「スーパー工務店」というファッション化はいつまで続く?

工務店経営者の方々からトレンドについての質問を頂いたりしますが、住宅業界には、

  • 「シックハウス問題」から、自然素材ブーム「健康住宅」
  • 「家は高すぎる」という指摘から、ローコストブーム「ローコスト住宅」
  • デザイン性が重視され始め、建築家ブーム「デザイン住宅」
  • 「家が寒い」という流れから、高気密高断熱や省エネブーム「エコハウス」

などのような、一過性のブームみたいなものが定期的に起こります。

今だと、スーパー工務店でしょうか?

目次

スーパー工務店を流行らそうとしている!?

最近ちらつくのは、「スーパー工務店」という呼び名で、一部の有力な工務店を持ち上げようとする動きが出ています。

「スーパー工務店」というファッション化はいつまで続く?「スーパー工務店」というファッション化はいつまで続く?
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スーパー工務店とは、性能面では大手メーカーよりも先を行く家づくりで、デザイン面では、設計事務所顔負けの設計力を持った工務店を指すようです。傾向をみると、耐震等級3、高気密高断熱で自然素材を使用が多い気がして、なんだかどこかの団体の傾向が強い気もするんですが(笑)

一昔前に流行った「スーパー工務店」とは異なります。(ネーミング変えればいいのに・・・)

Twitterで「スーパー工務店」を検索すれば、工務店ではない住宅系の事業者も、持ち上げていたりします。

言ってることはわかります。多分、ここでいう「ローコストメーカー」は、タマホームやパワービルダーを指し、「工務店」は中堅の住宅会社も含んだカテゴライズでしょう。

良い家をつくるも工務店、ダメな家をつくるのも工務店なのも、わかります。工務店や住宅会社の数が減る時代といっても、減っていくのは4位のカテゴリーだと思います。

・・・でも、この話を客観的に見ると、頭の良い技術厨や性能厨が持ち上げそうなことだなと思ってしまいます(笑)

人は、最高のものがわかったとして、いつもそれを選んでますか?

住宅業界では、エンジニア気質の人は、頭の良い技術厨や性能厨になって、最高の数値を追い求め、「最高」を持ち上げますが、自分たちも含め、人は常に最高のものを選んでいるのでしょうか?

例えば、

  • エコノミー < ビジネス < ファーストクラス
  • 自由席 < 指定席 < グリーン席

という席があり、ファーストクラスやグリーン席が良いのはわかります。だけど、多くの人はエコノミーや自由席を選択するでしょう。ファーストクラスやグリーン席が高くて払えないから?いや、頑張れば払える人は多々いるでしょう。だけど、エコノミーや自由席を選択する人は多いです。

車だって、最高級の車を買えないことはないけど、ほどほどの車を選択する人は多いです。衣装だって、最高級の素材を身にまとう人はほとんどいないでしょう。手頃なところで見繕う人が圧倒的に多いです。

外泊するホテルだって、コンラッドとかヒルトンとか1泊の値段が高いといって、払えない額ではないはず。でも、泊まる人は限られた人だけです。

上記の例は単発の例かもしれませんが、なら、毎日体内に取り込む食べ物はどうでしょうか?常に最高のものを口にしていますか?多くの人は、大衆的なところでの外食や、大衆的なスーパーで買った食材でしょう。

以前、「人は常にNo.1を選んでいる」みたいな話をしていました。人は頭の中にあるNo.1を選んでいて、その基準は、

  • 信頼度No.1かもしれませんし、
  • 安さNo.1かもしれませんし、
  • デザインNo.1かもしれません・・・

基準はいろいろあれど、No.1を選択しているのです。松竹梅あったら、間とって、竹を選ぶ人もいますが、それは、無難という意味でNo.1であるのです。

つまり、技術レベルが最高だからといって、お客さんのNo.1には必ずしもなりえない。ということです。人は、最高のものがわかったとしても、いつもそれを選んでるとは限らないのです。

こうやって客観的に考えると、頭の良い技術厨や性能厨のポジショントークな気もするので、「耐震等級3、高気密高断熱で自然素材を使用」で「スーパー工務店」というファッション化にしかすぎないと思えてしまいます。

最高のものを選んだからといって、人は幸せになるとは限らない。

物質が幸福度に与える影響は単純なものではなく、複数の要因が関与しているで、最高のものを選んだからといって、人は幸せになるとは限らないんですよね。

もちろん、スーパー工務店の存在が悪いとは思いません。「良いものをつくる」という商売の原則に沿っているので、そういった存在が増えるのは良いことだと思います。

ですが、、、家づくりは数学ではないので、正解はひとつではありません。ある一定の基準を超えていれば、皆が皆同じ方向を目指す必要はないと思います。

大事なのは一定の基準を超えた上で、何ができるか?だと思っていますし、そのためにも、自社のリソース(資源・資産)を把握し、その限られた経営資源を適切に活用していくことが求められますよね?

また、業界全体としては、

  • 「シックハウス問題」から、自然素材ブーム「健康住宅」
  • 「家は高すぎる」という指摘から、ローコストブーム「ローコスト住宅」
  • デザイン性が重視され始め、建築家ブーム「デザイン住宅」
  • 「家が寒い」という流れから、高気密高断熱や省エネブーム「エコハウス」

などのような、一過性のブームみたいなものなので、この波が去った後に残る最低限の「当たり前」が何になるかの方が興味ありますね。

同じことをやっても上手くいく工務店と上手くいかない工務店がいる。

スーパー工務店を真似するのもいいですが、不思議と、同じことをやっても、上手くいく人と上手くいかない人がいます。能力の問題や向き不向きもありますが、もっと根本的な原因があって・・・

なんとなく共通点をみていくと、「(周りに対して)何をしてくれるんですか?」という心構えの方は、上手くいかないですね。極端な話かもしれませんが、こういう態度って、業績に表れるんですよ。もちろん、業績は悪いです。

これまで接点のあった工務店経営者にもそういう方がいらっしゃいましたが、そういう方って、ちょっと話しただけでわかります。これって年齢ではなくて、意識の問題だと思っていて、若い人でも堅い人は堅いです。

経営者が変わると会社も変わるので、まずは経営に対する意識を変えると良いと思うんですけどね。

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