原液となる価値は普通の感覚では扱えない!?

先日、とある建築系の会社と打ち合わせをしていたら、話が広がり、ブランドや価値の話になりました。最近、建築系のブランディングの相談は多いですね。建築系のブランディングは、マンネリ化してきていますから、どこも悩んでいます。

建材などのモノは類似品や同等品がありますし、意匠デザインもすぐにパクれます。また、2流3流でも「建築家」と呼べば成り立つ売り方も増えてます。そんな下り坂の業界で、供給側が余りすぎている中でのブランディングは、結構骨をおります。

ただ、不思議なことに、ブランドや価値の捉え方は、立場によって全然違います。だから、コンセプトという多くの人を巻き込むための要素をつくる時は、ズレをなくすため、共有することを意識しながら進めていくのですが・・・

細かなマーケティング手法より、魅力あるコンセプト!

2017年10月22日

でも、ブランドや価値の根源を突き詰めていく時は、従業員の方は邪魔なんですよ(笑)

他がつくることのできない何か=カルピスの原液

なぜなら、ブランドや価値の根源を突き詰めていくと、『カルピスの原液』に行き着きます。(カルピスの原液論は秋元康さんとか堀江貴文さんがよく言ってますね。)

この原液がないと、だいたい競合が出てきてパクられます。だから、「カルピスの原液=優位性=他がつくることのできない何か」とは何なのかを考えないといけません。その会社(あなた)であるべき理由みたいなものですよね。

優位性があって誰にも真似できず、それが直接、利益も生み出しているようなことであれば、誰だってそれが価値であって大事にしなければいけないとわかるのですが、大抵はそんな都合よくありません。

その原液は、時間であったり、お金であったり、まずコストが掛かっています。なんでもそうですが、普通の感覚では原液は扱いづらいのと同じで、扱いがやっかいなのです。

だから、大半の方は保守的に、「◯◯はお金が掛かり過ぎだから、止めましょう(削りましょう)」などど、原液の価値を理解できず、排除してしまう人がいたりします。

経験上の見解ですが、従業員だけど、お金(経営)のところに少し接していたりすると、原液の価値に気付かず、無駄なコストカットに注力する人が多いんですよ。しかも、自分以外の人件費をカットしようとするんですよね(笑)だから邪魔なんです。

工務店の別事業の例

例えば、、、

  • ローコスト住宅を中心に工務店を経営していて、別事業で雑貨屋を経営している。
  • このままローコスト一本だと、手元になかなかお金が残らないため、ひとつ上のランクの住宅を提案していきたいと考えている。
  • お客さんの雑貨屋の認知度は、本業の工務店よりも高く、雰囲気も気に入ってくれている。だけど、雑貨屋は赤字続き。。。

こんな時、どうしますか?

明日食う飯に困るような経営状態でなければ、、、

まずは、雑貨の経営を見直します。トントンぐらいなるよう人件費を見直します。

ダメな一歩は、お店を小さくしたり、雑貨の仕入れ数を減らしたりすることです。雑貨が特に好きでもない方はそういう方法を取ったります。そういうことをするぐらいなら、さっさと撤退した方がいいんですよ。

そして、雑貨のコンセプトを中心としたコンセプト住宅をつくり、ローコスト住宅よりも上の層を狙うブランディングにつなげていきます。

人の繋がりの例

別の例で、例えば、こんなケースはどうでしょうか?

  • とある会社から仕入れをしていて、それはそこからしか仕入れられない商品である。
  • その商品は、数十年以上の歴史がある品である。
  • その商品の販売は、一社かぎりなので、自社が手に入れれば、他社は手に入らない。
  • ただ、その商品そのものは、直接的な利益をもたらしてはいない。なかなか売れていない。
  • 仕入れに、それなりのコストが掛かっている。
  • 会社は赤字が続き始めている。

ここまで聞くと、そんな商品は、仕入れを止めたほうがいい。もしくは仕入れ数を減らした方がいいと思う方が大半でしょう。

実際、ここの会社の従業員は、そういう考えの方ばかりで、「会社は赤字なんだから、無駄なコストを減らせ」という声が上がり、その商品の仕入れについて再検討したいと訴えているようです。

ですが、社長だけが、その仕入れの現状維持を訴えるのです。赤字に関しては、新事業により立て直すと・・・。

なぜなら・・・

その商品を仕入れていることで、業界の重鎮と繋がることができ、その繋がりにより、他社には真似出来ないブランドを築くことが可能になるからです。

その商品を仕入れなくすることはもちろん、数を減らすことでも、相手に対する敬意が失われることに繋がり、信頼も失ってしまうことを懸念しているのです。

ブランドって、モノや仕組みだと思っている人は多いですが、最近では、個のチカラにスッポトが当たりやすくなっているので、「人との繋がり」も大きく影響してきます。

カルピスウォーターを更に薄めたら、不味くて飲めません・・・

下り坂の業界で、魅力となるコンテンツが重視される時代だからこそ、カルピスの原液を生み出せない経営者は、下降線まっしぐらでしょうね。

ノウハウを買うことは、カルピスの原液ではなく、薄められたカルピスウォーターみたいなものですからね。そりゃ原液より、薄められてた方が楽に飲めますから。だから、皆、薄められた方を求めるんですけど、さらにそれを薄めてしまったら、お客さんは美味いとは感じないですよ(笑)

昔から、「成功者は一般人と感覚が違う」と言われていたり、従業員皆が反対することが成功したりするケースがありますが、そんな感じで、普通の感覚では原液は扱えないんでしょうね。

また、時代は違いますが、これらの視点って、稲盛和夫さんの『二世、三世経営者は、「この質問」に答えられない。』という話に近いのかもしれません。

二世、三世経営者は、「この質問」に答えられない。by 稲盛和夫

2016年4月13日

 

 

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追伸:工務店経営者の方にお知らせです。
参加した工務店経営者の声
今ではたくさんのコンサル会社がいろいろなセミナーをやっている時代、どれを聞いても同じようなセミナーで、言っていることはだいたい同じ、特に共感できるところもなく金儲けでセミナーをやっているとしか思えないようなセミナーばかりでした。そしてある程度規模の大きい工務店、地場ビルダーを対象にしたセミナーが多いことでした。でも以前より何回か井内さん、出口さんのセミナーを受けていますが、とても分かりやすく中小工務店(年間棟数20棟程度まで)を対象にした問題点を取り上げてくれています。

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ABOUTこの記事をかいた人

井内智哉

設計事務所勤務時に、建築家ネットワーク会社・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)とのコラボしたブランド住宅「AROS」の全国展開に宣伝・広告として携わる。ミサワホーム創業者の三澤千代治氏の新事業・200年住宅「HABITA」の立ち上げから携わり、宣伝・技術・営業・企画などの経験を積む。後に全国の地域工務店200社以上を束ねる住宅のフランチャイズ事業にまで成長。その後、デザイン住宅を軸にした注文住宅の事業「ソラマド」の全国展開に携わる。WEB集客やコミュニティの構築、関東・東海地域の市場開発、提携工務店への研修など、年間150棟ほどの住宅設計のマーケティングサポートを行う。また2013年1月、同社にて新規事業のDIY・リノベーションを提案するお店を立ち上げる。2013年6月より、住宅業界専門のネットマーケティングコーチとして独立。工務店フランチャイズ本部や同業他社とも連携し、地域工務店のサポートや研修などを経て、年間棟数20棟未満の小規模工務店の経営者向けにノウハウやコンテンツを提供している。2014年10月~2015年3月まで日本住宅新聞にて、歴代最年少執筆者として連載。