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工務店や施主の考える良い家とは?良い家を定義するために必要なこととは?
だれしも良い家を建てたいことでしょう。でも、そもそも「良い家とはどんな家でしょうか?」
「良い家」は人によって異なる
例えば、ハウスメーカーが考えるスマートハウスとか、長期優良住宅などの工業的価値での性能の良い家、住宅履歴などが、良い家という人もいます。
また、建材メーカー主導のモノの価値を訴求する家づくりではなく、「暮らしをモノで豊かにしようするのではなく、暮らしを精神的に豊かにする。」そんな考え方の人もいるでしょう。そういった家づくりを求める方は、全体の20%程度でしょうか。
その他にも、ミサワホーム創業者の三澤千代治氏は「ハウスメーカーの家づくりは今の時代にはそぐわない、結果的に間違いだった。」と認めていました。
1967年にミサワホームを立ち上げた創業者の三澤千代治氏が、「時代に合わなくなった」の一言で、従来のプレハブメーカーのビジネスモデルを明確に否定していたことだ。「ハウスメーカーの商売は、原価50に対して一般管理費が50かかっている。セールスマンは何もつくらず、総合展示場も生産には寄与しない。だから壁にぶつかっている。環境の時代にも合わない」。
“200年住宅”に否定されたプレハブのビジネスモデル
もちろん、これは結果論ですし、ポジショントークも含んでいます。高度経済成長の時代にはハウスメーカー、建材メーカーが重要な役割を担ってきたことは、『箱の産業―プレハブ住宅技術者たちの証言』を読んだりするとよくわかります。
さらには、何十年のローンを組んで建てた家が、天災により一瞬にして跡形もなく消えていく現実を目にした人もいて、「家を建てるって何?」そう思う人もいることでしょう。
つまり、良い家とは、人によって違うということです。
家をつくる目的とは?
では一体、家をつくる目的は何でしょうか?ここの2つの感性を比べてみます。
A
- 大切なのは家族
- 30年後も夫婦二人で楽しめる
- 四季を感じたり、日の光や風といった自然の恩恵を受ける
- つくるのも食べるのも好き、みんなと一緒ならもっといい。
- 旅行も、美味しいものも、おしゃれも楽しみたい。
- 家は身の丈にあったシンプルで落ち着く場所。
- 人から見ておしゃれであるよりも、手や肌になじむ愛着。
- おしゃれは便利を兼ねる。
- 家事に時間を割るよりも、家族の時間が欲しい。
B
- 大切なのは仕事
- 30年後夫婦二人になったらどうしよう
- 夏涼しく、冬暖かい家が良い。エアコンが良く効く家。
- 外食がうれしい。
- 子供たちのために旅行に行く。
- 家は富と権力の象徴。
- 広くて豪華なのがいい。
- おしゃれなのは使い勝手が悪いと思う。
- 家事は妻の仕事
あなたは、どちらの感覚に共感できますでしょうか?
もしあなたが違う家づくりを行っていたとしても、その判断や経験を否定されるものではありませんが、暮らす人、建てる人、設計する人の三者が同じベクトルで家づくりを行うことが、いい家ができる近道だと思っています。
そのためにも、工務店は「まずは自分たちがどういう家が良い家なのか?を定義する」必要があります。
工務店の考える良い家を定義するために必要なこととは?
Googleの生成AIによる「工務店が考える良い家」
Googleの生成AIに「工務店が考える良い家」をたずねると、以下のような答えが返ってきました。
- 透湿性のある素材を正しく使用している
- 大工を含めて職人さんが心を込めて作っている
- 飽きないデザインで、家族皆が使いやすい
- 日本の気候風土を取り入れている
- 生活動線や家事動線がシンプルで便利
- 間取りがライフスタイルに合っている
- 収納が豊富で使いやすい
- 断熱性や気密性、換気性能など、基本の住宅性能が高い
- 自由度が高い
- 比較的、価格を抑えやすい
- トラブルへの対応が柔軟
- 地域の特徴や風土を考慮した家づくりができる
挙げられているのは、ありきたりでどの工務店でもできることだと思います。
おまけ:挙げられた内容を元に、AIで画像生成すると・・・
う~ん・・・
この家は、透湿性のある素材を使用し、職人によって丁寧に作られたもので、飽きのこないデザインが特徴です。家族全員が使いやすく、日本の気候に適した構造を持ちます。生活動線と家事動線はシンプルで便利、ライフスタイルに合った間取り、豊富で使いやすい収納、高い断熱性や気密性、換気性能を備えています。自由度が高く、価格が比較的抑えられており、トラブルに柔軟に対応できる機能も持ち合わせています。また、地域の特徴や風土を考慮して建てられています。
工務店が良い家を定義するために必要なこととは?
「良い家」とは、単に強度や耐久性だけでなく、そこに住む人々の幸せや満足を最大限に引き出す空間であることを踏まえると、工務店が良い家を定義するためには、以下の点を深く考慮する必要があります。ただし、単に一般的な指針に従って取り入れるだけでは無力なので、自社のビジョンと価値観に基づいて、その項目に対して自社はどう考えているのか?スタンスを明確にするということです。
- 施主のライフスタイルと価値観への対応
施主のライフスタイルをどのように理解し、それを反映させるか。例えば、家族の成長や趣味の変化に対応できるような柔軟な設計を提供するか、または特定のライフスタイルに特化した家づくりを行うかを決定します。 - 地域性と環境への配慮
各地域の気候や風土に合わせた設計をどの程度重視するか。地域性を反映させた家づくりを通じて、地域コミュニティに貢献することを目指すか、よりグローバルな視点で多様な設計を提供するかを明確にします。 - 持続可能性と環境配慮
エコな素材の使用やエネルギー効率の高い設計にどれだけ重きを置くか。環境への影響を最小限に抑える設計を積極的に取り入れるか、それとも従来の建築方法を維持するかの方針を定めます。 - 高品質な素材と施工
使用する素材の品質や施工の精度にどのようなスタンスを持つか。高品質な素材と精密な施工に注力するか、それともコストパフォーマンスを重視するかを決めます。 - 柔軟なデザインと機能性
施主の変化するニーズにどう対応するか。柔軟なデザインと機能性を重視するか、特定のスタイルや伝統的なデザインに特化するかを考えます。 - アフターサービスと継続的なサポート
完成後のメンテナンスやサポートにどの程度力を入れるか。長期的な顧客関係を大切にするか、それとも一度の建築に焦点を当てるかを決定します。
これらの項目に対する工務店の明確なスタンスは、施主との信頼関係を築き、工務店自身のアイデンティティを強化する上で不可欠です。それぞれの家族にとって最適な解決策を提供し、工務店独自の「良い家」の定義を確立することが、持続可能なビジネスと顧客満足の鍵となります。