工務店の独自性は経営者からしか生まれない理由

第一生命経済研究所のレポートによると、「1月の住宅着工戸数は 81.3 万戸と市場予想を下回る大幅な減少」とのこと。

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住宅着工戸数(2020 年1月)

工務店の独自性は経営者からしか生まれない理由

持ち家は、増税前の8月から前年比割れが続いてますが、この先は、新型コロナの影響でもっと厳しい状況になるでしょうね。

個人的な予測ですが、この先、建売や低価格のコミコミ住宅は流行るでしょうね。実際、建売業者の決算内容は、良い会社が多いんですよ。

だからといって、小規模の工務店が手を出す分野ではありません。

小規模の工務店の場合は、「独自性」がないと、この先、厳しいですよ。

独自性がないと、ふわっとした表現になる。

独自性がないと、ほめ言葉の常套句を並べたり、価格訴求に走ってしまいます。

「ほめ言葉の常套句」が並び始めしまうと、それは大した魅力がない証拠にもなってしまうということです。

工務店の独自性は経営者からしか生まれない理由
工務店の独自性は経営者からしか生まれない理由

これは、「ドラゴン桜」などの著者・三田紀房さんの「エンゼルバンク」という漫画です。全体の内容は、転職がテーマの話ですが、経営者にも非常に役立つマンガなので、読んでおいて損はないです。

家づくりは、相対的に選ばれている。

お客さんが、自分の家を建てる工務店などを選ぶ時、相対的に選んでいます。

相対的=他との関係において成り立つさま。 また、他との比較の上に成り立つさま。

比較してみて、「AよりBが良い」など、良いと思った先を選択していきます。

まれに、「絶対的に正しい」「ゼロリスク」「ゼロデメリット」を求めた家づくりを望んでいる人もいますが、小規模の工務店にとっては、そういう人は、招かれざる客で相手にしてはいけません。

相対的に選ばれている以上、「差」がないと、選ばれません。その差の一つとも言えるのが「独自性」です。

独自性がないと、発信しても響かない。

ほとんどの工務店は、「どういうチラシデザインがいいのか?」「どういうホームページにしたらいいのか?」「どういう集客方法がいいのか?」など、集客から考えてしまうものです。

これは間違いです。

何年経ってもこの流れは変わっていないので、「違う」ことに気付けると、他社よりも一歩進めます。

まず、独自性のある情報発信(集客)は、それ以前に、提案する住宅(商品)やサービス、そして、ブランドや会社自体に独自性がないと生まれないです。この状態で、いくら情報発信(集客)しても、効率は非常に悪いです。

逆に言えば、提案する住宅(商品)やサービス、そして、会社自体に独自性があれば、情報発信も自然と独自性のある表現になっていき、効率も良くなるということです。

小規模の工務店において、独自性は経営者からしか生まれない。

財務(お金)の話を深堀りしていくと、当然、利益の根源となる「商品(提案する住宅)」の話に行き着きます。

商品(提案する住宅)も含め、独自性は、経営者でなければ生み出すことはできません。

なぜなら、経営者は会社の方向性を決定する唯一の人物であり、そのビジョンや価値観、経験が会社のアイデンティティを形成します。小規模の工務店の場合、特にこの傾向は強く、経営者の個性や哲学がそのまま会社の特徴となります。

より具体的な独自性を生み出そうとすると、経営者が自分自身の強みや情熱を理解し、それを事業に反映させる必要があります。たとえば、特定の建築スタイルや素材へのこだわり、環境配慮やコミュニティとの連携など、他社にはない独特のアプローチを追求することです。さらには、独自性は持続的な努力も求められます。市場や技術の進化に合わせて、絶えず自社の強みや特徴を成長させることが求められますし、それには変化に敏感でなければなりませんし、柔軟に対応できる必要があります。

なので、従業員だと、その独自性を磨いて輝かせることはできますが、生み出すことはできません。

また、独自の商品を持つために、「FCに加盟しよう」「パッケージ商品を購入しよう」と判断するケースもあるかと思います。

加盟や購入するのが悪いとは言いませんが、フランチャイズ化やパッケージ化しようとすると、ある程度体系化する必要があるので、マネされやすい状況になります。そのため、アップデートしていかない限り、数年で陳腐化します。これは住宅業界の歴史を見ればハッキリとしています。

もう少し厳しいことを言えば、FC加盟やパッケージ商品の購入は、本当の意味での独自性ではないですからね。

常々、「FC加盟=大学」と言ってますが、入ったら学んで卒業するものとして捉えるということです。そして、「パッケージ商品=通信教育」みたいなものでしょう。自習できる力がないと意味ないということです。

FC加盟やパッケージ商品から「独自性」に紐付けていくなら、それらからノウハウを吸収して、自社のオリジナリティを出すことでしょう。結局、他社依存に走ると、企業としては弱くなり、廃れやすくなっていくので、自社ブランディングを考えても、独自性は欠かせないのです。

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