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工務店は施主に提案したコンセプトを変えるのではなく積み重ねた方が良い理由
ライフスタイル誌の「クウネル(ku:nel)」が、2016年1月20日発売の3月号で、創刊以来初となる大幅リニューアルを行いました。結果、賛否を集めることになります。
「クウネル(ku:nel)」の大幅リニューアルが賛否を集める。
元々、「クウネル(ku:nel)」は、当たり前の毎日の生活を豊かにする提案として、日本の地方とか、おばあちゃんや子供とか、古くて安いとか、丁寧で味のあるとか、季節の楽しむなどの、ほんわかしたストーリーのあるモノと暮らしがテーマでした。
30歳前後の若い方でも、懐かしさを感じたりする内容でしたね。
これまでの「クウネル(ku:nel)」
例えば、2014年 07月号などをみると・・・
今回の大幅リニューアルで、50代女性に向けに?
今回の大幅リニューアルでは、「年齢を重ねても、心は青春のまま」と感じている50代女性に向け、ファッション、ビューティー、インテリア、料理、旅行など幅広い情報を提供する内容に変わっています。
一番違いが明確なのが、表紙のデザインですね。落ち着いた雰囲気から、ちょっと年配の地味な派手さを交えた感じがします。う~ん、これは30歳前後は読なくなりそうです(笑)
というより、リニューアル号の表紙デザインがダサいので、「ダメだ!」という印象がより強くなっている気がします。今後のデザインに期待です。
編集長の考え
新たに就任した編集長は、「Olive」(オリーブ)や「anan」(アンアン)といった人気誌の元編集長・淀川美代子さん。昔、『日曜洋画劇場』の解説をされていた淀川長治氏の姪とのこと。
彼女のあいさつや意気込みは以下の通りでした。
新しい『クウネル』は50代からの大人の女性のライフスタイル誌として、インテリア、料理、ファッション、エッセイなど、楽しい企画をたくさんご用意しました。
ちょっとかわいく、なんとなくときめいていて、年齢にとらわれず、型にはまらない……そんな自由で素敵な50代のための雑誌です。
「今の50代の女性は、『an・an』や『Olive』の全盛期時代の読者。ネット社会の中で、彼女たちの世代に雑誌の楽しさをもう一度、再発見したいと思ってもらえるものを目指したい」と意気込む。
『ku:nel』が創刊以来の大幅リニューアル 編集長が語る編集方針とは
ちょっと私物化してる感がありますね。
ちなみに、編集長の淀川さんは、2021年11月に亡くなられたようです。
リニューアルの直後の評価
レビューを見るかぎりだと、星1つが圧倒的です(笑)これだけ大きく変えるなら、リニューアルでなく、新規で出せばよかったと思うのですが・・・
ですが、「クウネル(ku:nel)」のこれまでの連載を見ればわかるのですが、「好きな人は好き」という、一部の人に好まれやすい内容でした。だからこそ、想いも人一倍強いんでしょうね。
そんな既存客の価値観を捨てた「クウネル(ku:nel)」の今後が気になります。
追記:部数
「クウネル」の発行部数については、以下の情報が得られました。
https://www.yoriyoihibiwo.com/entry/kunel/renewal
- 2019 年 280,000 部
- 2018 年 284,500 部
- 2017 年 301,250 部
- 2016 年 387,250 部※1
- 2015 年 226,750 部※2
- 2014 年 326,250 部
- 2013 年 308,500 部
- 2012 年 361,500 部
- 2011 年 380,250 部
- 2010 年 417,500 部
- 2009 年 434,750 部
- ※1:2016年3月号より「新クウネル」
※2:2015年9月号まで「旧クウネル」
(一般社団法人日本雑誌協会 印刷部数公表データより集計)
以上の情報から、リニューアル後の2016年には、約38万部に増加したものの、その後は減少傾向にあり、2019年には28万部にまで落ち込んでいます。
もちろん、部数が減っているのは、内容による新規読者の獲得失敗だけでなく、市場全体の縮小や広告収入の減少、既存読者の高齢化なども影響しているでしょう。
リニューアルの考察記事
リニューアル後に、「旧クウネル」読者たちが困惑したこともあり、「なぜリニューアルしたのか?」という考察記事まで出てきています。
■「クウネル」の発行部数は7年で4割減
今回、初めて「旧クウネル」を定期購読し、愛読していた人たちの姿がネットで可視化され、その「旧クウネル」への思いの深さに驚かされた。一方で、長年の定期購読をいとわない、愛読者がこれだけ存在しながら、なぜ「クウネル」はリニューアルに踏み切ったのか?という疑問も。
<中略>
ここからはまったくの想像だが、「旧クウネル」はコアな読者を掴んでいたものの、利益を生むまでの読者数には届かず、リニューアルに踏み切らざるを得なかったのではないだろうか?
「クウネル」のリニューアルはなぜ必要で、何が必要だったのか?
コアな読者はいても、利益を生まなかった可能性は、十分にありえますね。今の時代、「いいね」は付くけど、売れてないものなんて、たくさんありますから。お金を出さない層をターゲットにすると、売買は成立しないから、別のキャッシュポイントを考える必要が出てきます。
工務店は施主に提案したコンセプトを変えるのではなく積み重ねた方が良い理由
既存客を捨てて、新規客を求めるから愛されなくなるんですよ。これは、注文住宅の集客でも一緒ですよ。売れてるからといって、自社のコンセプトと違う、フランチャイズに加盟したり、規格住宅などのパッケージ商品に手を出すとか・・・
顧客の信頼を失うリスクとその深刻な影響
信頼はビジネスにおいて最も貴重な資産の一つです。顧客が一度信頼を失った場合、その回復は非常に困難であり、多くの場合、その顧客を失ってしまいます。信頼を築くのには時間がかかりますが、それを失うのは一瞬です。例えば、「クウネル(ku:nel)」のような長い歴史と独自のテーマ性を持つメディアが大幅なリニューアルを行った場合、その変更は多くの顧客にとってショックを与え、信頼を失墜させる可能性が高いです。このような信頼の失墜は、口コミやSNSで広がり、新規顧客の獲得にも悪影響を及ぼす可能性があります。
ブランドイメージの混乱とその長期的影響
ブランドイメージは、顧客がサービスや製品を選ぶ際の重要な判断基準です。一貫性のあるブランドイメージは、顧客に安心感を与え、リピート購入や紹介を促します。しかし、コンセプトや方針を頻繁に変更すると、顧客は何を期待すればいいのかわからなくなります。これが長期にわたると、ブランド自体の価値が低下し、市場での競争力を失う可能性があります。
既存の顧客との関係性の損失とそのコスト
既存の顧客は、新規顧客よりもリピート購入の確率が高く、紹介による新規顧客獲得の可能性も高いです。このような高い生涯価値を持つ顧客を失うことは、ビジネスにとって大きな損失です。新規顧客獲得のコストは、既存顧客を維持するコストよりもはるかに高いとされています。したがって、既存の顧客を失うことは、長期的にはビジネスの成長と持続性に大きな影響を与える可能性があります。
短期的な利益に目を奪われる危険性
新しいコンセプトやキャンペーンは、短期的には注目を集めやすいです。しかし、そのような短期的な成功が、長期的なビジョンや戦略を犠牲にする形で行われると、その後のビジネスの成長が停滞する可能性があります。短期的な利益に目を奪われて、長期的な戦略や顧客との関係性を犠牲にするような行動は避けるべきです。
原因と対策:根本的な問題解決へのアプローチ
コンセプトを変更する背景には、多くの場合、売上の減少や新規顧客の獲得失敗、市場環境の変化などがあります。しかし、そのような状況に陥ったからといって、すぐにコンセプトを変更するのは短絡的な対応です。まずは、問題の根本原因をしっかりと分析する必要があります。顧客からのフィードバックを集め、データを分析して、問題の本質を理解しましょう。その上で、根本的な問題解決に繋がるような戦略を練ることが重要です。
結論:長期的なビジョンと一貫性が成功の鍵
コンセプトを変更することは、多くのリスクを伴い、短期的な利益を追求するあまり、長期的な成功を危うくする可能性があります。成功するためには、長期的なビジョンと一貫性が必要です。工務店経営者としては、この点をしっかりと認識し、短絡的な決断を避け、長期的な戦略に基づいて行動することが求められます。