めましょう(削りましょう)」などど、原液の価値を理解できず、排除してしまう人がいたりします。
経験上の見解ですが、従業員だけど、お金(経営)のところに少し接していたりすると、原液の価値に気付かず、無駄なコストカットに注力する人が多いんですよ。しかも、自分以外の人件費をカットしようとするんですよね(笑)だから邪魔なんです。
工務店の別事業の例
例えば、、、
- ローコスト住宅を中心に工務店を経営していて、別事業で雑貨屋を経営している。
- このままローコスト一本だと、手元になかなかお金が残らないため、ひとつ上のランクの住宅を提案していきたいと考えている。
- お客さんの雑貨屋の認知度は、本業の工務店よりも高く、雰囲気も気に入ってくれている。だけど、雑貨屋は赤字続き。。。
こんな時、どうしますか?
明日食う飯に困るような経営状態でなければ、、、
まずは、雑貨の経営を見直します。トントンぐらいなるよう人件費を見直します。
ダメな一歩は、お店を小さくしたり、雑貨の仕入れ数を減らしたりすることです。雑貨が特に好きでもない方はそういう方法を取ったります。そういうことをするぐらいなら、さっさと撤退した方がいいんですよ。
そして、雑貨のコンセプトを中心としたコンセプト住宅をつくり、ローコスト住宅よりも上の層を狙うブランディングにつなげていきます。
人の繋がりの例
別の例で、例えば、こんなケースはどうでしょうか?
- とある会社から仕入れをしていて、それはそこからしか仕入れられない商品である。
- その商品は、数十年以上の歴史がある品である。
- その商品の販売は、一社かぎりなので、自社が手に入れれば、他社は手に入らない。
- ただ、その商品そのものは、直接的な利益をもたらしてはいない。なかなか売れていない。
- 仕入れに、それなりのコストが掛かっている。
- 会社は赤字が続き始めている。
ここまで聞くと、そんな商品は、仕入れを止めたほうがいい。もしくは仕入れ数を減らした方がいいと思う方が大半でしょう。
実際、ここの会社の従業員は、そういう考えの方ばかりで、「会社は赤字なんだから、無駄なコストを減らせ」という声が上がり、その商品の仕入れについて再検討したいと訴えているようです。
ですが、社長だけが、その仕入れの現状維持を訴えるのです。赤字に関しては、新事業により立て直すと・・・。
なぜなら・・・
その商品を仕入れていることで、業界の重鎮と繋がることができ、その繋がりにより、他社には真似出来ないブランドを築くことが可能になるからです。
その商品を仕入れなくすることはもちろん、数を減らすことでも、相手に対する敬意が失われることに繋がり、信頼も失ってしまうことを懸念しているのです。
ブランドって、モノや仕組みだと思っている人は多いですが、最近では、個のチカラにスッポトが当たりやすくなっているので、「人との繋がり」も大きく影響してきます。
カルピスウォーターを更に薄めたら、不味くて飲めません・・・
下り坂の業界で、魅力となるコンテンツが重視される時代だからこそ、カルピスの原液を生み出せない経営者は、下降線まっしぐらでしょうね。
ノウハウを買うことは、カルピスの原液ではなく、薄められたカルピスウォーターみたいなものですからね。そりゃ原液より、薄められてた方が楽に飲めますから。だから、皆、薄められた方を求めるんですけど、さらにそれを薄めてしまったら、お客さんは美味いとは感じないですよ(笑)
昔から、「成功者は一般人と感覚が違う」と言われていたり、従業員皆が反対することが成功したりするケースがありますが、そんな感じで、普通の感覚では原液は扱えないんでしょうね。
時代は違いますが、これらの視点って、稲盛和夫さんの『二世、三世経営者は、「この質問」に答えられない。』という話に近いのかもしれません。
大半の工務店はブランディングができない理由
独自性を持つことの難しさ
工務店がブランド作りでつまずく最大の理由は、独自性を持つことの難しさにあります。ブランディングとは、単に見た目のデザインやマーケティング手法を超えたもの。企業の根本にある考え方や文化、そして顧客へ提供するユニークな価値が核となります。しかし、多くの工務店はこの「自分たちだけの特色」を深く掘り下げ、顧客に伝えることに苦労しています。
市場と顧客のニーズへの理解不足
ブランドを上手に作るためには、市場と顧客のニーズへの深い理解が不可欠です。工務店は、顧客が何を求めているのか、どうやって他社との違いを出せるかをしっかり把握する必要があります。そのためには、良いコミュニケーション能力が必要です。顧客のニーズや期待を正確に理解し、それをブランドのストーリーや価値に反映させる能力が必要です。
インターネット情報に頼りすぎる問題
「工務店 ブランディング」とネットで検索すれば、たくさんの記事が出てきますが、これらだけでブランディングが上手くいくわけではありません。これらの記事は基本的な情報や一般的なアイデアを提供しますが、具体的なビジネスの複雑さや特定の状況に対応する解決策を提供しているわけではありません。ブランディングは単なる情報集め以上のもので、それぞれの企業の状況やニーズに合わせた深い洞察と理解が必要です。
短期的な利益に目が行きがち
成功するブランド作りには、長期的な計画が必要です。しかし、多くの工務店は短期的な利益に目が行きがちで、長期的なブランド構築を軽視しています。ブランド作りはすぐには成果が出ないもので、長期的な視野で段階的に進めることが大切です。