鉄板キーワードは「指名」と「地名」
会社名やブランド名による指名
工務店のSEO戦略で重要なのが「指名検索ワード」、つまり自社の名前やブランド名を含むキーワードです。
指名検索ワードは、お客さんが既にあなたの会社に興味を持っていて、直接的な情報を求めて検索しているため、他の一般的な検索キーワードよりも成約に結びつきやすいと言えます。特に「評判」や「口コミ」といったキーワードは、具体的な顧客体験に基づいており、信頼性が高い情報源として評価されます。
たとえば、「●●工務店 評判」や「●●工務店 口コミ」のようなキーワードは、潜在顧客が具体的な情報を求めている証拠です。ウェブサイトにお客様の声や成功事例を掲載することで、これらのキーワードに対して最適化し、指名検索ワードでの検索結果で上位に表示される可能性が高まります。
地名は最初は一つに絞る
地名を含む検索ワードは、地域密着型の工務店にとって重要ですが、地名キーワードの羅列は避けた方がいいです。Googleでは、無関係な地名はもちろんですが、単なるキーワードの羅列を評価しない傾向にあります。
よく見かけるダメな例:●●市・●●市・●●市・●●市で注文住宅を建てる…
キーワードの乱用とは、Google 検索結果のランキングを操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込むことです。キーワードの乱用では、不自然にリストやグループの形式を使ったり、関連性のない場所でキーワードが記載されたりする傾向があります。キーワードの乱用の例としては、次のようなものが挙げられます。
キーワードの乱用|Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
- 実質的な付加価値のない電話番号の羅列
- ウェブページが特定の都市や地域に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために、都市名や地域名を羅列したテキストのブロック
- 同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すこと。たとえば次のようなものです
地名のキーワード対策するなら、記事個別ごとにSEO対策した方がいいです。
サイトタイトルにどうしても入れたい場合は、まずは会社を構えているエリア(市)に絞って、そこで一定の評価を得られた後で、次の地名を追加していくことをオススメします。
最低限、「指名+地名」で上位表示されること
工務店のウェブサイトが最低限目指すべきは、「指名+地名」での検索結果の上位表示です。例えば、「●●市 ●●工務店 」という検索ワードは、その地域で活動する●●工務店を探している人にとって非常に関連性が高いです。これができていなければ話になりません。
小さな工務店がわざわざ取り入れる必要のないワードや考え方
世の中のWEB制作会社やSEO会社や工務店コンサルがあれこれキーワードを提案していますが、「このキーワードを使えばいい」という絶対的なものはありません。ターゲットであるユーザーがコンテンツを探すときに検索しそうなキーワード(使っている言葉)を考えたり、知ることが大事です。
以下、小さな工務店がわざわざ取り入れる必要のないワードや考え方を取り上げています。
「注文住宅」「新築」「一戸建て」「工務店」「家づくり」などの王道ワード
小規模な工務店にとって、一般的な業界キーワード「注文住宅」「新築」「一戸建て」などは、SEO戦略上適切ではない場合が多いです。
なぜなら、これらのキーワードは業界全体で広く使われており、競争が非常に激しいためです。大手企業や市場で確固たる地位を築いている企業には適していますが、小規模な工務店がこれらのキーワードで上位にランクインすることは困難です。さらに、これらのワードは広範囲なターゲットを対象としているため、特定のニーズや地域に特化した小規模な工務店の強みを活かすのが難しいです。
たとえば、ある小規模工務店が「環境に優しい家づくり」や「地元産材を使用した住宅建築」といった特化したサービスを提供している場合、これらの専門性を反映したキーワードを使用する方が、ターゲット市場に対してより響くでしょう。
4つの検索意図「知りたい(Know)」「行きたい(Go)」「やりたい(Do)」「買いたい(Buy)」
Googleでは、検索意図として、「知りたい(Know)」「行きたい(Go)」「やりたい(Do)」「買いたい(Buy)」の4つに分類しています。
消費者の行動と期待は永遠に変わりました。強力な携帯電話をポケットに入れておけば、時間を確認したり、配偶者にメールを送ったり、友達と近況を報告したりするだけではありません。私たちは意図を持ってスマートフォンに目を向けており、ブランドが即座に答えを返してくれることを期待しています。「知りたい」「行きたい」「やりたい」「買いたい」の瞬間に意思決定が行われ、好みが形成されます。
すべてのマーケターが知っておくべき 4 つの新たな瞬間
その情報から、多くのWEB制作会社やSEO会社がこの重要性を解くのですが、小規模な工務店にとって必ずしも最適な戦略ではありません。
なぜなら、「行きたい(Go)」「買いたい(Buy)」は具体的な購入意欲や訪問意欲があるユーザーを対象としていますが、これらは大規模なキャンペーンや広告により優位性を持つ大手企業にとって有利なキーワードです。小規模な工務店は、これらの一般的なキーワードではなく、地域密着型や専門性を強調したキーワードで差別化を図った方がいいです。
たとえば、 特定のニーズがあったり、専門性が高くて高額な商品の場合、お客さんはまず、情報収集や具体的な行動を起こしたいと考えるため、「知りたい(Know)」「やりたい(Do)」が先行します。なので、工務店側もわざわざ4つの検索意図がどうたらと考えるより、ターゲットであるユーザーの心理を理解していれば、自然と「知りたい(Know)」「やりたい(Do)」の情報を提供するようになります。
当然、「知りたい(Know)」方は情報収集している段階なので、すぐに受注に繋がることは考えにくいかもしれません。しかし、一生に一度で高額な買い物で比較検討する時代ですから、いざ行動を開始した時、「まったく知らない工務店」より「ネットで何度も見かけた工務店」のほうが信頼されやすくなります。
小さな工務店が狙うべきキーワードは「自社の一番の強みや専門性」
自社の一番の強みや専門性に超特化させる
一般的にブログの書く内容は、雑記と特化に分かれます。
- 雑記ブログは、様々なトピックやジャンルにまたがる内容を取り扱います。
- 特化ブログは、特定のトピックやジャンルにフォーカスし、その分野に関する専門知識を提供します。
工務店に限らずビジネスの場合は、後者が優先なのですが、今さら「注文住宅」などのベタなトピックを狙ってブログ記事を書いても、ハードルは高いです。なので、現時点で検索からの流入があまり見込めてない場合は、まずは、特化から更に絞り込んだ「超特化」的な内容にすることをオススメします。
それぞれ違いを挙げるなら、
- 雑記:住宅とは関係のない話題。近所飲食店とか、世間の話題・・・
- 特化:失敗しない注文住宅、工務店の選び方、住宅ローンの選び方・・・
- 超特化:ローコスト住宅、高気密高断熱、パッシブハウス、耐震住宅、自然素材の家、狭小住宅、規格住宅・・・
なので、キーワードは、自社の一番の強みや専門性に焦点を当てたものにしてください。そして、そのトピックを構成する要素を記事化して、情報の網羅性を高めてください。
そのキーワードを軸にして網羅性を高める
例えば、「高気密高断熱」を軸にした場合、網羅性を高めようと思うと、
- 基本的な説明:高気密高断熱住宅の基本的な概念と原理について
- 建築材料と技術:高気密高断熱住宅に使用される建築材料や技術について
- 設計と施工のポイント:高気密高断熱住宅の設計と施工の重要なポイントについて
- エネルギー効率と環境影響:高気密高断熱住宅のエネルギー効率について
- コストや費用対効果:高気密高断熱住宅の建設コストと長期的な費用対効果について
- 事例と顧客の声:高気密高断熱住宅の事例と顧客の体験談
- メンテナンスと寿命:高気密高断熱住宅のメンテナンスと寿命について
- 規制と補助金:高気密高断熱住宅に関する建築規制や政府の補助金について
などの、「高気密高断熱」を構成する要素をできるかぎり取り上げ、記事を作る必要があります。1~2記事で終わるようなことではありません。
そうやって網羅性を高めていくと、自然と3つ以上のキーワードを組み合わせた内容の記事になっていきます。このような複数のキーワードを組み合わせたニッチなSEOキーワードのことをスモールキーワード(スモールワード)と呼びます。小さな工務店のSEO対策では、このスモールキーワードで検索される状態を増やすことが求められます。
「比較」や「評判」の視点も網羅性を高めやすい
「比較」や「評判」といったキーワードは、小規模な工務店のSEO戦略において網羅性を高めるのに役立ちます。これらのキーワードは、顧客が購入や契約の決断を下す前に、他と比較したり、他の人の意見や評価を参考にするために検索されやすいです。
例えば、「高気密高断熱住宅の比較」という記事や「地元産材を使用した住宅の評判」というコンテンツは、読者が具体的な情報を求めている場合に特に役立ちます。これらの記事では、自社の家づくりの特徴、メリット、デメリットを客観的に提示し、他社の家づくりとの比較を提供することで、読者にとって価値ある情報源になります。
もちろん、比較や評判に関する記事を作成する際は、公平かつ客観的な情報を提供することが重要です。自社の強みを強調しつつも、公平な立場からの情報提供を心掛けることで、読者の信頼を獲得しやすくなります。また、実際の顧客の声や事例を取り入れることで、記事の信頼性と関連性をさらに高めることができます。
手が凄く掛かるコンテンツになるため、書こうとする工務店は少ないです。
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